CellBiology706x

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シグナルの帰結

Contents:
  1. Gene expressionの変更
    1. Gene expressionの変更を検出する方法
  2. シグナリングのタンパク質のモジュラー構造
  3. TGF-BetaのSignaling Pathwayの例
  4. Mutantを使ってSignaling Pathwayの順番を調べる

前: レセプターとリガンド

最終的にどう反応するか、というのは幾つか考えられる。

Gene expressionの変更

数分、数時間、数日といった長いオーダーで変化を与えるケース。 何らかの形でTranscription factorに影響を与える。(activity, specificity, stabilityなど)

Gene expressionの変更を検出する方法

  • RNA-seq/microarrays
  • Reporter construct (GFPなど)
  • Q-PCR
  • Northern blot (特定のRNAをハイブリダイズして検出する)

様々なblot

  • Northern blot … RNAを検出
  • Southern blot … DNAを検出
  • Western blot … タンパク質を検出

シグナリングのタンパク質のモジュラー構造

幾つかのシグナリングの機構は様々なタンパク質で共通に使われている。

  • キナーゼ domain
  • SH2 ドメイン (phosphotyrosine residueに結合する)
  • PTB ドメイン (phosphotyrosine residueに結合する)
  • SH3 ドメイン(proline-richなregionに結合)
    • SH2, SH3はSarc homology 2, Sarc homology 3の略。
  • PH ドメイン (phospholipidsに結合)

TGF-BetaのSignaling Pathwayの例

TGF-Betaのシグナルのpathwayは、cellのgrowthとdevelopmentの鍵となるpathway。 Transforming Growth Factor Betaの略称。

PngNoteの11ページ

TGF-Betaは他の細胞から分泌されてやってくる小さなタンパク質。これがリガンド。

このpathwayでは、3つの異なる種類のtrans-membrane proteinsが関わる。

  • R III … 最初にTGF-Bを受け取る。TGF-Bを膜の付近に集める役割。R IIにTGF-Bを渡す。
  • R II … R IIIから渡されたTGF-Bが、inner cell側のキナーゼをR Iと反応するように変更する。
  • R I … R IIのキナーゼドメインにリン酸化される(細胞内側)。

R IIはキナーゼとして最初からアクティブだが、R Iとは反応しない。R Iと反応するようになるのがTGF-Bを受け取ったかどうかの違い。 R Iはキナーゼとして最初は不活性だが、R IIによってリン酸化されるとキナーゼとしてアクティブになる。

最後にR Iがキナーゼとして活性になると、SMADと呼ばれるsoluble proteinをリン酸化するようになる。 SMADはcytoplasmaにあるタンパク質で、膜に偏在している訳では無い。

SMADがリン酸化されるとNLSがexposeされて核に運ばれるようになる。これがTranslation factorとして働く。 このSMADがTFとして機能するかどうかは細胞の他の要素とも関わるところで、これが細胞の種類ごとの反応の違いを生み出す。

ここまでで、

  • リガンドを受け取る
  • 増幅しつつ連鎖的に反応していく
  • TFを核に送る

という一連の流れが出来ている事がわかる。

なお、Ski, SnoNという物質はこのSMADのアクティビティをブロックする。

Mutantを使ってSignaling Pathwayの順番を調べる

誰が関わっているのかは分かったとして、どういう順番なのか、というのはどうやって調べるのか?

mutantを使う手法が良く使われる。 この目的でツールとして使うmutantたち。

  • hypomorph/null … inactive
  • constitutively active … いつもon
  • dominant negative … inactiveだが、機能するタンパク質が存在している状態でもinactiveにする変異といのが一番目との違い(毒のような振る舞い)