10^10 bp
の合成につき一回程度のミスしか起こらないE.coliは5*10^6 bp
で出来ている。1000個体に一つ程度のミス。E. coliは単細胞の原核生物、いわゆる大腸菌。
人間のゲノムは3*10^9 bp
。3回の細胞分裂で一回ミスする。細胞一つに1mのDNAが入っている。体全体で90 millionマイルで太陽に届き、一生で光年のオーダーになる。
触媒は、3’のOH基が、入ってきたヌクレオチドのアルファ-リン酸にattackするように振る舞う。 そうするとppi (pyrophosphate, ピロリン酸イオン)が分離する。アルファ-リン酸は一番糖に近いもの。
ピロリン酸イオンはその後2つのリン酸イオンに分離する。この反応が不可逆。
これらの反応を、DNAポリメラーゼが触媒する事になる。
DNAポリメラーゼが複製を触媒する
1と2をあわせてprimer:template junction、PTJと呼ぶ。
2は最初良く意味がわからなかったので英語のまま書いたが、 annealedとはbase pairがちゃんとマッチしている状態で二本鎖が結合していることを言うらしい。
Nucleic acid thermodynamics - Wikipedia
ということで2はほどいてsingle strandedの状態になったテンプレートに対して正しくペアがマッチした形でprimerを結合させる、という意味だろう。
5は、5’から3’方向に伸ばされていくという事だが、テンプレートとプライマーのどっちかが曖昧なのでこう覚える方が良いとのこと、なるほど。
dNTPが4種類、つなぐ元も4種類なので、16通りの反応を触媒出来る必要がある。でもDNAポリメラーゼのアクティブサイトは一つしか無い(!)。
DNAポリメラーゼのbinding pocketは4つのdNTPすべてにaffinityがあるが、ペアがあってないと3リン酸と3’ OHが近くに配置されず、 反応が起こらない。
ペアがあっていると、3’のOH基がアルファ-リン酸基にSN2のnucleophilic attackする。(SN2って何?)
正しいbase pairはどのペアも同じdimension (距離とか配置とか)になるので、同じ機構で触媒出来る。
右手の構造になぞらえて部位に名前がついている。fingers, thumb, palmの部位からなる。 fingersが動いて、thumbはあまり動かない。
大まかには以下のようなステップで合成が行われる
これらのすべてがとても素早く起こる。 以下各ステップについて詳細に見ていく。
grooveの種類と水素結合のdonor、acceptorの配置
酸素、窒素はacceptor、窒素や酸素につながったHはdonor、それ以外のHやメチル基はどちらでも無い、として、BPの一番外側の原子を見ていく。
という事でpalmはminor groove側と結合する事で、正しくマッチングしたペアだけと結合するが、どういう配列かは気にしない。
以降は2と3を繰り返す。 これら全部がめっちゃ早く起こる。
頻度としては、DNAポリメラーゼ単体では、10^5 bp
に一回のペースで誤りが起こる。
大多数の誤りは、プリンを他のプリンと間違うか、ピリミジンを他のピリミジンを間違えるたぐいの誤り。 tautomer formationのせいで起こる。
PngNote ページ3, Tautomer Formation
ミスマッチが起こると、Proofreading exonucleaseという酵素(だいたいはポリメラーゼに含まれている)による修正機構が働く。
通常このexonucleaseはポリメラーゼと同じポリペプチド内に存在する
ミスマッチが起こると手のひら側に移動して、ここで1〜3つのヌクレオチドが切断される。 だいたいの生物機構と同様に、ちょっと多めにカットしてやり直す。
proofreadingにより、だいたい100倍くらいのオーダーで正確になる> 10^7bp
に一回程度の誤りになる
残りの10^3
は別の修正機構で達成されている。
ゲノムのオーダーも参照。
このproofreadingは端にしか機能しないので、ひとたび誤った状態で合成が進んでしまうと、もうこのproofreadingは機能せず合成が進んでしまう。