信号伝達なのか信号変換なのか和訳には悩むSignal Transduction。
ややこしいのでまとめておく。
nucleotide-bindingでアロステリックなeffectorの例として、Small G proteinを見る。 GTPを加水分解する。
ヌクレオチドってどういう意味なのかなぁ。DNAやRNAの配列をイメージするが、チャンネル、トランスポーター、ポンプのCa2+ポンプのNドメインは全然そうは見えなかったけれど… ただGTPaseというからにはグアニンと結合するのだろうからこちらはヌクレオチド感があるか。
effector分子というのがあって、これがinactiveなT-stateとactiveなR-stateをとる。
Small G proteinがGDPと結合している時は何も起こらない。 Small G proteinがGTPと結合すると、Small G proteinはeffector分子と結合して、このeffector分子を変形してR-stateにする。
Small GTPaseはたくさんの種類がある。
GTPaseは3つの部分に分ける事が出来る
base-binding loopがグアニン塩基を識別する。中心にβシートがあり、まわりをαヘリックスが囲んでる。
P-loopがリン酸基と相互作用する。
P-loopは、xをなんでも良いとして以下の配列を持つ。 Gx(G or P)xxGK。 Gは小さいのでループを自由に作れる。Pが曲げる。Kはリン酸基のマイナスと相互作用する。 これはβとγのリン酸基と相互作用する。
GTPはMg2+と結合している時だけGTPaseと結合する。 Mg2+もβとγのリン酸基と結合する。
GTPからGDPになると、switch-1とswitch-2と言われる領域が変形する。
GTPを加水分解する事でinactiveな状態に戻る。ではこの加水分解はどのようなメカニズムか?
Thr-35とGln-61がH2Oのactivationを助ける。
ただこれだけだと-4から-6への変化は難しいので、他の助けがいる。 Mg2+がβとγのPの向きを固定し、少しだけ電荷の遮蔽を手伝う(でもちょっとだけ)。 これだけだと反応が遅すぎる。
そこでこの反応を触媒する別のタンパク質、GAPsと呼ばれるタンパク質がある。 (GTPase Activator Proteins)。
GAPはArgを使ってこの負の電荷の形成を安定化する。(その横のGlnも助けていそう) Argフィンガーと呼ばれている。
つまりRasは、
タンパク質の中のR-OHのアミノ酸をリン酸化する触媒(キナーゼ)。 これはATPをADPに加水分解するという点で、先述のGTPaseと似た構造の部分がある。
R-OHとしては、Thr, Ser, Tyr。
そら豆のような形をしていて、N-lobeとC-lobeを持つ。N-lobeはATPと結合する。C-lobeは基質と結合する。
N-lobeは中心にβシートがあり、まわりにαヘリックスが囲んでる。 さらにP-loopがあり、Gx(G or P)xxGKの配列となっている。 これはrasと似た構造。
アデニンとグアニンの識別については以下のペーパーが詳しい。
Molecular mechanism of ATP versus GTP selectivity of adenylate kinase
ハンドアウトも参照の事。
まずR-OHをR-O-にしてPをattackする。
その為に、R-OHをR-O-にするための塩基がいるが、これはAsp-166が担う。
次にattackされるPとO-の周辺の負の電荷を安定させる必要があるが、これにはLys-168のNH3+が担当する。
これらの反応を安定化させる為に2つのMg2+がα、βとβ、γのPを固定して、電荷を安定させる為に別のLys-72が、 Mg2+を固定する為にAsn-171とAsp-184が使われる。
これらのメカニズムで、以下のような反応が起こる。
リン酸化されるアミノ酸は、前後の配列が、以下の並びのもの。
-R-R-X-(Ser or Thr)-(疎水性のアミノ酸)
これらのspecificityを決定する部位が、触媒のメカニズムの下の所にある。
ここまで見てきた以下の3つ、
のすべてが関わる反応系として、epinephrineによるsignaling pathwayを見てみる。
epinephrineはアドレナリンとも呼ばれ、ホルモンの一種。 epinephrineは細胞の外部で結合し、細胞に入らない物質。
primary messenger。
生理学的な影響
代謝的な影響
1950年のEarl Sutherlandの実験。
肝臓の細胞を遠心分離して、solubleと微細粒子(細胞膜に含まれるなにか)に分ける。
epinephrineと微細粒子が、なにかのsecond messengerを生成していると思われる。 これは後に3’, 5’-cyclic AMPだと同定された。(cAMPの事)
Epiはβ-adrenergic receptorと呼ばれる受容体に結合する。 これは7回細胞膜を貫通するαヘリックスを持つ、7-transmembrane receptorと呼ばれる受容体の一種。
Epiと7-TMからcAMPへのメカニズムは?
=>G-proteinが関わってそう。(Gsと名付けた。sはstimulatory)
7-TMをGPCR(G-protein coupled receptor)と名付けた。
Gsは3つのチェインのある、heterotrimericなG-protein。
αサブユニット
Gsのαサブユニットは2つのstateがある。
3つのスイッチregionがあって、それが変形する。
βサブユニット
7つの羽のプロペラのような構造。個々の羽は4つのβ-strandsで出来ている。
メカニズム
EPIが7-TMに結合すると、Gsのαサブユニットの、GDPをGTPに置き換える。 GTPに結合すると、αサブユニットとそれ以外のユニットが分離する。
このαサブユニットがadenyl cyclaseまで移動してくっつく。
なお、GDPをGTPに置き換えるのを促進するため、7-TM+EPIをGEF(GTP Exchange Factor)とも呼ぶ。
2つのキーとなるステップがある。
ステップ1:GsαのTurn-Off
GsαがGTPを加水分解してinactiveなstateに戻る。この反応には前述のGTPaseの時と違い、GAPが要らない。 GsαがArgフィンガーも持っているから。
ステップ2:cAMPを取り除く
cAMPを取り除く方法としては、加水分解でcAMPを5’-AMPにするという反応が使われる。 この反応を触媒するのが、phosphodiesterase(PDEと略す)。
このPDEのinhibitorとして、cAMPのアデニンと似た構造の物質としてカフェインがあり、これがPDEと結合する事でPDEの働きを抑制する。
一つのGEFで、たくさんのGα-GTPが出来、このGα-GTP一つかadenyl cyclateを活性化してたくさんのcAMPが出来、このcAMPがPKAを活性化してこのPKA一つがたくさんのタンパク質をリン酸化する。