前: バクテリアにおけるTranscriptionのInitiation
ElongationでRNAPは以下の活動を行っている。
DNAポリメラーゼの、10^7
回に一回という驚異的な精度に比べると、
RNAポリメラーゼはそこまででも無い。
それでも10^4
回に一回程度のエラーではあって、それを実現するProofreadingの仕組みがある。
間違ったペアの時には3’ OHの場所が最適にならないので、合成が遅くなる。 その時にどうやって修正するか?
どちらの方法も、間違ったペアが加えられた直後や1〜2個のntが加えられたくらいまでしか機能しない。
Pyrohpsphate は2リン酸。(PPi)
ヌクレオチドがつなげられるとpyrophosphateが放出される。 DNAポリメラーゼではこれはすぐに分解されてしまうが、 RNAポリメラーゼではrNTPチャンネルの内部にとどまっている間は分解されない。 外に放出されて初めてpyrophosphataseに分解される。
だからしばらくpyrophosphateとの間で逆反応が起こるwindow timeがある。 このため、合成がゆっくりになると逆反応でヌクレオチドが切断されて、元に戻る事がある。 これがpyrophosphorolytic editing.
誤ったペアが合成されると、少し戻して、rNTPチャンネル側に合成されたてのRNAをはみ出させる。(Reverse Translocate)
すると、rNTPチャンネルからenzymeがやってきて、このハミ出ている部分を加水分解する、という仕組みがある。 これをHydrolytic Editingと呼ぶ。
このenzymeはE. coliだとGreB。EukaryoticではTF II Sと呼ばれている。
普段はこの酵素が結合していなくて、stallするとなんらかの仕組みでやってきて結合するっぽい(よくわかっていない)。 このGreBなどは普通合成されるRNAの端は届かなくて、Reverse Translocateしてきた時だけ届く位置にactive siteが配置される模様。
DNAのMismatchRepairのメカニズムとの比較で行くと、加水分解するのは同じだが、 DNAの方は同じタンパク質内にexonucleaseがあるが、transcriptionでは別のenzymeが存在する。
バクテリアには、TranscriptionのTerminationのメカニズムが2つある。 一つがIntrinsic Termination。もうひとつはRho-Dependent Termination。
普通はIntrinsic Terminationで、Rho-Dependent Terminationはレア。
Intrinsic Terminationには以下の2つが必要。
RNA exitチャンネルにヘアピンが詰まって、そこでDNAとペアになっているのがU-richな領域だと、テンプレートから分離出来る。
RNAがテンプレートから分離されると、すみやかにdsDNAが形成されて、transcriptionはすぐに終了する。 RNAポリメラーゼとDNAの強い結合は、unwindされていて初めて実現されるものなので、 dsDNAになるとこの結合はもはや見られなくなり、RNAポリメラーゼはリリースされる。
Rho 5’ー>3’ RNAヘリカーゼを別途必要とする仕組み。
Rhoは40nt程度のCリッチな配列を識別して結合する。 この領域をRho utilization sitesとかRut sitesと呼ぶ。 だいたい60%〜70%くらいの比率でCがあるとRut sitesとして機能するらしい。
RhoはRNAポリメラーゼから出たあとのRNAにだけ結合する。
Rhoはひとたび結合すると、3’に向かってtranslocateしていき、RNAをActive siteから引き出す。
以後はdsDNAが形成されてintrinsic terminateと同じようにRNAポリメラーゼがリリースされる。
Rho-Dependent Terminationの方がレアで、しかもいつtemrinateするかにラグがある(ヘリカーゼが認識して結合して引き出し終わるまでの時間が影響するから)。