クロマチンはDNAと関連したタンパク質をあわせたもの。
染色体はDNA半分、タンパク質半分。 だから染色体を複製する時にはDNAを完全に同様に複製するだけでなく、 同じ場所に同じタンパク質がつくようにもしなくてはいけない。
Compaction: 人間の場合、DNAは2mの長さだが、人間の細胞の核は10マイクロメートル。200k倍のコンパクションが必要。 クロマチンでは10k倍のコンパクションが観測されている(足りてない)
最初の一歩はヌクレオソームに組み込まれる事。
ヌクレオソームは、約147bpのDNAと2コピーのヒストンで構成されるもの。 ヒストンはH2A/H2B/H3/H4それぞれ2つずつ、全部で8量体として構成される。(ヌクレオソームについては後述)
highly conservedで、highly basicなタンパク質だとか(アミノ酸の20%はアルギニンかlysine、正に帯電)
conservedは進化系統で同じという意味っぽい。イースト菌と人間であまり変わらないという事か。
mitosis以外の状態ではDNAはぐちゃぐちゃのスパゲッティみたいな状態。 この一本は最初30nmの幅の線と見られていたが、 より細かく見ていくと10nmの円とそれをつなぐ線になっている事が分かるようになった。
これらの円をヌクレオソームと呼ぶらしい。
Histone Octamer (2つの H2A/H2B/H3/H4)を147bpのDNAが囲んで、円盤を形成している。
DNAは1.7周ディスクの周りを回っている。
各ヒストンのunstructured N末端が突き出ていて、それがDNAと絡み合っている。 unstructuredというのはたぶんディスクの構造の一部になっていないって意味か。
ヒストンはDNAと40箇所の水素結合を形成する。 これは主に、Phosphate backboneや配列非依存のminor grooveとの相互作用。 ただし多少のspecificityはある。
ATリッチな領域のマイナーグルーブがhistonと近接し、GCリッチな領域はmajor grooveがヒストンと近接する。 これはGCリッチな領域のminor grooveはDNAをmajor groove側に曲げていて、逆にATリッチな領域のminor grooveはDNAをminor groove側に曲げているかららしい。
ヒストンとの相互作用で最適な配列はGCリッチが5bp、ATリッチが5bpと交互に続く配列らしい。
なおヒストンは種族間でどこでもほとんど似通っているらしい。人間もイーストもだいたい同じだとか。
Mapping/Detecting nucleosome position/assembly
どちらのassyaでもMNaseを使う。
ヌクレオソームの検出はMicrococcal nuclease(MNase)が作用可能かで検出する。
MNaseは以下のようなnuclease。
これでヌクレオソームの間のlinkをカットする事が出来る。
MNaseを(次のSeqと相対的に)少なめに入れて、ヌクレオソームの間のリンクをカットし、 その後ヒストンを取り除いてゲル電気泳動する。
カットされた長さは147bp+13bpくらいのサイズが多い(linker DNAの長さが13bpか)。 linker DNAの長さは生物種によって違うらしい。
ヌクレオソームが一つ構成される都度、linking numberは1.2減るらしい。 だからヌクレオソームを増やしていくとnegative superhelicityが蓄えられていく。
circular plasmidなどでは、topoisomeraseがある状態でnucleosome assemblyの前と後でsuperhelicityを測ると、 ヌクレオソームが形成されればされるほどnegative superhelicityが観測出来るらしい。 後の計測では全てをDNAから取り除いてから行う。
ヌクレオソームがなければtopoisomeraseがあるのでsuperhelicityが無いが、ヌクレオソームがあるとsuperhelicityが観測出来る。
ヌクレオソームの位置を知るassay。
paired end deep sequencing reactionというのが何なのかは良く分からなかったが、ググった感じ両端から読む事をpaired end sequencingと呼ぶらしく、 両端から読む方が断片のalignmentを正確に行えるらしい。
これで調べると、ヌクレオソームが無い領域が幾つか見られる。 例えばtranscription start site (TSS)の前にはnucleosome-freeな領域がある。
originもnucleosome-freeな領域になっているが、その前後にはヌクレオソームがたくさんあって保護している。
ヒストン八量体はDNA無しでは形成されない。
まずH2AとH2BのペアとH3とH4のペアがdimerを形成。 そしてH3H4がtetramerを形成(2つのH3/H4).
ヒストンシャペロンがH2A H2B dimerかH3 H4 dimerと結合し、他と結合するのを防ぐ。
ヌクレオソームの形成の順番としては、まずH3/H4 tetramerがDNAの両端と真ん中あたり、円盤としては上半分と結合する。 その後にH2A H2B dimerが下半分に結合する。
複製フォークの所でdisassembleされ、複製され、assembleされる。
新しくassembleする時は、H3 H4 tetramerは半分が片方のstrandに、もう片方が反対のstrandに行き、残りの半分は新しいものが使われる。 tetramerとしては全部前から来たH3 H4か、全部新しいH3 H4かのどちらかで混ざる事は無い。 H2A H2Bも同様。
シャペロンの具体例として、CAF-1 (Chromatin Assembly Factor 1)について。
シャペロンはヌクレオソームの中で無いヒストンと結合する。 CAF-1はH3/H4 tetramerとPCNA(sliding clamp)と結合する。 これがnucleosome assemblyを複製フォークにローカライズするのを助ける。
PCNAについては真核生物の複製の始動を参照のこと。
ヌクレオソームまでは良く理解されているが、ヌクレオソームがどのようにパッケージングされてクロマチンになるかは良くわかっていない。
ヌクレオソームはDNAを5.5 foldくらいコンパクションする。 一方で全体としては10K foldくらいのオーダーでコンパクションする必要がある。
H1ヒストン+ヌクレオソーム の所で40 foldのコンパクションが行われる。
H1は以下の役割がある。
30nmファイバーがどういう形に形成されるかは2通りの可能性がある。
平均のlinkerの長さは生物種によって大きく違う。 長いLinkerならzig-zagに、短いlinkerならsolenoidになる。
良くわかってない。250 foldくらいのコンパクションが行われているはず。 塩基配列的に離れた所が近接しているとか、それが一定間隔とかの証拠はあるが、それ以上の事はよくわかっていない。