CellBiology706x

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Actinとそのポリマー化

Contents:
  1. Cytoskeletonの構成要素
  2. Actinの概要
    1. Actinの2つの形態
  3. Actinのポリマー化
  4. Actin assemblyのassay
    1. pyrene actin assayの利点と欠点
  5. Actinのpolarity
  6. ActinのATP-ADPスイッチ
  7. Actinのnucleationをpromoteするfactor
  8. Elongationを促進するファクター
    1. TIRFとElongationファクターとしてのArp 2/3
    2. Formin
  9. Actinと関連するタンパク質たち
    1. myosinの種類
  10. APC-CとmDia1の実験
    1. 実験の手順
    2. rocket launcher model
  11. Treadmilling
  12. Microtubuleへ続く

  • confer 話し合う、協議する
  • motile 運動性の、自ら運動出来ること
  • globular 球形の
  • modulate 調節する
  • derivatize 誘導体化する(誘導体は分子の一部を置き換えて得られる化合物の事)

Cytoskeletonの構成要素

PngNoteの6

Cytoskeletonは大きく分けて3つの構成要素がある。

  1. Actin (マイクロフィラメント)
  2. Microtubules
  3. Intermediate filaments

このうち1と2はダイナミックで似た性質も多く持つ一方、3番目は静的で、骨格という言葉からイメージするものに近い性質を持つ。 ここではActinについて見ていき、 Microtubulesについてはのちほど別途見ていく。

Actinの概要

  • 42kDaのタンパク質(中くらいのサイズ)
  • ATP binding (リン酸化はしない)
  • Highly conserved (進化系統樹の中でかなり構造が保持されている)
    • Cytoskeletonを持たないバクテリアにすら良く似た物質があるほど(MreB)

Actinの2つの形態

Actinは以下の2つの形態をとる

  • G-actin (Globular) … Freeな状態
  • F-actin (Filamentaus)

Actinのポリマー化

PngNoteの6の下部PngNoteの7ページ

kDについてはレセプターとリガンドも参照のこと。

Actin assemblyのassay

PngNoteの8ページ

pyrene actinを使って、pyrene actinのassembly assayを行う事で、actinのassemblyを調べる事が出来る。 population based assay。

pyrene actin assayの利点と欠点

利点

  • assemblyのkineticsを調べる事が出来る(時間とともにFluorescenceがどう変化するかを見る)
  • assembly-disassemblyがどう調節されているのかを調べる事が出来る

欠点

  • 全体の量を測るだけで、個々のパターンを見る訳では無い
  • 形の違いがわからない(リニアかブランチがあるか、など)

これはbulk assayである時点でのpopulationを測るassay。

Actinのpolarity

PngNoteの8ページの下端

Actinポリマーは向きがあり、両端は同じでは無い。片方を-、またはpointedと呼び、もう片方を+、またはbarbedと呼ぶ。 それぞれのaffinityは違うし、また、各モノマーの表面でもどちら向きかが分かる。

  • pointed(-) 0.6 μM
  • barbed(+) 0.1 μM (つまりこちらの方が伸びる)

ActinのATP-ADPスイッチ

ActinはATP bindingで、ATPかADPかの違いがスイッチとして機能している。 ここまで述べたaffinityは基本的にはATP Bindingの状態。

ADP Actinのポリマー状態でのアフィニティは

  • pointed(-) 1.7 μM
  • barbed(+) 1.9 μM

20倍くらいくっつかなくなる。

ある程度時間が経つとATPは加水分解されてADPになる。 だからポリマーの鎖の途中から先はADP boundな状態になっている。 一方で新しく追加されるモノマーはATP boundなので、+側はATP boundで、鎖の途中から-側はADP boundな状態になっている。

Actinのnucleationをpromoteするfactor

PngNoteの9ページ

Arp 2/3 complexがnucleationを促進する。 Arp2とArp3は結合して、これが他のActinモノマーと結合する事でnucleusとして振る舞う。

ただしこの反応は他のタンパク質にコントロールされる。コントロールするタンパク質はActAやWASPなど。

ListeriaというバクテリアはActAというタンパク質でこのArp2/3をrecruitしてアクティベートする。>Listeria

WASPもArp 2/3をアクティベートする事で知られている。WASPは Wiskott-Aldrich syndrome protein。 Wiskott-Aldrich syndromeはWASPが機能しない事で引き起こされる病気。

