CellBiology706x

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Salmonella

Contents:
  1. サルモネラ概要
    1. T3SS-1の詳細
  2. サルモネラの侵入(Triggerメカニズム)
    1. GEF mimic
    2. Actin Bind
    3. GAP mimic
  3. Vacuolor Compartment
    1. 成長時のT3SSの役割
    2. SIFの伸長
  4. 次:Listeria

前: PathogensとVirulenceFactors

  • ruffle 波立つ、ひだ
  • filopodia 糸状仮足
  • lamellipodia 葉状仮足
  • projection 突起
  • conduit 導管

サルモネラ概要

サルモネラは、自身の中のタンパク質、Secreted Effectorsをホストの細胞に注入して機構を乗っ取る。 自身のタンパク質を注入するには、サルモネラ自身のリン脂質二重膜と、ホスト細胞のリン脂質二重膜の2つの膜をどうにかパスする必要がある。

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サルモネラは針のような機構でこれを行う。 これをSecretion Systemと呼ぶ。

サルモネラは二種類のSecretion Systemを持つ。 Type 3 Secretion System、T3SSと略される。

  • early(侵入初期) … T3SS-1
  • late(細胞内で成長する時) … T3SS-2

T3SS-1の詳細

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サルモネラは2つの膜を持つ。

37度の温度だとType 3 Secretion systemを構築する事が出来る。

IMとOMにチャンネルがあり、間に導管があって2つの膜を越えてタンパク質が移動出来る。 さらにその先に針状のcomplexがあり、その先に穴があいていて、この針をホストの細胞膜に挿してタンパク質を注入出来る。

サルモネラの侵入(Triggerメカニズム)

Effectorを注入すると細胞膜に大きなruffle(ひだ)が出来て、phagocytosisを引き起こし自身を細胞内に取り込ませる。

このruffleの形成はRho pathwayをハイジャックする事で実現する。 RhoプロテインというのはG-proteinか。

G-protein、GAP、GEFは以下も参照。

SignalTransduction - Biochemistry 705x

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ハイジャック方法としては、GEFとGAPを偽装する。

注入するものにはGEF mimic, Actin Bind, GAP mimicの三種類がある。

クイズのproteasomeについてはUbiquitinationとDegradationを参照。

GEF mimic

GEF mimicとしてSopEがある。 これはArp 2/3 complexをactivateする事でF-actinを大量に合成する。

Actin Bind

ActinにBindしてポリメライゼーションを助ける、SipA, SipCがある。

GAP mimic

GAP mimicとしてSptPとSopP2がある。

Vacuolor Compartment

侵入したサルモネラがどう成長するか。

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侵入した時点では、SCV(Salmonella containing vacuole)と呼ばれる状態である。通常のphagosomeと同じようなものだが、すでに乗っ取られているのでSCVと呼ぶ。

SCVはダイニンによって核の付近まで運ばれて、ERやゴルジ体などの物質を使って成長する。

SCVは最初小さい液胞の状態でサルモネラの複製が始まり、 内部のスペースを使い果たすと、SIF(Salmonella induced filaments)と呼ばれるフィラメントを伸ばす。

成長時のT3SSの役割

SCVは侵入時にT3SS-1を、そして核付近への移動にT3SS-2を用いる。

SIFsはT3SS-2とそこから分泌されるeffectorsに依存している。

SIFの伸長

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SIFはホスト細胞の膜などを使って形成される。 そしてSCVから分泌されるSifAと呼ばれるEffectorがこの形成されるフィラメントに結合し、 これがkinesinを動員してフィラメントを引っ張る。

これがさらに増殖する為のスペースを与え、それにおそらくは栄養をホスト細胞が輸送するのに乗じて、どうにかして自身にも輸送していると思われている。

次:Listeria

Listeria