Molecular Biology 728x

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Originを見つける3つのassay

Contents:
  1. 1. Nascent strand mapping (High throughput assay)
    1. Nascent strandの特徴
    2. 検出方法
    3. どうやってnascent strandをDNAシーケンシングするか?
    4. Deep Sequencing
    5. Nascent strand mappingの長所、短所
  2. 2. Nascent Okazaki Fragment Mapping
    1. 手順
    2. シーケンスして行う事
    3. 長所と短所
  3. 3. Replication Timing Assay
    1. 手順
    2. 長所と短所
  4. 次:ReplicatorMapping

Originを見つける3つのassay。

originを見つけるassayは、originと関連する何らかのssDNAを検出するのが基本。

以下の3つのassayについて議論する。

  1. Nascent strand mapping
  2. Nascent okazaki fragment mapping
  3. Replication timing assay

1. Nascent strand mapping (High throughput assay)

Originを見つけるassayの一つ。フォークのうちleading strandの方が長いのを利用してleading strandを見分ける。

Nascent strandの特徴

長いleading strand DNAをマップする。どうやってnascent strand DNAだと判定するか?

  1. 岡崎フラグメントより長い
  2. RNA primerがついている

の条件を満たすものがnascent strand DNAと思われる。 これらの特徴を持つssDNAをどう検出するか?

検出方法

  1. 細胞分裂している細胞から始める(asynchronousで構わない)
  2. DNAをdenatureする(温度+denaturant (尿素が良く使われる))
  3. lambda exonucleaseで処理する
    • これは5’ー>3’の DNA exonuclease
    • RNAが5’側の端に残っているものは分解されない
    • 処理には12〜24時間かかる
  4. denaturing agarose gelでゲル電気泳動して長いssDNAを分離する
  5. 岡崎フラグメントより長いものを残す
    • 岡崎フラグメントの長さは生物によって違う
      • E. coliなら1kbくらい。だから1.5kbより長いのを残す。
      • Eukaryoticなら200-400bpくらい。なので0.6kb以上とかで残せば良い。

ステップ3でRNAプライマーが残っているDNA片だけが残る。 分解残りのゴミなども残るが、長いものがnascent strand DNAなのは間違いないので長い方だけ見れば良い。

これでnascent strandが得られる。分析には幾つかの方法がある。

originがどこかを知っているならPCR

originがどこかをすでに知っている場合は、PCRのプライマーをoriginのそばにセットする事でPCRで調べる事が出来る。 originからどれくらい離れているかを8段階くらいに分けて、PCRしてみるのが典型的。

originがどこか知らない場合はDNAシーケンシングかmicroarray analysis

最近はDNAシーケンシングしてしまうのが主流。

どうやってnascent strandをDNAシーケンシングするか?

nascent strand DNAはssDNAだが、シーケンシングは普通dsDNAに対して行うもの。 どうやってdsDNAを作るか?

  1. ランダム9-mersとannealing
  2. DNAポリメラーゼを加えてprimerをextend
  3. シーケンス用プライマーを加える為に、dsDNAを4bp recognizing restriction enzymeで1〜3bpカットする
  4. DNAリガーゼを使って両端にoligosを追加
  5. シーケンシングする

ランダムな9 bpの配列のDNA片を作ってアニーリングさせる。全種類が無くても十分多ければだいたいマッチする、的な考え方。

30bpもあればほとんどの生物の配列の中でユニークに位置を特定出来るので十分。

オリゴヌクレオチド… 20塩基程度の短いDNA配列の事。

シーケンシング出来れば、あとはゲノム配列全体のどこに対応するかをマッピングすれば、originがどこかが分かる。

Deep Sequencing

大量のDNA片の短いDNAシーケンスを一気に解読する手法。

Nascent strand mappingの長所、短所

  • 長所: 前提知識がほとんど要らない(全体のゲノム配列だけ知っていれば十分)
  • 短所: Low resolution - 2〜5kb

Drosophilaの例では、200kbのうち10箇所くらいのoriginが見て取れる。20kbに一回くらいの割合でoriginがある。 各ピークの幅は5kb程度。

