別段声を大にしていいたいという訳でも無いのだけれど、周りを見ているとみんながそうという訳でも無さそうに感じたので記しておこうと思った事。

これまでの人生を振り返り、さらに今後の人生を予想するに、今の40代の中盤くらい、というのが、自分の人生で一番良い時期なんじゃないか、と思っている。

中学生には中学生の楽しさがあったし、高校にも高校の楽しさがあった。大学生と大学院生にも楽しい所があり、どれも甲乙つけがたいものがある。 新卒の頃は新卒の頃で楽しさがあったし、30代の前半にもセミリタイアしたあとの楽しく刺激的な日々はあった。

一方で、そうしたすごく良いと思う時期でない時期もある。 何か辛い事があったとかでは無いが、退屈だったり飽きてたり、もういいかと思っていたりするような時期で、 言ってしまえば普通の時期、という感じだ。 自分の中では20代の終盤とか30代の中盤とか後半などは普通の時期という感じがする。

そして、ここ数年は自分の人生で一番良い時期なんじゃないかなぁ、と思っている、という事だ。 それは今までの中で一番良い、というポジティブな意味と、 ここから先はこれより良い状態はもう来ないというネガティブな意味の両方が含まれる。

今が一番良いと思うのは大きく2つの要因からくる。

  • サーフィン
  • プログラム

サーフィン

サーフィンは今が一番楽しい時期である可能性がそれなりにある上に、親が元気で一緒にサーフィンしているというのがある。 なんというか、自分の地元で仲の良い人たちとサーフィンを出来るのは今だけなんじゃないかな、と思う。 親はけっこういい歳なのでいつまでも続くという感じの話では無いし、 その後に地元でそうしたサーフィン仲間とサーフィンをする機会はおそらくもう無い。 たぶんその後にも自分のサーフィンライフは続くけれど、その場所は地元では無い気がする。

親はもっと前の方がもっと元気だったんだろうが、その頃は自分の側がもっと違う事をいろいろとやっている時期なので、 なんかここ最近くらいの時期になってようやく同じ時間を過ごせるようになる、というものにも思う。 少なくとも自分はそうだった。

しかも今サーフィンをすごく楽しむ事が出来るのは、自分の体力的な要因もある。 30代にももっと楽しむ事は出来たと思うが自分は違う事をやっていた。 その事に後悔がある訳では無いが、自分の人生という事を考えた時に体力とか時間とかと、サーフィンという趣味がちょうどマッチするのが今の時期で、 これは人生でやる事の中で一番楽しい事になるんじゃないかなぁ、という気がしている。 今はかなり頑張れるんだよね。台風とか来て何日も連続でサーフィンやって、限界だ〜〜!ってくらい頑張れる。 これが10年後も出来る気はあんまりしない。出来るかもしれんけど。

後者に関してはこれからもっと楽しくなる可能性もあるけれど、今が一番楽しくなるフェーズということもまぁまぁある気がする。 波に乗れて出来る事が増える時期が楽しいのは間違い無いし、今年はまさにそういう所に入ったくらいに思う。 何事もこう、最初の所を乗り越えていろいろ楽しくなる時期というのはあるよね。

プログラム

プログラムに関しては前にも同じような事を何度か書いていると思う。人生の本番はいつかとかも似た話で、 今あたりがピークなんじゃないかなぁ、と思っている話をしている。 これは40代が一番良い、というよりは、自分が30代別の事をやっていた結果という自分固有の事情の影響は大きい。

今が一番良いんじゃないかな、と思うのは、ハードウェア的にちょうど良いというのもある。 コアがたくさんあって、GPUも強力だが、使い切らないといけないくらいにはまだまだである。 このハードウェア的なフェーズが、自分がプログラマ人生で積み上げてきたものとちょうどマッチするのがたまたま今の時期、という風に思う。 実際PCやサーバーはそういうフェーズは終わっていて、タブレットが今ちょうどそういう時期になっている。

これに関しては次の時代にまた違う何かでちょうど良い時代は来るかもしれない。来ないかもしれない。ここは良く分からない。 だが自分の経歴を思えば、やはり一番の勝負はモバイルでやるのはいいんじゃないかな、という気がする。 モバイルギアというPDAに魅せられてこの業界にのめり込んだのだ。ここが自分の集大成になる可能性はそれなりにある気がする。

また、時代だけでは無くて自分の側でも将来に同じような事をやりたいか、という問題もある。 自分は今まさに結構大きな事にチャレンジしている訳だが、 次の時代に自分はこういう事をやるだろうか?という、自分の問題がある。 たぶん同じ事はもうやらないのだが、 違う事でちょうど都合良く勝負出来る場があるかどうかは未知数だ。 しかも今やっているのが一番の集大成って感じがするのは、C++で大きなものを一人で作るからだ。 そういうのってずっとやりたい事じゃないんだよねぇ。 もう一回くらいやっても良いかもしれないし、もう二回くらいやっても良いかもしれないが、 少なくとも次は違う事をやりたいし、そうした違う事をやっている間に全盛期と思える時期は終わる可能性はかなり高くなってきている。 今考えているのは、次にまたやりたいという思いよりは、 ここで最後でも良いと思えるくらいにすべてをつぎ込んだ何かをしたい、という方が強い。

そして自分の同年齢の周りの人のタイミングというのもある。 今回は同年代の人のライフワークに便乗している訳だが、 同年代で違う人のそういう場にこの先遭遇する事はもうあまり無い気がする。 やるなら若い世代と、という感じになるのかもしれないが、 そういう事をやりたい、という気も今の所あまりしていない。

次は次でやりたいと思っている事はあって、それはそれで面白さがいろいろあるとは思うのだが、 なんかこう、これまで積み重ねてきたものをすべて出しきって何かに挑むというのとは違ってくると思うんだよな。 もうちょっとそういう所からは外れて、楽しくて面白くて平和な事をやっていく感じにしたいと思っている。

そういう訳で、ここで終わらせたい、終わりにしたいと思っている何かが、プログラマ人生のキャリアハイなのでは無いかなぁ、という気がしている。

これはネガティブな意味というよりは、ここをキャリアハイにするような何かを今したい、ここで終わらせたい、という意思の問題でもある気がする。

順序をつける事には意味は無いかもしれないけれど

他の良かった時期と比較して今とどちらが上か、と考える事にはあまり意味は無いかもしれない。 それぞれの年代にはそれぞれの年代にあった良い事があった。

ただこの40代の中盤あたりが一番良いかもしれない、という意見はあまり見かけないので、 自分の場合はここが一番良いかもしれない、と思うくらいに最近が良い感じだというのは表明しておいてもいいかなぁ、と思ってこんなエントリを書いている。

30代の頃の方が体力がある訳だが、やっている事が違うんだよね。 そしてもういいや、って思うくらいいろいろやった後じゃないと出来ない事というのがあって、 この後にやってくるものが、自分の場合はなかなか素晴らしいかった。 それは前にやってた方がいいというのでは無くて、 後だから素晴らしいと思える類のものだと思う。

なんかいつでも今が一番良いと思っているという類の話とも違っていて、 登っていく何かと落ちていく何かのちょうど中間の良い塩梅がこの40代中盤なんじゃないかなぁ、という気がしているのだ。 不惑という言葉もそういうニュアンスを含んでいる気がする。

40代が一番良いと思えるくらいに良い時代である人も居る、というのは、 言っておきたかった。

最近やけに良い感じなんだよな、人生。