CellBiology706x

CellBiology706x

NuclearPore

Contents:
  1. 核膜の構造とPore
    1. Nuclear Pore Complex
  2. 輸送の向きと代表例
  3. Poreの構造
    1. Selective PermeabilityとFGリピート
  4. NPC complexのタンパク質の安定性とiFRAP
    1. 結果のsummary
  5. 様々なトランスポートの比較

Transcriptionは核で、Translationはcytosolで起こる。 このようじ、核の外と中の間を行ったり来たりする必要があるものは多い。 そこで何らかの通路が必要になる。

核膜の構造とPore

PngNoteの5ページ目

InnerもOuterもそれぞれリン脂質2重層になっている。

InnerとOuterをあわせてNuclear Envelopeと呼ぶ。Envelopeの中にはlumenの領域がある。

Nuclear Pore Complex

Envelopeの間の隙間にはNuclear Pore Complexと呼ばれるものがある。

  • 一つの核につき3000-4000個ある
  • NPC一つで 1000分子/sec ほどの輸送が起こっている
  • 両方向

輸送の向きと代表例

  • In-out: 核の中で作られたものが外に出る、というケース。post processを終えたmRNAコンプレックスなど
  • Out-in: 細胞質で合成されて核に入ってくるケース。DNA-binding proteinなど。
  • In-out-in: 核の中で合成されて外に出て何かして核に戻ってくるケース。Small nuclear RNA (snRNA)など。細胞質でタンパク質と結合してSmall nuclear ribonucleoproteins (snRNPs)になって戻ってくる
  • Out-in-out: 核外で合成されて核に入って何かして核外に戻るもの。Ribosomal proteinなど。細胞質で合成、foldされて、核内でribosomal RNA(rRNA)と結合して細胞質に戻ってribosomal subunitとして組み立てられる。

Poreの構造

100nmときわめて大きい構造体。

  • Cytoplasmic ring
  • Nuclear basket and ring
  • Central pore
  • 中にはFGリピートと呼ばれるフィラメント

様々なタンパク質で出来ている。30種類ものタンパク質で出来ているとか。 それらはNucleoporins(NUPs)と呼ばれるタンパク質群の一種。

Selective PermeabilityとFGリピート

NPCの中にはFGリピートと呼ばれるフィラメントがあり、これが選択的な透過性を実現している。

FGはPhe-Glyの事。これらの配列が繰り返されたタンパク質。20〜700くらいのAA長のものが入り混じっている。

これはふるいのように機能し、

  • 40kDaより小さいような粒子は素通りする
  • 大きなcargoはbinding siteを使った輸送

NPC complexのタンパク質の安定性とiFRAP

NPC complexの各タンパク質のうち、散逸しやすいものと留まりやすいものがあるかを調べる。

別々にGFPでtag付けして、inverse fluorescence recovery after photobleaching(iFRAP)する。 iFRAPは小さい領域以外の全体をphotobleachingして、時間の経過とともにbleachしてない領域に蛍光がどれだけ留まるかを計測する。

結果のsummary

  • 10種類のタンパク質は35時間以上留まる
  • 6種類のタンパク質は2.5〜35時間
  • 3種類のタンパク質は2時間以下、多くは数秒のオーダー

この実験は2004年だそうで。結構最近だなぁ。

様々なトランスポートの比較

目的 シグナル レセプター
ERインポート SS SRP+SRP Receptor
ERに留まる KDEL KDEL Receptor
Vesicle Trafficking Rabs, SNAREs t-SNARES, Rab Effector
Nuclearインポート Nuclear Import Signal (またの名をNuclear Localized Signal、NLSと略す) Importtin
Nuclearエクスポート Nuclear Export Signal(NES) Exportin

ERのインポートではSec61はタンパク質はunfoldな状態である、という制限があった。 Nuclearインポートではそういう制限はなく、foldされたタンパク質が行き来出来る必要がある。

ImportinとExportinをあわせてkaryopherin proteinと呼ぶ。

SRPやImportin, Exportinはsoluble。KDEL ReceptorやRab Effectorはtransmembrane proteinだとか。

NuclearPoreの輸送メカニズムへ続く。