DNA genesとは、いろいろなものが知られているが、例えばDnaAの事である。 これはE. coliのinitiatorタンパク質。
ここは前のUnitでやっていたが、内容的にはこちらと思うのでこのページに置く。
幾つかの生物ではOriginとReplicatorの特定に成功している。
これらの生物でわかっている事として、2つ(または3つ)の構成要素がある。
unboundしやすいDNAの領域はATが豊富な領域。
さて、これらの事実はどうやって知る事が出来るだろうか?
複製に関わるタンパク質をどう特定するのか?最初に考えられるのはBiochemical Fractionation。 単純には以下のような事が考えられる。
fractionationの手順
これで大雑把な候補は絞れるが、より細かく絞っていくのはキリが無い。
DNAの複製に関わるタンパク質はそれが無いとそもそも生存出来ないので、 それが失われていたり機能しないalleleのものは、そもそも生存出来ない。
そこで、条件によって活性にしたり非活性にしたり出来る、 Conditional allelesが必要。 だいたいtemperature sensitiveなものが使われる。
temperature-sensitiveミュータントをtsミュータントと呼んでいるのかな。
ミュータントは42度でも複製出来るので、tritiumを取り込む。これはβ線を放出する。β線はすぐに他のものにぶつかって吸収されてしまうので、 核の中に取り込まれたものだけがDNAを損傷出来て、外部のβ線は核には届かない。
だからステップ7の冷蔵庫の中で長時間置くと、tritiumを取り込んだ細胞だけが、ステップ8で死ぬ。
ステップ5でtritiated thymidineで無いthymidineを大量に含んだgrowth mediaで1複製時間待つ事で、 複製には使われないが細胞に取り込まれてしまっていたtritiated thymidineが取り除かれる。 このおかげでTSミュータントがステップ8で取り込んでしまったりしないという事か。
以上のステップをこなすと、ステップ8ではtsミュータントだけが生き残る。
複製に関する変異には、それが非活性になってから複製が止まるまでにかかる時間に違いが出る。 それは複製のメカニズムの何に影響を与えるかの違いがあるから。
tritiated thymidineがどれだけ取り込まれるかを縦軸に、横軸を時間として、特定の時間(20分とか)で30度から42度にした場合、 どういうグラフになるか? すぐに取り込みが止まるもの(fast stop)と、少し待ってから取り込みが止まるもの(slow stop)がある。 filter binding assayで量は検出出来る。
クイズで、Beta clampとDNA gyrase (gyrA)がfastになっているが、DNA gyraseがなんでfastなのかね? 最初に解く所しか作用してないと思っていたが、これってひょっとしてフォークが伸びる先をずっとnegatively supercoilしているのかしら?
そしてBeta clampってなんぞや?sliding clampの事っぽいな。
以上のステップでtsミュータントが得られた。 では、そのtsミュータントで何をしたいのか。以下のような事に活用出来る。
どんな種類があるかの情報が少し得られる。
ゲノムを切ってplasmidに入れて42度で生きのこるか見る。 こうして増やしたら、 シーケンシングしたり、over expressしてタンパク質を集めたり出来る。
complexで機能するたぐいのタンパク質では、単体のクローンで集めても意味がない。 そういう時にはEPITOPE TAGを付加する手法が使われる。
epitope taggingは抗体を生成する短い塩基配列を遺伝子に付加する手法。(HA, Myc, FLAG, V5などが知られている)
そして合成された目的のタンパク質を免疫沈降させて取り出す。 この方法はタンパク質complexをまとめて取り出せるらしい。タウを免疫沈降すると、デルタやデルタプライムもついてくるとか。
免疫沈降ってなんぞや?antibodyを持つものを取り出す方法なんだろうが。
WTを例えばanion exchange column(正に帯電したカラムを通して 濃度の違うNaClで流す)でfractionを得て、それをミュータントのextractに追加する。
以前のBiochemical fractionationとは違い、ミュータントで変異しているのは一つと思われるので、 それが含まれているfractionを探せば良いので、組み合わせが爆発しない。 単にいつもより細かくfractionを絞り込んでいけるはず。
Specific Activityがそれ以上改善しなくなるまでpurificationを続ける。
Specific Activityは以下を参照の事。 ProteinPurification #Specific Activityを測る - Biochemistry 705x