amazon: バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書) 橘玲 著
車の運転中に聞き流す用の、少し聞き逃しても別に構わないと思えるような本を探していた所、 SNSで割と面白かったと言われて聞く事にした。
脳科学の知見みたいなものは良く紹介するが、解釈はかなり疑わしい所もあり、ちゃんとした専門家の書いた本を読む方がいいな、とは思った。 なんでもかんでも進化論で説明して、成人にみられる何かの傾向が幼児で同じ事が見つかったら人間の本質と断じて偶然の一致みたいな可能性は考えない、 あまりまともな科学的素養があるようには思えないけれど、 単なるSNS論についての自分の考えを述べたエッセイと思えばそれなりに面白い所はある。
SNSで罵詈雑言をあびせあうのが進化論的にうんたらで人間の本性だ、と言いつつ、 あとがき的な所で自分でも言っているが大多数のまともな人はそれらに参加してない、というのは矛盾しているのでは?という気もする。
また、バカと無知というタイトルも全体の中では割と小さな範囲だけの話で、 雑誌の連載を適当にまとめて一番キャッチーそうなタイトルをつけた、という感じで、 本としてのまとまりは微妙。
あとあんまりSNSとかニュースのゴシップを知らない自分は、なんの話をしているのか分からないスキャンダルとかの話が多くて、 知らんがな、という感じだった。 著者はSNSやり過ぎでは…という印象も。 まぁそういう人が書いた本という所に需要があるのかもしれない。
脳はニューラルネットワーク的な奴なので記憶が保存されてる訳では無い、という話は、 ニューラルネットなら過学習させればweightに保存するのと変わらないので記憶されているのでは?と思った。 なんかまともな人が言っている事を誤解して紹介しているのかな?
という訳でそんなしっかりした本では無いけれど、 暇つぶしとして聞くのに、聞くのに耐えないほど酷いという訳でも無く、 twitterとかに流れているtwitter論よりはマシだな、という気もした。 むしろSNS論だけの本だったら割と良かったのになぁ、という気もする。 良くSNSは観察してそうなので。 社会とか選挙を語る部分は微妙。