身内のクローズドなネットワークの時代
この前のTwitterの代替が無い事についての雑感と同じような話だが。 なお、今回も結論は無い。
前掲のポストはプログラマの作った場所の発表場所として、特定の分野に限らず何でも流れてくるような場が無くなったという話だが、 そういう視点とは別に、 Twitterで話していたような事をみんなどこで話すようになったのか、 というと、LINEやDiscordなんじゃないか。LINEはやってないので知らないが。
Discordは身内のみのサーバーを作って、そこで身内だけでクローズドな所で話をしている。 クローズドなDiscordにこもって表で話をしなくなった人が多い、 というのは、皆も感じている事では無いか。 そういう時代になったのかな、と思う。
以前よりも自分の声が遠くに届かなくなった。 これはいろいろな要因があるが、基本的には届きすぎる弊害が大きくなったために皆がそう望んでそうなった結果に思う。 少なくとも自分は遠くの声を聞かなくなった。だから自分の声も遠くに届かなくなったのだろう。
その結果近い所だけに届く声で近くの人たちだけと話すようになった。 これがクローズドで身内のみのネットワークという事になったのではないか。
漫画とかの話になるが、これは超人ロックの銀河連邦が崩壊して銀河帝国が始まる話とかに似ている気がする。 ジオイド弾で連邦のシステムが維持出来なくなる。 けれど各地ではそれまでのシステムを元に何かの体制は出来る。 連邦の体制は無くなって、代わりもしばらくは無いが、人はその中でも生き続ける、みたいな。 けれど文明は後退する。
超人ロックでは銀河コンピュータと銀河帝国が次の秩序となる訳だが、 そこまでにはそれなりの時間が掛かっている事になっている。
ジオイド弾は一発で何かが起こった、という訳では無く、 どれか一つの被害であれば連邦はその機能を維持していたはずだが、 全体的に多くの被害を与えた結果、それを修復して元に戻る、という感じでは無くなった。 インターネットに雑多な意見を発して多くの反響がある場が失われたのも、それに似ている気がする。 人々が「これはうんざりだ」と思う事がいろいろな所に起きて、 どれがどうという訳では無いが全体として機能を失ったというか。
アニメの話でいくと、声が届かなくなる、というのは、ガンダムのミノフスキー粒子に似ている気がする。 声が届かなくなった結果、有視界戦闘に逆戻りする、みたいなノリで、 身内のみのクローズドなネットワークに戻る。 我々はフィードバックループですぐに発散してしまう過剰な感度を抑えるために、 グローバルなネットワークにミノフスキー粒子を散布している。 けれどその結果、声が遠くに届くという場も失われてしまった。 そしてそれは皆の意図した結果である。
何がジオイド弾やミノフスキー粒子に相当したものだったのかは良く分からない、 というかいろんなものがあったと思う。
個人的には身内のみのネットワークの時代になったのかどうか、 とか、どうやったら戻るのか、という話よりも、 身内のみのネットワークの時代になった事を所与として、 今後どうしていくかとかを考えたい気がしている。 この時代も、がっかりな部分もあるけれど、良い部分もある。 少なくとも感度の高すぎるネットワークにうんざりしたから望んだものであるので、 そのうんざりさは改善している。 次の時代はこうだ、という事を受け入れるのも、やぶさかではない。
もうちょっとオープンでグローバルで特に誰に向けたものでも無いブロードキャスト的な発信を減らして、 もっと狭いコミュニティでの活動の比率を増やした方がいいかもしれない。 勉強会だとか少数の人数のカンファレンス的なものとか。 勉強会的なものをもうちょっと増やしたいな、という気は前からしていたので、 いい機会かもしれん。 あとは以前やってた近場の身内にスマホのアプリ開発教える、 みたいな奴の延長で、地域コミュニティ的なものの中で何かやるのを増やしてもいいかもしれない。
大きな反響を期待して大きな事をやるよりも、小さな反響を細かく得るのを目指す方が時代にはあっているかも。
「これだ!」というのは良く分からないが、ちょっとずついろいろ試してみるのがいいかもしれん。