実践編:はじめに

ここから実践編になります。 具体的にアプリを作っていきつつAndroidを学んでいきますが、 その前に今回は実践編の狙いとかを簡単に説明しておきます。

Androidの機能の学び方

Androidにはたくさんの機能があります。そしてそのほとんどは使わない。 だから全部を覚える、というのはあまり良い作戦では無い。 使う機能だけを覚えるのが良い。

ではどうやって使う機能を選ぶか?というと、やはり実際にアプリを作ってみるのが良い。 作るのに必要な機能は必要な機能で、要らなかったものは要らない機能、という事になる。

ただ機能の勉強が目的なので、それ以外の所であんまり作るのに時間をかけるのは良くない。 だから大きくて複雑なアプリを一つ作るのではなく、小さくて単純なアプリをたくさん作るのがいい。 いろんな種類の小さいアプリをある程度書き溜めて、 「これだけ書き溜めれば組み合わせでいろいろ作れるな」と思えるくらいの書き溜めを作るのがここでの目標となります。

実践編では想定しているアプリに必要な機能の解説がメイン

実践編ではListViewより難しいものはたぶん出てきません。 個々のものはちょっとは難しさもあるけれど、大した事が無い。 けれどまぁまぁ数が多い。

そこでここからは、個々の必要な機能の解説を独立して行い、 それらの組み合わせでアプリを作る所は簡単な指示程度に留めます。 こちらの方が、指示以外のアプリに応用する時に便利だし、 この講座が終わったあとに世の中の解説を適当にググって応用していくのにも近い形なので、 練習にもなると思います。

ただ個々の機能の解説だけを読んでもあまり理解は進まないと思うので、 それらを組み合わせて実際に指示されているアプリか、それと同じでなくてもいいけれど似たようなアプリは実際に作ってみてください。

コードの書き溜めとその大切さ

スマホのアプリというのは画面が小さいため、似たような画面の機能(ユーザーインターフェースと言います)の組み合わせになる事が多い。 むしろ自分のやりたい事をよくある組み合わせにどう分解するか、 と考えるのがスマホのアプリ開発のコツとも言えます。

そうした時に組み合わせの元となるような、よくある機能を持ったアプリのコードを手元に持っておくと、 それを真似して書けるので素早くアプリを作る事が出来ます。

ドキュメントや解説を読んで書いてみても、思った通りに動かなかったりどうしたらいいかよく分からなくてかなりの時間が掛かります。 一方、手元に動くと分かっているコードを持っておけば、それと動作を比較しながら書く事で素早く完成させられます。

そこでこの「実践編」では、よくあるような機能を持った、けれど小さくて簡単につくれるようなアプリを幾つか作って、 このコードの書き溜めを行っていきたいと思います。 これは実践編を終えたあともある程度は続けて欲しい事ですし、またこの講座で扱ってない事を学ぶ時にもやって欲しい事です。

また、幾つかの機能はまだ説明してない難しい事が必要になるものもある。 例えばこれまでにやったListViewのArrayAdapterを作る所でも、何をやっているのかよく分からない所もあるはずです。 あそこまで難しいのはもうあまり残っていないけれど、 似たようなよく分からない書き方が必要なものも幾つかはある。

そうしたものは全部をちゃんと理解するよりも、動くと分かっているコードを手元に持っておいて、 自分のやりたい事はそれをどう変えればいいかを理解していればしばらくは十分です。

しかも、ある程度そうやってコードを書き溜めていくと、 よく分からないものはだいたいどれも似通っていてそんなに種類が無い事も気づくはずです。 そこまで行ったあとにkotlinをちゃんと学べば、「ああ、あれはこういう事だったのか」とすぐに理解出来るので、 順番的にもこの順番がオススメです。

という事でここでは、小さくてよくある機能が入っているようなアプリをいろいろと作っていくのを目指します。

新しいアプリを作る時には一つか二つだけ新しい要素を入れるように心がける

最初の一つとか二つのアプリを作る時は新しい事がいっぱい出てきてしまいますが、 3つ目くらいからはそれほど新しい機能がなくても作れるものが増えてくると思います。 この時、勉強目的なら、何か新しいものを一つか二つは入れるように作るのがオススメです。

多すぎると書き溜めとしてあまり使い勝手も良くないし、作るのにも時間が掛かる。 新しいものが一つも無いと、書きためとしての価値は低い(ただ新しいのを作る事には慣れるので、最初のうちは練習としてはアリ)。 という事で、一つか二つくらいはこれまで作った事が無い要素がありつつ、 他のだいたいはこれまで作ったものの組み合わせで作れるものを考えていくのが良いです。

これはこのコースを終えた後にも大切な考え方です。

既存のアプリを学ぶ

スマホのアプリ開発はよくあるユーザーインターフェースの組み合わせで作るのが良い。 そこで、よくある機能を学ぶには、実際にアプリを触ってみるのがオススメです。 特に初期の頃は、作りたいものと似たアプリを触ってみると、 「なるほど、こういう時にはこう動くのか」という事が分かるようになります。

だから作りたいものと似たアプリをいろいろ入れて試してみるのは、 アプリ開発には重要です。

実践編では「XXのようなアプリを作ろう」という形で、そのXXについてはリンクを貼ります(今の所私が作ったもののみの予定)。 例えば最初に作るのは「てきすとでっき」に似たアプリのつもりです。 「てきすとでっき」は以下からダウンロード出来ます。

てきすとでっき - Google Play のアプリ

こういう時、ただ作るだけではなくて、まずこのアプリを触って、 自分が作る時に迷った所を「てきすとでっき」ではどうしているかを試したりしてみてください。

また、このアプリのうちどの部分はすでに知っている事で出来て、どこはまだやり方を知らないものなのかを考えてみてください。

コピペもこの辺からはガンガン使ってOK

これまでは勉強の為に全部打っていましたが、この辺まで来たらそろそろコピペを使ってもOKとしましょう。

ただちょっと不安な時は、これまで同様にコピペせずに全部打つを何度か繰り返してHelloXXX3くらいまで作りましょう。