CellBiology706x

CellBiology706x

CancerMetastasis

Contents:
  1. Tissues of Origin
    1. ガンのカテゴリ
  2. 腫瘍の進行
  3. Metastasisと個体形成
  4. Tumor Microenvironment
  5. Angiogenesis in Cancer

前: Cancer

  • melanoma 黒色腫
  • carcinoma がん
  • lymphocyte リンパ球
  • plasma cell 形質細胞(プラズマ細胞)。B細胞から分化して抗体を大量に合成する細胞。細胞質が多いのでこう呼ばれる。
  • connective tissue 結合組織
  • neoplasia 新生組織形成
  • benign 良性の
  • malignant 悪性の
  • cervical cancer 子宮頸がん
  • unmoor 抜錨する
  • niche 生態的地位(ニッチと同じ単語。自然環境の中である生物が他の生物との競争などを経て獲得した、生存を可能にする条件が揃っている場所)
  • distal site 遠位部位(distal単体では末梢)
  • mesenchymal 間葉の(epithelial cellから、epitheliumから離れて存在出来るようになるのをmesenchymal phenotypeになったと言うっぽい)
  • mesoderm 中胚葉
  • invagination 陥入
  • primordial gut 原腸
  • gastrulation 原腸形成、原腸陥入
  • stromal cell 間質細胞
  • infiltration 侵入、浸潤
  • prognosis 予後
  • angiogenesis 血管形成

Tissues of Origin

腫瘍はその起源となる組織と類似点が多い。

  • melanomas … 色素細胞から生まれる腫瘍。色素を合成するpathwayを腫瘍になっても保持し続ける事がある
  • basal cell carcinoma … keratinocyte stem cellから生まれる腫瘍。keratinocytesは皮膚の最外層を構成する主要な細胞。これはintermediate filamentsを豊富に含む。ここから生まれる腫瘍もそれらの元となるタンパク質を豊富に合成する。

これらの例からも予想出来るように、腫瘍細胞は起源ごとに異なる特徴を持ち、 またその起源に応じた対処が可能な場合もある為、これらの分類は重要となる。

ガンのカテゴリ

  • carcinomas : epitheliumから生まれるガン
  • sarcomas : 筋肉やconnective tissueから生まれるガン
  • lymphomas : リンパ球、プラズマ細胞から生まれるガン
  • leukemias : 血液細胞から生まれるガン

これらのガン細胞は元となるtissueと多くの共通する性質を持つ。(adhesion properties, signaling pathwaysなど)

腫瘍の進行

carcinomasの進行を例に見ていく。(特に良く理解されている子宮頸がん)

37ページ

正常な状態ではECMの上にカバーのようにかかっているbasal laminaの上に層状に折り重なっている。 そこからNeoplasiaー>Carcinomaー>Metastasisと進む。 Neoplasiaはbenign(良性)で、Carcinomaからはmalignant(悪性)。

Neoplasiaの後半ではbasal laminaを貫通する。 これは正常な状態では必要だった上皮に関わるシグナリングがなくても増殖出来るようになった事を意味する。 cell-cell contactからくるlateral signal やbasal laminaからくるシグナルなど。

この過程をEMTと呼び、morphologicalに劇的な変化がある。

carcinomaからmetastasisになる為には、originのtissueとは別の組織で増殖するための能力が必要で、 別の組織には異なるadhesion moleculesなど異なる条件に対応した要素が必要。

Metastasisと個体形成

転移は、もともとある正常なpathwayを活用する事で実現する。

胚からの個体形成で、gastrulationのあたりからepitheliumから一部の細胞が分化してlooseになってmigratoryになる。 これらの細胞がprimordial mesodermを形成する。

37ページ

このepithelial cellからmesenchymal cellへのtransitionが正常な個体形成で自然に起こる。 MorphogenesisのGastrulationも参照。

epithelial-to-mesenchymal transitionをEMTと呼ぶらしい。

このtransitionでtranscriptされるタンパク質も代わる。

epithelial (non-motile)

  • E-cadherin
  • claudin/occludin
  • desmogleen

mesenchymal (motile, invasive)

  • N-cadherin
  • vimentin
  • fibronectin
  • Snail 1/2

mesenchymal cellの性質は個体形成時にはmesodermの発生を導く性質だが、 ガンでは転移を導く。

Tumor Microenvironment

ガンは環境と相互作用する。

ガンはECMに働きかけて、もっとelasticにしたり、といった変化を与え、またECMからはガンにさらなるproliferationを促進するようなシグナルが来る。

ECMはstromal cellsと相互作用し、その結果間接的にガンとstromal cellsは相互作用する事になる。

Immune cellsはガン細胞を抑止するシグナルを発するが、それが上手くいくケースは正常に除去されるケースなのでそもそも観測されない。 観測されるガン細胞はimmune cellsに対して抑制するシグナルを発したり、immune cellsの抑制のシグナルを回避するような仕組みが備わる事が多い。

ただそれでも、immune cellsががん細胞に浸潤しているケースの方が予後が良い事が多いので、immune systemを向上させられれば、 ガンの治療に有効なのでは無いかと考えられている。 例えば何らかの方法でガン細胞からimmune cellsへの抑止シグナルをブロック出来ないか、など。

Angiogenesis in Cancer

腫瘍が成長してくると、腫瘍の内部には酸素が届かず、hypoxia状態になる。 そうするとガン細胞はHIF 1 αの転写がactivateされる。 これはVEGFというfactorをexpressする事になる。

VEGFはReceptor Tyrosine Kinaseのリガンドで、このレセプターはendotheliumやvasculatureにある。

このVEGFが血管上皮のレセプターに結合すると、このendotheliumの増殖を促し、 そうして生成した毛細血管が酸素を腫瘍の内部へと運ぶようになる。 十分な酸素が届くとHIF 1 αの生成は止められて、VEGFの生成が止まる。

これは通常の血管生成(Angiogenesis)と同じ機構で、これはembryoの時に組織のvascularizeで使われている。