サルモネラは、自身の中のタンパク質、Secreted Effectorsをホストの細胞に注入して機構を乗っ取る。 自身のタンパク質を注入するには、サルモネラ自身のリン脂質二重膜と、ホスト細胞のリン脂質二重膜の2つの膜をどうにかパスする必要がある。
サルモネラは針のような機構でこれを行う。 これをSecretion Systemと呼ぶ。
サルモネラは二種類のSecretion Systemを持つ。 Type 3 Secretion System、T3SSと略される。
サルモネラは2つの膜を持つ。
37度の温度だとType 3 Secretion systemを構築する事が出来る。
IMとOMにチャンネルがあり、間に導管があって2つの膜を越えてタンパク質が移動出来る。 さらにその先に針状のcomplexがあり、その先に穴があいていて、この針をホストの細胞膜に挿してタンパク質を注入出来る。
Effectorを注入すると細胞膜に大きなruffle(ひだ)が出来て、phagocytosisを引き起こし自身を細胞内に取り込ませる。
このruffleの形成はRho pathwayをハイジャックする事で実現する。 RhoプロテインというのはG-proteinか。
G-protein、GAP、GEFは以下も参照。
SignalTransduction - Biochemistry 705x
ハイジャック方法としては、GEFとGAPを偽装する。
注入するものにはGEF mimic, Actin Bind, GAP mimicの三種類がある。
クイズのproteasomeについてはUbiquitinationとDegradationを参照。
GEF mimicとしてSopEがある。 これはArp 2/3 complexをactivateする事でF-actinを大量に合成する。
ActinにBindしてポリメライゼーションを助ける、SipA, SipCがある。
GAP mimicとしてSptPとSopP2がある。
侵入したサルモネラがどう成長するか。
侵入した時点では、SCV(Salmonella containing vacuole)と呼ばれる状態である。通常のphagosomeと同じようなものだが、すでに乗っ取られているのでSCVと呼ぶ。
SCVはダイニンによって核の付近まで運ばれて、ERやゴルジ体などの物質を使って成長する。
SCVは最初小さい液胞の状態でサルモネラの複製が始まり、 内部のスペースを使い果たすと、SIF(Salmonella induced filaments)と呼ばれるフィラメントを伸ばす。
SCVは侵入時にT3SS-1を、そして核付近への移動にT3SS-2を用いる。
SIFsはT3SS-2とそこから分泌されるeffectorsに依存している。
SIFはホスト細胞の膜などを使って形成される。 そしてSCVから分泌されるSifAと呼ばれるEffectorがこの形成されるフィラメントに結合し、 これがkinesinを動員してフィラメントを引っ張る。
これがさらに増殖する為のスペースを与え、それにおそらくは栄養をホスト細胞が輸送するのに乗じて、どうにかして自身にも輸送していると思われている。