なぜlow resolutionかと言えば、nascent strandは割合がすごく少ないから。岡崎フラグメントとつながってしまえば、originの情報は一部失われてしまう。

2. Nascent Okazaki Fragment Mapping

DNA ligaseの適切なミュータントが必要だが、もし行えれば高い解像度が得られる手法。

手順

strandednessを識別する必要がある(ワトソン側かクリック側か)。

  • DNA ligaseの活動を抑制する(あまり長く抑制していると細胞が死んでしまうが、30分とか1時間とかなら平気ないきものが多い)
    • イーストでDNA ligaseのちょうど良いミュータントが知られている
    • 他の生物でも探されていて、見つかりそうと期待されている
  • denatureしてサイズでOkazakiフラグメントを分離する(ゲルでも出来るが、ion exchange columnで分離するのが普通)
  • dsDNAにしてシーケンシングする
    • strandednessの情報を維持する必要がある

人間のY染色体のような例外を除けば、dsDNAの二本はそれぞれ違う配列になっているので、単にマッピングを行えばどちらかは分かる。

シーケンスして行う事

  • フラグメントのシーケンシングをして、それをゲノム配列にマッピングする(最初に一致した位置を使う)
  • 50bpとかでbinningして、そこで始まっているフラグメントの数を数える(30〜50bpのビンが良く使われる)
    • binningする事でフラグメントの数がそこまで大量でなくてもbinを十分カバー出来る
    • 各塩基でカウントしようとすれば、十分の頻度を稼ぐ為には全ゲノムの数百倍のDNAをシーケンスする必要がある。
  • 上をワトソン、下をクリックとしてカウントしたヒストグラムをプロット
    >ワトソンからクリックへと急激に遷移している所がオリジン
    • フォークがぶつかる所(terminatorと呼ぶ)では、okazakiフラグメントはお互いに離れる側に伸びているのでそれも分かる(originと比較すると徐々にstrandednessが変わる)

解像度は200bp〜500bpの高解像度が得られる! シグナルの量も多い。ちょうどRNA primaseが残っているタイミングを得る、というようなタイミング的厳しさが無いから。

長所と短所

  • 長所: 高解像度
  • 長所: Efficiencyの情報も得られる
  • 短所: DNA ligaseを抑制出来る必要がある

30bpは平均して4^30ゲノムに一回当たる頻度なので、ほぼ一意。 現実的には8bpくらいでもだいたいユニーク。

3. Replication Timing Assay

originは付近のDNAよりも先に複製されるという事実を利用する。

手順

  1. synchronousな細胞群でreplication開始前のものたちを用意する
  2. 開始前の時点で幾つかのサンプルを取得(unreplicated DNA)
  3. synchronouslyにSフェーズを開始する
  4. 複製の間、定期的にサンプルを取っていく(複製にかかる時間は生物によって数分から15〜20時間までまちまち)
    • 6〜12回くらいサンプルを取得する
  5. unreplicatedを赤に、replicatedなタイミングで取得していったものを緑にラベルする
    • Denature DNA
    • ランダム9-mer DNAプライマーを追加
    • fluorescent dTTPとDNAポリメラーゼでextend
  6. unreplicatedとreplictedのDNA量を同じ量にして混ぜて、microarrayにかける(個々が60bpの配列)
    • 260の吸光で量を同じにするか、同じナノグラムを加えるかする

microarrayは、replicatedとunreplicatedが同じ数なら黄色、repliatedが多ければ緑の度合いが増す。 色から両者の比率が分かる。

unreplicatedな方は染色体のどの位置も同じ数だけある。 replicatedな方は複製中の範囲は、他の場所の2倍ある。

originのあたりは緑の度合いが高いはず。

hybridizeしやすい配列としにくい配列があるが、ratioを比較しているので問題無い。

長所と短所

  • 長所:前提知識が要らない
  • 長所:特殊なミュータントを必要とせずどの生物でも使える
  • 短所:解像度はいまいち(1〜3kb)

次:ReplicatorMapping

ReplicatorMapping