Canvasでいろいろ描画
カスタムビューはonDrawで画面を描きます。 そしてonDrawではCanvasというもののメソッドを呼び出して図形や画像を描きます。 だから最終的にはCanvasをマスターするのがカスタムビューをマスターする、という事になります。
ここでは、四角を描く以外の、良く使うCanvasの機能を見ていきましょう。
英語ですが、公式リファレンスはこちら。Canvas - Android Developers
四角を描くdrawRect
はろーCustomViewでは以下のように、drawRectを使いました。以下の3の所ですね。
override fun onDraw(canvas: Canvas) {
// 1はここ
val r = Rect(10, 10, 200, 200)
// 2はここから
val p = Paint()
p.color = Color.RED
p.style = Paint.Style.FILL
// ここまで
// 3はここ
canvas.drawRect(r, p)
}
このように四角を描くのはdrawRectです。
CanvasのdrawRectには、以下の3つがあります。
- Rectを指定する
drawRect(r: Rect, p: Paint)
- RectFを指定する
drawRect(rf: RectF, p: Paint)
- Floatで座標を指定する
drawRect(left: Float, top: Float, right: Float, bottom:Float, p: Paint)
公式リファレンスはこちら(英語)>Canvas#drawRect
FloatとRectF
図形の描画は、だいたい座標をInt(整数)で指定するものと、小数ありのFloatで指定するものの2つがあります。 両者はだいたい同じ挙動です。 小数も許すものの方が端の処理がより正確です。
Kotlinでは小数は今まではDoubleを使ってきたし、普通はDoubleを使いますが、グラフィックス周辺だけはFloatを使います。
普通、0.0
と書くとKotlinではDoubleとなってしまうので、Floatの0だよ、と示すためには最後にFをつけます。0.0F
とやるとFloatになります。
Floatについての詳細は、以下の数値 - Kotlin 日本語リファレンスの「浮動小数点型」を参照ください。
さて、drawRectでは整数で作ったRectというのを渡していました。 Rectというのは上記のコードの以下の部分ですね。
val r = Rect(10, 10, 200, 200)
これは四角のうち
- 左
- 上
- 右
- 下
の位置を指定しているのでした。
このRectと同じ意味だけれど位置の指定がFloatであるRectFというものも存在します。
val rf = RectF(10.0F, 10.0F, 200.0F, 200.0F)
このように作ったrfを渡してもdrawRectを呼ぶ事ができます。
canvas.drawRect(rf, p)
円を描くdrawCircle
円はdrawCircleで描きます。
override fun onDraw(canvas: Canvas) {
val p = Paint()
p.color = Color.RED
p.style = Paint.Style.FILL
canvas.drawCircle(5.0F, 10,0F, 100.0F, p)
}
drawCircleの所を抜き出すと以下のようになります。
canvas.drawCircle(5.0F, 10,0F, 100.0F, p)
引数は
- 中心のx座標(この場合は5.0F)
- 中心のy座標
- 半径
- Paintオブジェクト
となっています。 これで、左から5.0Fピクセル、上から10.0Fピクセルの位置に、半径100.0Fピクセルの円を描きます。
公式リファレンス(英語)はこちら>Canvas#drawCircle
drawTextとテキスト関連のPaintの設定
テキストを描くのはdrawTextです。 ただdrawTextは位置と書く文字を指定するくらいで、サイズや色はPaintオブジェクトで設定します。
例えば以下のような感じです。
override fun onDraw(canvas: Canvas) {
val paint = Paint()
paint.color = Color.BLUE
paint.textSize = 100.0F
canvas.drawText("ほげほげ", 70.0F, 500.0F, paint)
}
まずはdrawTextの行を見てみましょう。
canvas.drawText("ほげほげ", 70.0F, 500.0F, paint)
drawTextの引数は順番に
- 文字列
- x座標(テキストを書き始める位置)
- y座標(テキストを書き始める位置)
- Paintオブジェクト
となっています。2番目と3番目の引数で描き始めの位置を指定する訳ですね。 文字のサイズや色は4番目のPaintオブジェクトで指定しています。
テキストの大きさと色はPaintで指定
色と文字の大きさを指定しているのは以下の部分です。
val paint = Paint()
paint.color = Color.BLUE
paint.textSize = 100.0F
色はdrawRectの時と一緒なので説明は省きます。
大きさはtextSize
というもので指定しているのが分かります。
Canvasのテキスト描画はそんなに高機能では無いので、簡単な事だけに留めておくのが無難です。
公式リファレンス(英語)はこちら>Canvas#drawText
画像を描くdrawBitmapとBitmapのロード
ゲームなどで一番使うのは画像を描く、という機能でしょう。これはdrawBitmapで良いのですが、 このdrawBitmapにはBitmapオブジェクトを渡さないといけません。こちらの方がむしろ難しい。
という事でまずはBitmapオブジェクトの作り方をやり、次にBitmapオブジェクトをdrawBitmapを使って描いていきます。
リソースからBitmapオブジェクトを作る
リソースに関しては、以前の画像リソースと表示の回も復習しておいてください。 ここでは同様にgoo.pngをリソースに加えたとして解説します。
リソースからBitmapオブジェクトを作るには、BitmapFactoryのdecodeResourceを使います。
val bitmap = BitmapFactory.decodeResource(resources, R.drawable.goo, BitmapFactory.Options())
このdecodeResourceという関数の引数に注目してください。
1番目のresources
と三番目のBitmapFactory.Options()
は、いつもこれを指定する、と思っておいてください。
1番目のresources
の方はViewかActivityの中でしか使えないので、外で使う場合はどうにかする必要がありますが、
しばらくはカスタムビューかActivityでしかロードしないとしておけば良いでしょう。
二番目のR.drawable.goo
は目的の画像のリソースIDです。これは以前ImageViewに表示した時にも指定したものですね。
以上をまとめます。リソースからBitmapオブジェクトを作るには以下がポイントになります。
- 画像リソースからBitmapオブジェクトを作るにはBitmapFactory.decodeResouceというのを使う
- 何も考えずに1番目はいつも
resources
、三番目はBitmapFactory.Options()
を入れるもの - 二番目の引数に表示したい画像のリソースIDを指定
公式リファレンス(英語)はこちら>BitmapFactory#decodeResource
CanvasにBitmapを描くdrawBitmap
Bitmapオブジェクトを作る事ができれば、それをCanvasに描くのは簡単です。 描くのはこんな感じになります。
canvas.drawBitmap(bitmap, 50.0F, 200.0F, null)
最初の引数はbitmapオブジェクト、二番目と三番目で画像を描く場所の左上の座標を指定します。 最後のnullはPaintオブジェクトを指定するのですが、いつもnullでOK。
drawBitmapには拡大縮小を指定するバージョンもありますが、ゲームなどで使う場合はリソースの方のサイズをあわせて拡大や縮小無しで描くようにした方がいいと思うのでこちらで十分でしょう。
公式リファレンス(英語)はこちら>Canvas#drawBitmap