CellBiology706x

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変更を実現するメカニズム

Contents:
  1. Post Translational Modificationsとその代表としてのリン酸化
    1. リン酸化
    2. Consensus site
    3. 様々な官能基の付加の例
  2. 途中経過をモニターする為のツール
    1. Kinaseの人為的な制御
    2. リン酸化の結果のモニター
  3. ダイナミックでリバーシブルな性質
    1. 基質を操作してこれらの機能に介入する例
  4. Degradationについては別ページで

前: シグナルpathwayの例

  • attenuate … (ウィルスなどを)減毒する。(信号などを)減衰させる。

シグナルが実際に効果を発揮する為には、何かしらの作用を行う必要がある。 その作用に使われるメカニズムについて議論する。

シグナルの帰結と似た話だが、それらの帰結を引き起こす為の具体的な化学反応などの話となる。 >シグナルpathway

Post Translational Modificationsとその代表としてのリン酸化

Post Translational Modifications (PTMs)にはいくつかの論点がある

  • Modificationの内容 … リン酸基を共有結合する、など
  • Specificity … Consensus siteが相手を識別する
  • Kinase/substrate がどうやって近接するか
  • キナーゼの制御 … on/off
    • PTMs
    • partnersと結合する事によって

リン酸化

リン酸化(Phosphorylation)は様々な所で使われる。

  • Tyrosine Kinases
  • Serine/Threonine Kinases

これらはリン酸基を付加するmodificationである。 そこでリン酸基自身についても特徴を見ておく。

リン酸基は 80Da、決まった電荷(-1か)という特徴があり、リン酸化はこのリン酸基と共有結合を結ぶ反応である。

Consensus site

特定の塩基配列に対してのみ作用する、という時に、そのサイトを識別する為の場所。

  • CDk … [ST]PxK にマッチ。大括弧は正規表現と同様。xは任意のAA。
  • Aurora kinase … [RK]x[TS][ILVM] cation+なんでも良い+TS+hydrophobic。(メチオニンってhydrophobicだっけ?)

どちらもリン酸化は[ST]に対して行われる。

様々な官能基の付加の例

  • Phosphorylation
  • Methylation - CH3 .. 14Da
  • Acetylation - 42Da

アセチル基は酢酸からOHを取り除いた官能基(CH3CO-)

途中経過をモニターする為のツール

途中で作用を止めたり、その結果を検出したりする必要がある。

Kinaseの人為的な制御

  • Mutants
  • Inhibitors
    • Biologyの研究
    • 病気の治療
      • Gleevacとか良く使われる

リン酸化の結果のモニター

  • Western Blot (phospho-specific antibodyを使った)
    • phosphotyrosine antibodyを使って RTKs のpathwayを調べる (RTKsはシグナルpathwayの例参照)
    • 特定のアミノ酸がリン酸化されている時だけ反応するantibodyなどもあり、利用出来る
  • Radioactivity (P32がγにあるATPを使うなど)
    • autoradiogramやscintillation counterで検出
  • Mass spec
  • 1D gel … 80 Da程度では動く早さには影響を与えないが、電荷の違いで動きに違いが出るので、少しバンドがゆらぐ
  • オススメしない … 2D gel。昔はやってたが今では時間の無駄らしい。

ダイナミックでリバーシブルな性質

Post translational modificationの多くは、付加するenzymeと取り除くenzymeの両方があり、 両方の状態の行き来がある。 シグナルは一回起こって終わりでは無く、そのあとにやってくるシグナルにも反応する事を考えれば、 元の状態に戻る必要がある。

例えばキナーゼにはphosphataseという逆の反応をするenzymeがある。

キナーゼは500種類くらいに対してphosphataseは50種類くらいが知られている。 phosphataseの方がspecificityが比較的低く、より多くの物質に機能する。

これらにどう介入して検査していくか?

基質を操作してこれらの機能に介入する例

例えばSerineをリン酸化する例を考える。 このSerineを以下のように変化させて、それぞれの機能をエミュレート出来る事がある。

  • Alanine … リン酸化出来なくなる(OHが無いので)
  • Asparatate (またはグルタミンなど) … リン酸化されてる状態の電荷をエミュレート(出来る場合がある)

これらの狙ったタンパク質を合成するmutantを用いて、これらの機能を調べる事が出来る事がある。

Degradationについては別ページで

少し長くなるので独立したページで扱う。 UbiquitinationとDegradation