DNAは一般には様々な機構により保護されて不変に保たれる。
だがそのDNAを分裂させて並び替えたりしなくてはいけない場合というのがいくつかある。 それらのプロセスを一般にGenetic Recombinationと呼ぶ。 以下ではGenetic Recombinationのいくつかの種類を見ていく。
大きく3つの種類のRecombinationがある。
このUnitでは三番目のDNA transpositionを主に扱う。
これら3つは、DNAを壊して再結合したり、DNAの異なる場所間の結合を変更したり染色体内のgeneの順番を変えたりする、 という共通の作業があると同時に、いくつかの重要な違いもある。
Homologous RecombinationはPart 1のRecombinationalRepairで詳しく扱ったが、これ少し角度を変えてもう一度見直したい。
Homologousとはほとんど同じ配列、という意味。いくつか少し異なる部分はありそれが異なるallelesとなる訳だが、 ほとんどは同じものと考えられるペア。
Homologous Recombinationは、RecombinationalRepairではdsDNAの損傷の修復機構として見たが、 その他にも減数分裂(meiosis)でも行われる。
Homologous RecombinationではDouble Holliday Junctionの解決というのがあって、これにはpatch(ABとabは保たれる)とcross over(aB, Abの組み合わせになる)の2つがあったが、 減数分裂の遺伝という観点ではこの2つは大きな違いとなる。(cross overの方がgeneのreassortmentが良く起こると表現されていた、reassortment of genesで遺伝子の混ぜ合わせ、とか)
細胞分裂の復習も参照のこと。
減数分裂(Meiosis)では、まず通常の細胞分裂と同様にDNAの複製が行われて、 そのあとInterphaseでHomologous Recombinationが起き、そのあとMetaphaseとAnaphase(合わせてMeiosis I)が起きて、Recombinationが起きたsister chromosomesが分離される。
次にMeiosis IIでさらにHomologousな染色体が分離されて、DNA ContentがNとなる。
Transposable ElementはDNAの要素で、Homologous Recombinationとは全然別のメカニズムで移動するもの。
geneを壊したり、gene expressionを変更したりする。
細胞にとってはDNA損傷とみなされて、それらに対する反応を引き起こす。
遺伝学の実験のツールとしてとても良く使われる。変異を作ったり、変異の位置のmappingを行うのに使われている。
また、DNA transpositionのpathwayはレトロウィルスのpathwayと本質的には同じものとなっている。
また、immune systemが多様性を獲得した仕組みであるVDJ recombinationと呼ばれるものは、 transpositionと似た仕組みなのでtranspositionが元になって作られた仕組みと考えられている。
抗生物質に耐性のあるバクテリアは、プラスミドのTransposable Elementが他のバクテリアに移動する事で起こる。
また、X染色体のgeneがtranspositionで壊れると、病気を引き起こす場合がある。 これは1つしかX染色体を持たない男性に良く見られる遺伝病で、いわゆるX-linked diseaseに見られる。
Barbara McClintockがとうもろこしの色の遺伝の研究で見つけた。
人間のゲノムでは50%以上がtransposon-likeなrepeatsとなっていて、coding regionはちょっとしか無い。
あとでは以下のように言われているが同じものか?
この三種類のrecombination reactionsはどれも、共通の生化学的なメカニズムで実現されている。 retrovirusesやLTRではretrotransposasesを含む反応。
classical DNA elementsには二種類ある。
とうもろこしの色のAc/Ds、ショウジョウバエのP elements、抗生物質耐性のTn familyなどがこのカテゴリ。
LTRはlong terminal repeat。viral-likeな要素。
polyA retrotransposon。higher eukaryotesで一番アクティブ。
forHostというのは何かしらホストの生物に有益な何かのgeneで例えば抗生物質耐性などのgene。
transposonは移動している時の短い期間以外では、何かの生物のcellular DNAと結合していないと単独では長くは存在出来ない。
repeatsというのは全く同じ配列が二箇所にあるという意味っぽい。
DNAの一部をカットして他の場所にペーストする。
inverted repeatsはtransposaseと呼ばれる特別なrecombinaseの結合場所となる。
transposase同士が固く結合したあとに起こる過程。
相補的な配列がずれてつながって、反対側をそれぞれDNAポリメラーゼが合成するので、両方に同じ配列が出来る。これがdirect repeats。
1-step transesterification reactionの化学的な反応については以下の図も参照。
なお、最初にtransposonがあった所は両端をcleaveしたまま残っているので、これはDSBとして通常の修復機構が働く。
transposonが最初にDNAから切り離されるメカニズムをいくつか見ていく。
途中まではカットアンドペーストと似ているが、3’側しかcleaveされずに、そのままターゲットDNAとつなぎ直される。 Transposonのあった元のDNAもそのまま結果に組み込まれて、Transposonの2本鎖は離れた領域に行き、対となるDNA鎖はDNAポリメラーゼで合成される。
DNAの伸長はreplication forkとして片方をleading strand、片方をlagging strandとして合成される。
結果うまれるDNAの構造はcointegrateと呼ばれる。
viral-likeでとてもretrovirusに似ているメカニズムだが、生物の外に出て感染したりはしないRetrotransposonというものがある。
Retrotransposonは移動するのに自身をカットせずに、RNAが転写される。
そしてこれがreverse transcriptionされて、cDNAが合成される(dsDNA)。
retrovirusではこのcDNAがカプセルに入って細胞から出ていくが、Retrotransposonはその代わりに直接DNAのターゲットサイトをアタックして、自身を挿入する所が違う。 このcDNAを挿入する酵素はintegraseと呼ばれる。
このcDNAは挿入されるDNAよりちょっとだけ余分な所があるので、最初に3’末端を少し削り、 これをターゲットのDNAに入れる所はカットアンドペーストのメカニズムとほとんど同じで、 まず3’をつなげて、残りはextendしてligateされる(この時5’末端もcleaveされるかも)。
3つのメカニズムはそれぞれ共通したり似ている部分も多いが違う部分もある。 それぞれのpathwayを区別できそうな特徴を以下に列挙する。