Elongationを促進するファクター

  • cover slip 顕微鏡でスライドの上で見本をカバーするのに使うとても薄いガラス
  • sever 切断する、分かれる(なんか枝分かれを増やす的な意味で使われているように思える)
  • sequester 隔離する
  • evanescent 一過性の、つかの間の

PngNoteの10ページ

TIRFとElongationファクターとしてのArp 2/3

Arp 2/3はElongationも促進するが、これは枝分かれを形成するのを助けるように促進する。 ポリマーの側面にくっつく事が出来るらしい。

枝分かれしている様子はTIRFというFluorescenceを使う事で観測出来る。 TIRFはTotal Internal Reflection Fluorescence microscopyの略称との事。

TIRFはカバースリップ(スライドの上の試料を覆う薄いガラスカバーの事らしい)に近接している問いだけ光るので、 この枝分かれを観測する事が出来るとか。

光を角度をつけてcoverslipに照射するとその内側の面で全反射し、境界から50〜100nm程度しか染み出さない。 そこでcoverslipの付近に観測したいものを置く事ができれば、そこだけを光らせる事が出来る。

この時に使われるfluorophoreとしてはAlexa fluorなどが使われるらしい。

coverslip表面に集める方法としては、myosinを使うという方法が考えられる。 myosinはactinと結合するので、coverslipをmyosinでコーティングするとactinを集める事が出来る。

ただしmyosinは普通はmotorタンパク質なので動いてしまう。 そこでN-ethylmaleimide、通称NEMを用いると、結合はしつつmotorの挙動を抑制する事が出来るらしい。

TIRFはsingle-moleculeメソッドという分類らしい。 これはpyrene actinがbulkメソッドなのと対照。

Assay

Formin

Forminもnucleationとelongationの両方を促進するが、Forminはリニアなフィラメントの形成を助け、 枝分かれはしないらしい。

Actinと関連するタンパク質たち

Actinと関連するたくさんのタンパク質がある。ここでそれらを外観してみよう。

PngNoteの11ページ

4のcofilinのsevering factorというのは、切り裂くって意味から枝分かれを促進するfactorという意味っぽい(今週のクイズの回答から)。

多くのmyosinはbarbed endからpointed endに向かって移動するが、逆に移動するmyosinもある。

myosinの種類

  • myosin II … 筋肉の収縮で力を生むmyosin
  • myosin V … vesicle transportationに関わるmyosin

APC-CとmDia1の実験

抗がん剤のAdenomatous Polyposis Coli、APCと、それとペアとなって働くformin proteinの一種、mDia1についての研究の話。

PngNoteの12ページ

この2つがactin assemblyを促進する事が分かっているとして、これがどのようなメカニズムなのかを知りたいとする。

APCのC末端側のfragment、APC-Cというのがあって、これだけでassemblyの反応を起こすのに十分な事は分かっていて、 APCを取り出す事が難しい為、APC-Cを使う事にする。

実験の手順

APC-Cをblue fluorでラベルづけする。どのような順序で実験を行っていくか?

まずはcontrolとして、bulk measurementであるpyrene-actinn assayで反応がちゃんと起こる事を確認する。

次にAPC-Cの他にもmDia1を赤に、actinに緑の蛍光を付与して、TIRFを行う。 すると青(APC-C)が末端についたまま、伸びていく方の端には赤(mDia1)がずっとくっついたままである事が見て取れる。

rocket launcher model

最初にAPC-CとmDia1がくっついていて、中にactinが入っていく。その後APC-Cはpointed末端にくっついたままでいるが、 mDia1側にはどんどん新しいactinがやってきて結合して伸びていく。 これをrocket launcher modelと呼び、TIRFの結果から考えられているメカニズム。

Treadmilling

Actinが伸長していった後に一定の長さで留まるのが普通の動きとなる。 この一定の長さで留まる状態は、片方で伸長されていてもう片方で縮んでいて、この比率が等しい状態となっている時に観測される。

これをactinのtreadmillingと呼ぶ。

Microtubuleへ続く

Microtubule