Molecular Biology 728x

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複製の始動

Contents:
  1. E. coliのOriginの特徴
  2. 1. Initiatorタンパク質、DnaAが最初に活動する
  3. 2. 次にヘリカーゼ、DnaB
  4. 3. プライマーゼとDnaCの分解
  5. 4. ポリメラーゼホロエンザイムのsliding clamp loaderが来る
  6. この過程でシークエンス依存な所はどこか?
  7. これらをどう調べるか?

ReplicationGenesとその見つけ方より。

ここまでの手法をもとに見つけたタンパク質たちの研究から、E. coliの複製がどのように開始されるかを見ていく。

E. coliのOriginの特徴

E. coliのoriginはReplicationGeneseとその見つけ方でも触れたように、unwoundしやすい13-merとinitiatorが結合する9-merが幾つか含まれている。 13-merはATが豊富な領域でほどきやすい。

以上の特徴がどう使われていくかを以下に見ていく。

1. Initiatorタンパク質、DnaAが最初に活動する

複製の開始でoriginで最初に活動するタンパク質をinitiator proteinと呼ぶ。これはE. coliではDnaAの事。 initiator proteinが9-merに結合する。これはdsDNAに結合する。dsDNA binding domainが結合する。

initiator proteinは、結合すると、ATPを消費しつつ13-merの所をunwindする。 13-merの方はsingle binding domainが結合する。同じinitiator proteinだがdomainは別らしい。 こちらはssDNAに螺旋状に結合していく。

ここまではDNAとDnaAとATPだけで起こる。

ただし、DNAはnegatively supercoiledな状態じゃないとあまり起こらない。

2. 次にヘリカーゼ、DnaB

DnaCはヘリカーゼローダーで、DnaBとcomplexとして機能する。

  • DnaCはDnaBのinhibitorとして働く
  • DnaB, Cコンプレックスは結合しているDnaAと相互作用し、DnaBのリングを開く
  • BCコンプレックスは、strandのそれぞれで、反対向きにになる

これでoriginにBCコンプレックスが、それぞれのstrandで反対向きに結合した状態になる。 Bの向いている方向に進んでく。

最初に結合する時は、左に進むヘリカーゼは右よりに、右に進むヘリカーゼは左よりに結合する。 だから両者がunwindを進める段階になると、すれ違う事になる。

ただこの時点ではDnaCがDnaBを抑制しているので、unwindは始まらない

3. プライマーゼとDnaCの分解

次にプライマーゼがRNAプライマーを合成する。 すると、DnaBとDnaCは離れる。DnaCは溶けて消えてしまう。

DnaCが居なくなるとDnaBが活動しはじめる。つまりヘリカーゼが移動を開始する。

このプライマーはLeading strandのプライマー。

4. ポリメラーゼホロエンザイムのsliding clamp loaderが来る

DNAポリメラーゼの種類とトロンボーンモデルでやったホロエンザイムのsliding clamp loaderが、primerを識別する。 そしてsliding clampをPTJのそばに設置する。

すると3つのDNAポリメラーゼIIIのうちの一つがその場所を認識して活動を開始する。 Leading strandを合成していく訳だが、これは先程のDnaBとは反対側に進む事になる。

ヘリカーゼの向きと反対側にprimerが合成されていくのは、岡崎フラグメントの場合も同様なので、そこのメカニズムは同様。

こうしてLeading strandの合成が進みフォークの端までたどり着くと、そこから先はトロンボーンモデルで合成が進む事になる。

この過程でシークエンス依存な所はどこか?

最初のDnaAの結合だけがoriginの配列に依存した振る舞いをしている。 他は配列とは関係ないタンパク質同士の相互作業や、DNAの配列に依存しない構造との相互作用ですべて進む。

これらをどう調べるか?

複製の開始に関わるassay達へ。