CellBiology706x

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シグナルpathwayの例

Contents:
  1. CytokineとJak/Stat
    1. このpathwayのフィードバック経路
  2. Receptor Tyrosine Kinases (RTKs)
    1. SH2ドメインのspecificity
  3. Ras+Map Kinaseの例 (RTKの例1)
  4. PI3キナーゼシグナリング (RTKの例2)
    1. PHドメイン
    2. PTENによる抑制制御
  5. 関連リンク

単語

  • bone marrow 骨髄
  • constitutively 構造的に。constitutively activeでいつもオンとなるミュータントの事。

以下の例を見ていく

  • CytokineとJak/Stat
  • Receptor Tyrosine Kinases (RTKs)
    • Ras+MapKinase
    • PI3 Kinase Signaling

CytokineとJak/Stat

PngNoteの11ページ

リガンドはEPO (erythropoietin)。赤血球の増加を促す。EpoRがレセプターで、EpoRはJAKという別のタンパク質とくっついている。

Epoが結合するとEpoRは変形してJAKが近づき、JAKはお互いをリン酸化する。お互いがリン酸化されるとさらにEpoRの下側のドメインもリン酸化する。

下側のドメインがリン酸化されるとSTATというタンパク質と結合するようになる。STATにはシグナルの帰結で述べたSH2ドメインがある。 結合すると、さらにJAKはSTATをリン酸化する。

STATはリン酸化されるとdimerizedされ、NLSが露出するようになる。 NLSが露出すると核へと運ばれて、transcription factorとして働く。

このpathwayのフィードバック経路

  • SHP1というタンパク質がphosphataseとして機能し、リン酸化を抑制する。
  • SOCSというタンパク質がE3 ligaseとして機能してレセプターを分解する(後のレクチャーでやるらしい)

phosphataseはリン酸エステルを加水分解する酵素の事。> フォスファターゼとは - コトバンク

Receptor Tyrosine Kinases (RTKs)

PngNoteの12ページ

キナーゼドメインのtransphosphorylationは、通常はアクティブでは無いが、両者が近づくとお互いをphosphorylationする。 transphosphorylationは膜をまたいで反対側がリン酸化される事か。

  1. リガンドが来るとconformational change
  2. 両者が近づくとお互いをphosphorylation
  3. リン酸化されるとSH2ドメインを持つ別のタンパク質が結合する

SH2ドメインのspecificity

SH2ドメインを持つ様々なタンパク質があり、鍵と鍵穴のように特定のペアだけが結合する。 PngNoteにあるように、チロシンにリン酸基があるとそこと結合するポケットと、 他の部分のアミノ酸配列に依存したspecificityを示すポケットがあり、両方がマッチしたものだけが結合する。

チロシンはリン酸基が無いとポケットにはまらない。

Ras+Map Kinaseの例 (RTKの例1)

先に見たRTKのdownstreamの一例として、Ras+Map Kinaseの例を見ていく。

  1. RTKが通常通りリガンドを受け取り、Grb2をリン酸化 2.. Grb2 … SH2ドメインと2つのSH3ドメインのあるタンパク質。SOSと結合してアクティベートする。
  2. SOS … RasというG-proteinのGEFとして機能。
  3. Ras … 膜上にあるG-protein。Rafをアクティベート。
  4. Raf … キナーゼドメインと、それを抑制するautoinhibition domainを持つ。Rasと結合するとキナーゼとしてアクティブになる。アクティブになるとMapキナーゼキナーゼをリン酸化する。
  5. Map Kinasekinase … Map kinaseをアクティベートする。
  6. Map kinase … その下のdownstream targetsをアクティベートする。

Grb2, SOS, Rafはcytoplasmに浮遊しているタンパク質で、RTKはtransmembrane、Rasは膜上に偏在する。

PI3キナーゼシグナリング (RTKの例2)

RTKの例としてさらにもう一つ、PI3 Kinase Signaling pathwayを見てみる。

PngNoteの13ページ

RTKの所でも触れた通り、RTKは以下のように進む

  1. RTKがリン酸化する
  2. このリン酸基がSH2ドメインを持つ別のタンパク質が結合する

このSH2ドメインを持つタンパク質とRTKの間にspecificityがあり、それが様々な組み合わせを実現する。 この間はAAの配列がそれぞれの関係をコーディングしていると言える。 PI3キナーゼのシグナリングpathwayは以下のように進む。

  1. TRKがリガンドと結合して内側のドメインをリン酸化
  2. PI3 Kinaseが結合しアクティブ化
  3. リン脂質の一種、PIP2をリン酸化しPIP3にする
  4. AktとPDK1というタンパク質がPIP3と結合し、膜に集まってくる
  5. AtkとPDK1が近くに来ると、PDK1がAktをリン酸化
  6. Atkがアクティブになってdownstreamのターゲットをリン酸化

PI3キナーゼはリン脂質をリン酸化するという点で特徴的。

PHドメイン

リン酸化されたチロシンを識別するSHドメインのように、リン脂質の種類を識別する、PHドメインというものがある。 この例の場合はPIP3を認識するPHドメインを持つタンパク質がいくつかある。

AtkとかPDK1と呼ばれるタンパク質がそれ。

PHドメインはシグナルの帰結で述べた、モジュラー構造の一種。

PTENによる抑制制御

PTENはPIP3をPIP2に戻す。lipid phosphatase。

関連リンク