これは、705xのProtein Purificationと似た話になっている。>ProteinPurification - Biochemistry 705x
DNAポリメラーゼの活動の計測には以下のような手法がある
以下、Incorporation assayを行う手順について。
M13というファージを使う。 これはssDNAの円環のDNAで、5000 baseの長さ。 > ゲノムのオーダー
まず20〜25 base pairのprimerを合成。これはネットで注文すると翌日には50baseくらいの長さのprimerは届くらしい。
このprimerが届いたら、ssDNAとprimerを入れた溶液を100度の熱源に3分くらい接しておいて、 そのあと熱源から離してランチに行って帰ってくるとannealedされているらしい。
ssDNAは一本でも塩基同士の水素結合で折り曲がるらしい。熱するのはこの水素結合をほどいてannealeしやすくする為らしい。
バッファは以下のようなもの
この手法のためには、少なくとも1つのdNTPはラベルづけされている必要がある。 ラベルは蛍光ラベルか放射線ラベルが使われる。
蛍光ラベル
蛍光ラベルはだいたいはthymidine analogが使われる、つまり塩基に付与される。 thymidineはチミンの塩基の名前>ヌクレオチド
メチル基がありさえすれば付与出来るらしい。
放射性ラベル
NHのHをトリチウム(三重水素)にしたものや、リン酸基をP32にしたものが使われる。
ちょっと訳がわからなかったので英文のままで。たぶん時間を計測しつつ特定の時点で溶液を分けておき、計測するって事だと思うが。
取り分けたらEDTAかSDSを使って反応を止める。
幾つか方法がある。
DNAとdNTPを分離するのに使われる、古くからあるやり方。
例えばNaClを含んだバッファを使って洗い流すと、Na+がDNAやdNTPと結合してフィルタから離れようとする。
ここで、dNTPは3つの-電荷で、DNAは何千もの-電荷(塩基一つにつき1つの負電化)。 同時にどれだけの-イオンとNa+が結合できるかはNa+の濃度、ひいてはバッファのNaCl濃度に依るので、 この濃度を調整してdNTPはだいたい洗い流せるが、DNAは流せないようなバッファを作る事ができる。
放射線ラベルを使っている場合は、数秒流して結果に放射線が検出できるか?を何度か繰り返して検出できなくなるまで行えば良い。
典型的にはNaClの濃度は50 mMくらいが良く使われる。DNAを流すには2〜3 Mの濃度が必要なので、50mMだとだいたいは残る。
あとは残ったDNAのラベルを計測する。
だいたいfemtomole (10^-15
モル)とかattomole(10^-18
モル)とかのオーダーで組み入れられている。
ヌクレオチド一つあたりのラベルの量を知っていれば、とても高い精度でどれだけのヌクレオチドが組み込まれたかが計測出来る。
これらの性質から、とりあえずポリメラーゼがどこにあるのかを確認するのに使われたりする。
長さの情報が欲しい時はゲル電気泳動。
通常ゲル電気泳動ではゲルとしては寒天(agarose)かアクリルアミド(acrylamide)が使われるが、 合成したDNAを分離したい時は、テンプレートとくっつかないように分離してしかもまっすぐにしないといけないので、
を加える必要がある。これらを加えたゲルで、95度くらいに熱してtemplateから分離すると、 NaOHや尿素がふたたびannealすることを防いでくれるので、生成物だけを分離することが出来る。
これらを加えたゲルを denaturing gel、これらを加えたゲルを使った電気泳動をdenaturing gel electrophoresisというらしい。> DNAのdenaturing
電気泳動をする時は、ラベルを識別するか、ethidium bromideで着色する。 ethidium bromideはDNAならなんでも着色出来る物質。EtBrと略されることも。
Incorporation assayではProcessivityなどが計測出来ない。 Processivityを計測したい場合はprimer extension assayというのを使う必要がある。
Primer extension assayの特徴は以下。
このようなassay全般をPrimer extension assayと言う。Template challenge assayはその亜種。
具体的にどう実験を設計するかは何を測るか次第だが、その前にProcessivityの定義を見ておく。
Processivityとは、一般にポリマーを合成する酵素に対して使われる概念で、以下が定義。
Number of Enzyme cycles/Polymer binding
DNAポリメラーゼの場合は以下になる。
追加されたdNTPの数/PTJ binding event
動画を見た感じだと、ようするに一度primerにポリメラーゼが結合した後にどこまでそのまま合成が進むか、という概念の模様。
つまり、一度外れてまた別のポリメラーゼが続きを合成する、みたいなものは除外して、 一回結合したらどこまで連続で合成出来るか、というものを測る指標がProcessivityというらしい。
これを測る為にはなんらかの Primer extension assayが使われる。
ProcessivityはDNAポリメラーゼの種類によって大きく異る。
よってこれらの数値を計測出来れば、そのポリメラーゼが何に使われるかの情報を得ることが出来る。
以下の2つの数字を考える。
1は拡散によって支配される過程の話で、2はDNAポリメラーゼの合成の速さを表すと考えられる。
結合するのに掛かる時間で1000個のdNTPを付加出来るので、もしたくさんのDNAを合成したいなら、高いProcessivityのポリメラーゼを使う方が良いと考えられる。結合には多くの時間が掛かるので、一度結合したら長く合成出来る方がいいからだ。
Primer extension assayの一種で、processivityを測るのに行われる分析。
一度P*TJから外れたら、次に結合する相手は、999/1000はラベル無しのPTJになるので、 だいたいはそうでないと期待出来る。
追加されるラベル無しのテンプレートをchallenged templateと呼ぶらしい。挑戦相手って意味かね。
おー、ちゃんと全部分かるぜ。一問間違えたが、間違えたあとに選択肢を見直したらどれが正解かちゃんとわかった。 このシークエンスの内容はちゃんと消化出来た模様。