オーディオブックで聴き放題に入ってたので聞いたところ、なかなかの当たり。
Amazonではなかなか批判レビューも多いな。
まだ自尊心のあたりまでしか聞いてないので良く批判に上がっている少人数の所は聞いていないから、そこまで進むと印象は変わるかもしれないが、ここまで聞いた範囲ではレビューの批判はあまりこの本の問題点では無いように思う。
この本が実験経済学の手法で教育を考えるという本なのは明らかで、実験経済学の批判自体は本の批判としては弱いと思う(まさに嫌なら読まなきゃいい、というだけで)。 この本に期待される内容は実験経済学の手法を正しいとするとどういう結論が得られるかで、批判としては実験経済学のやり方の枠内でどう間違っているか、という話をすべきだろう。
一方で実験経済学の手法自身には多くの批判や議論は当然あるべきで、それはこの本のレビューじゃなくてもっと大きなトピックとして行うべき事に思う。
外発的動機づけが内発的動機づけを減らしてしまう、というのはCourseraのゲームフィケーションの授業とかでは聞いていたが、 この本では否定されてて、へーって思った。
学力の上昇にボーナスを与えても教員の行動にはあまり変化は無く、生徒の学力は上昇しない。 けれど、先に教員にボーナスを与えて、成果がなかったらそのボーナスを返還する、 という制度にすると結果が出るという話があって、なかなか面白い。
本当かどうかはおいといて、めっちゃ人体実験な感じがあって怒られそうだが、 USではこんな事が実験出来るのだなぁ、という所に驚きがあった。
もともと、自分の勉強法について考える為に選んだ本だったが、基本的には子供から大学生までの教育機関や親を対象とした本で、 社会人が自分で学ぶ場合に役に立つことはほとんど無かった。 ということで目的には全く役に立たなかった。
ただ、教育政策とかを考える上で既存の重要な実験を知るのには良い本だったと思う。 自分は割とランダム化比較実験で片を付ける方が良いと思っている人間なので日本でもバンバン実験していく方がいいと思っているが、 一方で自分は教育とはもはやあまり関係ない立場なので、 関係ある人達が話し合って決めれば良いような気もする。
聴いて面白いとは思ったが、大して頭には残ってない。聞き流しているだけだとその程度だなぁ。 ただ有意義で不快でないBGMとしては機能していたと思う。 ちゃんと興味があるなら本で読む方が良いかも。