ビギナーズクラシックに前から興味があったところ、Bookwalkerで条件が細かい50%オフクーポンの条件を偶然満たしていて200円くらいで買えたのでポチる。
現代語訳、原文、解説が一部の話にはあり、それ以外の話にはあらすじが全てついている、というもの。 ふりがなもあって読むだけなら現代文の感覚で読め(意味が分かるかは別だが)、 先に和訳を読んでいて解説も読んでいて、しかもかなりの部分が歴史の本にあるエピソードなので、 語注や文法解説が無くてもスラスラ読んでわかった気にはなれる。
しかも原文がなかなか味わい深くて良い。なんか趣味に軽く古文に触れるのにいいね。
古文のところは語注が無いのでわからない単語なども多いのだけれど、訳が逐語訳に近いのでまぁいいか、とは思える。
という事で分からないところもある古文なのだが、あまり訳とかは考えずになんか音というか文章の美しさみたいなのを楽しんでいる。 なんかこれは正しい楽しみ方なのではないか。 古文に何が実際書かれているかを見るという事にも意義はあるが、それは訳の方で良い気がする。 訳を見るのには結構な意義があると思うのだけれど、それだけでは無くてわざわざ古文を読むのは、 そういった訳で失われてしまう美しさとかを鑑賞するためと思う。
そういう点でこのビギナーズクラシックというのはとても良く出来た本に思う。 古文の勉強としては語注や文法解説もあった方がいいと思うけれど、 社会人が教養として読むなら完成された形態なんじゃないか。
平忠盛くらいから始まるのに、なんか突然鹿ヶ谷の陰謀くらいまで飛んで清盛がメインになった。展開が早い。 平家物語に出てくるエピソードのかなりの部分は歴史書に出てくるエピソードなので、 なんか歴史書を復習しているような気分にもなる。
逆に歴史というのは平家物語などに書かれている事を集めて推測しているという事が良く分かる読書体験となっている。 これ、本来は中学生が得るべき体験なんだろうけれど、日本史も古文も薄すぎて両者がつながるところまで勉強する機会が無いんだよなぁ。
平家物語だと木曽義仲は結構長いこと勢力を保っていてちょっと意外な感じがする。そして突然最後になる。 宇治川のあたりとか全然出てこないしどこで何してたんだ?という感じだな。
徒歩の一番乗りを名乗って敵味方両方から笑われる、みたいなの、当時の戦争の雰囲気が出ているよな。 そんな合戦でありながらこれで義仲の死が確定する訳で、決して軽い訳では無いんだろうが。