CellBiology706x

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レセプターとリガンド

Contents:
  1. レセプター
    1. Cell surface receptor
  2. レセプターとリガンドのassayの概要
    1. 平衡定数と結合のしやすさ
  3. G-protein coupled receptors (GPCRs)
    1. GPCRsの構造
    2. GPCRsの使用例
    3. G-proteinについて簡単に
    4. 視覚などのG-proteinの例
    5. アドレナリンと心拍数の例
  4. 次: シグナルの帰結

前:SignalTransductionの概要

レセプター

レセプターにはシグナルを検出出来る場所がある。

  • 外部のシグナル ー> Cell surface receptor
  • 細胞の種類によって異なる ー> レセプターの種類が何に反応できるかを決める
  • 一つのレセプターは一つclassのシグナル分子にspecific
    • レセプターは「リガンド」と結合する (ligand)

Cell surface receptor

細胞膜についているレセプター。 cell surface receptorは典型的な哺乳類の細胞だと400種類くらいが存在している。

基本的には

  • ligand binding domain
  • transmembrane domain
  • signaling domain

の3つのドメインが必要。

ゲノムからでもそれぞれのドメインを推測する事は可能だし、signaling domainがどういう作用を持つかもかなりは予想可能だが、 ligand binding domainが何と結合するかを予想するのは極めて難しい。

だから リガンド-レセプター の関係を特定するのは大きなテーマとなっている。

また、レセプターの存在は確認出来ているが対応するリガンドが見つかっていないものもたくさんあり、 これはOrphan Receptorと呼ばれている。

レセプターとリガンドのassayの概要

いろいろな方法があるが、簡単な方法として以下のようなものを考えてみる。

  • リガンドをラベルづけする
  • 膜で2つの領域に分ける
  • リガンドは通過出来るがレセプターは通過出来ないとする

これで2つの領域の片方にレセプターを、反対側にリガンドを入れる。 結合するなら、時間とともにレセプター側に偏在するようになる(一度結合すると膜を越えられないから)。

両者が結合しない場合はリガンドはdiffuseにまかせて両側に等しく存在する事になる。

実際に実験をしていくと、以下のような2つのケースがある。

PngNoteの10ページ

ちゃんとspecificityを確認出来る為にはsaturationまで見たい所。 だがいつもちゃんとそこまで見れるとも限らない。

そういう時には例えばラベルづけしてないリガンドをもっと足すとかでsaturationを確認出来たりする事もある。

平衡定数と結合のしやすさ

平衡定数(kDと表記)で結合しやすさが決まる。 kDが小さいと結合しやすい。

PngNoteの10ページ

この数字を考えるために、RとRLの濃度が等しくなる点を考えてみよう。 この時kDはLの濃度と等しくなる。 つまりRとRLの濃度が等しくなるまでに必要なリガンドの濃度がkDと解釈出来る。

さて、現実問題として、good affinityなkDとはどのくらいだろうか?

めっちゃ良く反応するケースだと10^-15 Mとかのオーダー。1Mとかだとほとんど反応しないと言える。

加えるリガンドとしては nM 〜 マイクロM くらい。

G-protein coupled receptors (GPCRs)

SignalTransduction - Biochemistry 705xも参考の事。

細胞の外側でリガンドと結合して、細胞の内側のG-proteinをアクティベートする。

GPCRsの構造

  • N末端が細胞の外側
  • COOH末端が細胞の内側
  • 7つのtransmembrane domain
    • 円形の筒のような形を形成して、ligandはその中に入る

GPCRsの使用例

GPCRsはいろいろな所で使われている

  • visual opsin/Rhodopsin
  • epinephrine (ホルモン、アドレナリンの事)
  • odorant (匂い)

G-proteinについて簡単に

G-proteinはGTPまたはGDPと結合していて、スイッチの役割をする。

  • Ras
  • Rac
  • Ran

などが有名(詳細はSignalTransduction - Biochemistry 705xも参考の事)

基本的にはGTPと結合している状態がオン状態、GDPと結合している状態がオフ状態。

状態の遷移については、

  • Offにする … GAPが触媒となる。GTPと結合している状態から、G-proteinを加水分解させる。
  • Onにする …. GEF。GDPをGTPと置き換えてオンにする。

一般にはGEFだが、GPCRsがG-proteinをアクティベートするケースでは、このGPCRがまさにGEFとなる。 そしてオンになったG-proteinはEffectorに作用してGDPフォームに戻るので、EffectorがGAPとして振る舞う。

視覚などのG-proteinの例

視覚などはシグナルに対してmsecなどの素早いオーダーで反応する必要がある。

視覚などに関するG-proteinは Heteroterimeric G-proteinと呼ばれるクラスのG-proteinで、ヘテロは異なる、terimericは3つの、 という意味で、α, β, γの3つのプロテインから構成されるG-protein。

GTPとバウンドしているのはαで、これがレセプターからアクティベートされるとβとγが分離されて作用する。

これらのタンパク質はlipid modificationで膜と結合していて、膜の上を移動は出来るが表面に留まる。

アドレナリンと心拍数の例

epinephrine(アドレナリン)が心臓の表面のβ-adrenergic receptors (GPCRsの一種)と結合すると、

Gsα ー> adenylyl cyclase ー> cAMP ー> PKA ー> ERからCaイオンが放出 ー> 心拍数増加

と反応する。Gαでstuimulusとして振る舞うものをGs、inihibtとして振る舞うものをGiと表記する。

次: シグナルの帰結

シグナルの帰結