Molecular Biology 728x

Molecular Biology 728x

複製の開始に関わるassay達

Contents:
  1. 始動のイベントに関わるassay
  2. EMSA: Electrophoretic Mobility Shift Assay
    1. 手順
    2. メカニズム
    3. なぜラベル無しでethidium bromideじゃダメなのか?
    4. 利点と欠点
    5. コンペティションを使って配列の場所を調べる
  3. DNase I Protection assay
    1. 手順
    2. メカニズム
    3. 利点と欠点
  4. 2つのDNA binding assayの比較
  5. DNA unwindingに関するassay
    1. 手順
    2. メカニズム
  6. Indirect end labeling
    1. 手順
    2. メカニズム
  7. Template Association Assay
    1. メカニズム
    2. 手順
    3. 具体例

  • incubate 培養する(なんかDNAを複製させるとかでもincubateって言うけど、培養って変だよなぁ…)
  • reagent 試薬

複製の始動で述べたような理解がどのように得られたのか、それらに関わるassayを見ていく。

始動のイベントに関わるassay

DnaAが最初にdsDNAに結合するところのassayから見ていく。 その目的にはDNA Biding Assayというものが使われる。主に二種類のDNA Binding Assayを見ていく。

  1. EMSA
  2. DNase I Protection assay

あるタンパク質はどちらかのassayで良く引っかかる、という事があるので、両方試す方が良い事が多い。

EMSA: Electrophoretic Mobility Shift Assay

Gel Shift assayとも呼ばれる。 単にラベルを付与したDNAとタンパク質を混ぜて電気泳動してみるだけ。

Assays

手順

  1. 分析対象のDNAをラベル付与する(oriCとか)
    • 蛍光塗料でもradio activeでも良い
    • ラベルを付与したプライマーでPCRして対象のDNAを作るのが普通
    • dsDNAどちらにもラベルがついてて良い
  2. ラベルを付与したDNAと分析したいタンパク質でincubateする
  3. DNA/タンパク質 混合物を、non-denaturingゲルで分離する
    • 普通acrylamideゲルを使うが、タンパク質がすごく大きい場合はagaroseも使われる
  4. DNAのラベルを検出する

メカニズム

DNAとタンパク質が結合していると、DNA単体よりも移動が遅くなるので、結合しているかどうかが判定出来る。 結合している数によってどんどん遅くなるので、それぞれ別のバンドとなって検出出来る。

なぜラベル無しでethidium bromideじゃダメなのか?

大量の複合体を用意出来るならethdium bromideでも検出出来るが、それは面倒なのでラベルを付与する方が少ないタンパク質で検出出来て良い。

利点と欠点

利点 欠点
単純 結合している部分の配列が分からない
速い  
定量的  

欠点を改善する為に、ミュータントを使うという方法とコンペティションを使うという手法が考えられる。 どちらにせよ、追加の実験が必要という点でやはりEMSAの欠点といえる。

ミュータントは結合しないミュータントが出来たらシーケンスして比較する感じか。

コンペティションを使って配列の場所を調べる

EMSAで、ラベル無しのコンペティターを一杯入れて反応が変わるかを見る。 ラベル無しの、切り分けたい対象を含んだdsDNAコンペティターを使う(20bpとかそれ以下とかの短さ)。

例えば13-merと9-merのどちらと結合しているかを調べたければ、

  • コンペティター無し
  • 13-merのコンペティター
  • 9-merのコンペティター

の三種類を比べれば良い。9-merと結合するなら、9-merのコンペティターを加える事でバンドがなくなるはず。

DNase I Protection assay

結合する配列まで分かるassayとして、DNase I Protection assayというものがある。 タンパク質がnickを作るのを妨害する場所を調べるassay。

結果がfootprintっぽいので、footprint assayとも呼ばれる。

ORCというタンパク質の例が出ていた。

Assays

手順

  1. ターゲットとなるDNAの1 strandの末端にだけラベルづけする
    • 片方のプライマーだけラベルづけしてPCRするのが典型的
  2. タンパク質と1のDNAをincubateする
  3. DNase I を 2に加えて1分待つ
    • すべてのDNAを平均して1回カットするくらいの分量のDNase Iを加える(ピコmolのDNAならピコmolのカットが入る量)
  4. 反応を止めて、DNAをタンパク質からpurifyして、DNAを集める(concentrate)
    • 反応は普通SDSで止めて、purifyはphenol chloroform extractionを使い、集めるのはethanol precipitation(エタノール沈殿)
    • この工程に10分くらい掛かる
  5. High resolution denaturing acrylamide gelでDNAを分離する(1bpの解像度がある)

DNase Iは配列非依存のendonucleaseで、dsDNAの片方のstrandにnickを作る

メカニズム

ニックが一つ入ると、ラベルからそこまでの長さのDNA片が検出される。 平均では一箇所になるようにDNase Iを調整してあるので一回と考えると、 どこに入ったのかと長さは一対一の関係になる。

