CellBiology706x

CellBiology706x

ExocytosisとEndocytosis

Contents:
  1. Endocytosis
  2. Endocytosisの種類
  3. コレステロールのEndocytosis
    1. 細胞のLDL摂取と血中濃度の関係
  4. 取り込みの早さを測る - Transferrin
    1. Pulse Chaseで測る
  5. インフルエンザウィルスのハイジャック

Endocytosis

Exocytosisは物質が細胞から出ていく過程。 ER>ゴルジ>Vesicleとなって細胞膜のレセプターへと行く。

Endocytosisはその反対。 まずVesicleに積荷が入り、逆の過程で細胞に入ってくる。

Vesicleは積荷によって様々な場所で様々に形成される。 例えば入ってきたものがEndosomeを形成するケースがある。

Endosomeは幾つかの行き先がある。

  1. Lysosomeに行き、そこでdegradationされて再利用される
  2. 積荷がレセプターの場合は細胞膜に差し戻されて細胞膜として再利用される。
  3. そのまま細胞質を通過し、反対側の細胞膜へと行く(Transcytosis)

行き先はVesicleによる輸送でも述べた通り、RabやSNAREによって指定される。

30分程度で全ての細胞膜が取り込まれるくらいのendocytosisが起こるらしい。

Endocytosisの種類

  • Pinocytosis (液体を飲む)
    • non-specificでその辺の液体を取り込む
    • Small vesicle。100nm未満とか。
  • Receptor-mediated
    • Cargo specific(レセプター)
      • コレステロール(LDLレセプター)
      • Iron (Transferrinレセプター)
    • Clathrinが関わる過程が一番良く理解されていて研究されている(EMで普通に見えるので研究しやすい)
    • Small vesicle。100nm未満。
  • Phagocytosis
    • microbes (バクテリアなど)
    • Dying cells
    • レセプター
    • 大きいvesicle。250nm以上。

コレステロールのEndocytosis

  • atherosclerosis アテローム性動脈硬化
  • impaired 正常な機能を損なった

コレステロールが細胞にどう取り込まれるか?

LDLの一部として取り込まれる。 LDLはLow density lipoprotein。

LDLレセプターがLDLと結合してendocytosisが始まる。

  1. 細胞の外に出た(複数の)LDLレセプターがLDLと結合する(リガンド)>Endocytosis開始
  2. アダプターを動員する(Arf, AP-2, などなど、これは細胞質にある)
  3. Clathrinを動員する(細胞膜の細胞質側)
  4. 細胞膜を変形していく(たくさんのLDLレセプターがたくさんのLDLを中に配置し、周りにはadapterとClathrinがいっぱいやってきて変形する)
  5. Dynaminが球の根本にぐるぐる巻きつく
  6. DynaminがGTPを加水分解して球の根本をねじ切る
    • SNAREがfusionで潰すのと似ている
  7. Uncoat
    • GTPaseがアクティベートされる
    • シャペロンがコートタンパク質を分離していく
  8. Endosomeとfuseする
    • このpathwayを進んでいくとvesicleの中のpHが下がる>LDLレセプターとLDLが分離する
  9. LDLはLysosomeに送られ、レセプターは細胞膜に返却される

Clathrinは三脚ともえ紋の形(triskelion)をしていて、ヘビー鎖を基本にlight鎖が付加している構造。

Arf, DynaminなどはG-protein。

細胞のLDL摂取と血中濃度の関係

細胞のコレステロール摂取が少ないと血中のコレステロール値が上がり、心臓麻痺、脳卒中などの病気を引き起こす。

細胞のコレステロール摂取が減る要因としては例えば以下のようなものが考えられる。

  1. LDLレセプターの活動が低下する(細胞内のコレステロールが多くなった場合のnegative feedbackなど)
  2. コートタンパク質などvesicleを作る部分がうまく機能しない

取り込みの早さを測る - Transferrin

Transferrin Receptor (TR)が細胞膜には出ていて、transferrinと結合する。 transferrinはFeを取り込む事。2つのFeを取り込む。

low pHになるとやがてFeは細胞内に放出され、レセプターは再利用される。

この反応を使ってclathrin-mediated endocytosisの反応レートを測る。

Pulse Chaseで測る

  1. まず4度にしてEndocytosisを止める
    • Vesicleによる輸送でタンパク質のtrafficの時には止めなかったのは、こちらの方が反応が早いから
  2. BiotinラベルをTransferrinに付加し、大量にincubate (Biotin-S-S-TF)
  3. 普通のTransferrinで洗い流す
  4. 37度に戻して反応開始
  5. しばらく待って4度に戻す
  6. 外側に残ってるbiotinラベルを、reducing agentでS-Sの結合の所でカットして切り離す 
  7. 以上を幾つかのtimepointで行って、western blotなどで検出

Biotinに関しては複製の開始に関わるassay達 - Molecular Biology 728xxも参照の事。 streptavidinと結合する。

結合はめちゃ強い。 K_D = 10^-15M

インフルエンザウィルスのハイジャック

Endocytosisの仕組みをハイジャックするインフルエンザウィルスは、Endocytosisの理解を深めるのに良い。

インフルエンザウィルスの構成

  • リン脂質2重層
  • 表面にHAとNAタンパク質(hemagglutininとneuraminidase)
  • 中にRNA

clathrin-mediated endocytosisをハイジャックする。

インフルエンザウィルスのレセプターはSialic Acidを含んだGlycoproteinで、これが細胞膜の表面にある。

  1. ウィルスがレセプターと結合
  2. Clathrinが動員されendocytosisが始まる
  3. visicleが壊れて中身が散らばる
  4. 細胞核に入る (nuclear pore complex経由)
  5. 自身を複製しつつ、必要なタンパク質のtranscriptionも起こる
  6. GenomeとmRNAが核から細胞質に出る(nuclear pore complex経由)
  7. mRNAからviral proteinの合成が起こる
  8. 合成されたタンパク質がER>ゴルジ>細胞膜の経路で輸送される
  9. ゲノムも細胞膜へ移動し、exocytosisが起こる

Flu VaccineのターゲットはNAやHAのantibodyで、 これを作れるようになれば、NAやHAに結合する事でウィルスがレセプターと結合するのを防ぐ事が出来る。