タンパク質が結合している部分はこのカットから守られるので、 カットがこらない場所を長さからシーケンスの場所を知る事が出来る。

なお、結合している端の所などはむしろカットが増える場所もある。

また、守られる範囲は結合している所よりも少し広くなる事が多いが、 それでも結構解像度は高い(20〜25bpくらいまで分かる)。

利点と欠点

利点 欠点
シーケンスのどこに結合するかが分かる 時間が掛かる
  85%以上のDNA結合が必要

EMSAと違い、無い事を検出するので、 結合してない物がかなり少ない状態に出来ないと、検出で区別出来ない。

2つのDNA binding assayの比較

EMSAとfootprinting (DNase I Protection assay)は、タンパク質によってどちらが検出しやすいかとかに違いが出る事がある。 なので両方試す方が良い。

footprintingがうまく行かないケースでは、結合が弱いタンパク質の場合が考えられる。 この場合はfootprintingに必要な割合の結合が得られない。

EMSAがうまく行かないケースとしてはタンパク質が大きい場合が考えられる。 大きすぎてゲルを移動出来ないとEMSAは使えない。


initiatorの結合の次はunwindについて調べたくなる。unwindについてのassayを見ていく。

DNA unwindingに関するassay

footprintingと似た考えで、ただssDNAだけをnickするような物に対するprotectionを検出出来れば良さそう、というのが基本的なアイデア。

SV40の例が出ていた。腫瘍のウィルスでポリオウィルスがこのSV40で汚染されていた事があって、昔のポリオワクチンに混入していた事があったらしい。 何故かガンは発症しなかったらしいが、研究が流行った時期があるとかで良く知られている。

5000bpの円環のゲノム。

そしてSV40 large T antigenというタンパク質がこのゲノムに結合するとunwindが起こるとか。 E. coliと違ってsupercoilの必要無いらしい。

Assays

手順

  1. DNAの1 strandをラベルづけする
  2. タンパク質を結合させる
  3. ssDNA cleaving reagentで処置する
    • ssDNA endonuclease - S1, P1
    • KMnO4 (ペアになってないTを酸化し、化学的にcleave する)
      • 強い塩基(piperidine)と一緒に処置するとカットされる
  4. Denaturing acryl gelでDNAを分離する

メカニズム

カットはssDNAでしか起こらないので、unwindした所でしか起こらない。

なおunwindの範囲が小さい時はunwindに関わるタンパク質に守られてendonucleaseがうまく届かない場合がある。 そういう場合はKMnO4の方が細かい所に入れるので良い。

この手法ではLinearなものは良いが、circularなものやLinearでも凄く長いものではそのままでは使えない。 そこで検出の方法に少し小細工する。

Indirect end labeling

Unwind assayを行った後に、検出する方法の工夫としてIndirect end labelingというものがある。 ssDNA cleaving reagentで処理する事でunwindの所のssDNAに切れ目を入れる、というアイデア自体は同様だが、 その結果を検出する方法が違う。

手順

  1. ラベル無しDNAに対して通常のUnwind assayを行う
  2. ラベル付与したDNAプライマー(ssDNA)で、unwinding siteに向かって進むものを作る
  3. 1の生成物と2をAnnealする(両方入れて95度にして、その後heat blockを取り出してランチに行って戻ってくればannealしている)
    • Dループが出来る
  4. プライマーをポリメラーゼでextendする>ニックとか酸化したTとかで止まる

PngNote ページ6, Dループ

メカニズム

手順1の所でunwindしている所(つまりオリジンのあたり)にだけ切れ目が入っている。 そこから少し離れた所で、そこに向かうラベルを付与したプライマーをannealしてポリメラーゼで伸長していけば、nickの入っている所で止まる。 プライマーから伸長されたものがラベルで検出される。

この手法の場合、目印の所で合成が止まればいいので、KMnO4などで酸化する場合は鎖が切れてなくても酸化していれば十分なポリメラーゼが多い(からそういうポリメラーゼを使えば酸化するだけで十分)。

Template Association Assay

複数のタンパク質が関わるもの(complexとか)のassayに向いた手法。

footprintingは数百bp以上になってくると厳しい。 gel shiftはタンパク質が多く関わると厳しい。

Assays

メカニズム

  1. DNAにマグネットビーズを付加する
    • DNAの端をbiotin化というのをして、streptavdinでコートされたマグネットビーズを使う
    • biotinは小さい分子でヌクレオチドで付加出来てDNAの一部になる。これとstreptavidinのaffinityがめちゃくちゃ高い。
      • 一度くっつくと一ヶ月とか離れない
  2. DNAに付加させたいタンパク質群を加えて結合させる
  3. 結合してないタンパク質を全部洗い流して残ったタンパク質を検出する

検出方法としては、もし対象を知っているなら蛍光塗料でも良いし、 immuno blottingでも良い(antibodyを使った検出方法)。 radioactive labelでも良い。S35 ラベル付加されたメチオニンやS35ラベル付与されたシステインなど(両方でも良い)。

具体的にどうやるか?

手順

oriCにDnaBなどが結合するケースを考える。

  1. oriCシーケンスにビーズをつける
    • supercoiledな円環のDNAに対して、crosslinking reagentを使う事でbiotinをテンプレートのランダムな場所に付加出来る
  2. 分析対象のタンパク質群と混ぜてincubate

ビーズがなんで必要なのか、いまいち良く分からないな。 洗い流す所で使うんだと思うが…

お、ちょっとわかったかも?ようするにカラムexchangeクロマトグラフィーみたいな事をするのか? カラムのビーズとしてマグネットビーズを使うと、DNAがめっちゃビーズにくっつくので、他のタンパク質を全部洗い流しても残る、と。

残った後をどうするんだ?という気はするが、最後に洗い流す方法があれば良さそうだな。

具体例

DNA DnaB(ラベル付き) DnaA DnaC DNAにラベルが付加されているか?
+ +     no
+ + +   no
+ + + + yes

DnaBが結合する為にはDnaAがunwindして、DnaCがロードする必要があるので、両者が無いと結合しない。