最近フランス語をやってるのと、勉強会のメンバが転勤になって嫁が英語全然話せない、みたいな話になったので、新しい言葉をストリートから覚えて行く時の方法とかを書いてみる。

新しい言葉を覚える時の初歩としては、

  1. 挨拶や頻出の慣用句などを癖になるくらい反復
  2. 基本的な文を覚え、その単語の置き換えなどで文を作る練習

みたいな二段階があって、ここまで行くとなんか喋れる、という状態になると思っている。 一つ目はそれこそ20とか30文くらいなので基礎的な入門書のCDで良くて、2の所で文法的な事が出てくる。

この2つは座学では一週間とか二週間くらいかかる感じで、逆に言うと二週間くらい勉強するとなんかストリートで喋れるようになる。
ここまで行くととりあえず使っていればある程度までは上達する(最初の三ヶ月くらい)。

1だけだと丸暗記した挨拶とか喋るだけなのであまり成長が無い。一方で突然2をやっても、1は例外ばかりであまりうまくハマらないので、最初に言ってる事が全然分からないから何もコミュニケーション出来ない。

個人的にはこの二週間くらいでとりあえず喋る、というのは楽しい語学の修得の仕方としては結構オススメで、自分もヒンディー、ネパリ、マレー語あたりはこんなやり方で覚えた。

はじめは「決めた事を話す」

ストリートで言葉を覚える時には、最初に2の例文を紙一枚に収まるように書き出しておいて、それを持ち歩くのが良い。

さて、知らない言語は、最初に喋る所が凄い緊張して頭まっしろになり、照れくさくて、非常に敷居が高い。 そこでこれをどう乗り越えるか?が重要になる。

オススメの方法は「やらせ」というか「ただ決めた事を話すだけ」という方法。以下やり方。

「ただ決めた事を話すだけ」は、答えを知ってる問いを知らない人にとりあえず聞いてみる、という行動。 例えば「駅はどこですか?」とかを、とにかく知らない人に聞いてみる。

聞く事をあらかじめ決めておいて、話す前に心の中で少し練習して、ただそれを話してみる。話すつもりの事をまったくアレンジとかもせずに、ただ話すだけ。
で、答えはどうせ理解出来ないので、理解したふりして、ありがとう、とか言ってその場は去る。
で、違う人にまた同じ事をする。

三回から四回くらいやると慣れてくる。 答えを聞く気が無いのに質問するのは失礼だとは思うのだが、最初くらいは勘弁してもらおう。

ポイントとしては、話す事を話す前に決めてしまう、という事。 そして、何度か違う人に同じ事をやってみる、という事。 話す事が出来ないのに話す経験を積む、という最初のブートストラップを、この答えを聞かずにただ質問する事でこなす。

次に、頻出表現と単語の入れ替え

これをある程度やって慣れてきたら、少しこれをやりたい事に近づける。

まず、知りたい事で簡単に言える事を幾つか用意する。とりあえず「これはなんですか?」「駅の場所」、「トイレの場所」、「これは幾らですか?」くらい。 で、実際に聞く。

で、それに慣れてきたら単語を入れ替えてちょっとずつ言える事を増やしていく。
また良く聞く事になる単語とかも、その場で教えてもらって紙に書いていく。

これだと簡単に聞く事と簡単な答えしか分からないのですぐ頭打ちにはなるが、この過程でその言葉を話すのに慣れるのと、とりあえず少しの用は足せるようになるのが大切。 なにも喋れないのとは雲泥の違いだ。

次に文を組み立てる

ここまではトップダウンというか、答えの完全な文が先にあって、それの単語を入れ替える、という方法だ。

でもどこかで、自分で組み立てていく、という事もやり始める方が上達は早い。 どうやって組み立てる練習をするか?

この段階だと、何かしらの入門書を勉強しておくのがオススメだ。 三週間から一ヶ月くらいで終わるような、「xx語入門」みたいな奴。 各課が対話で始まって、その単語や文法の解説がある奴。

で、これを終えた上でどう言いたいことを組み立てるか。 やり方としては、話す前にまず自分で言いたい事を考える、というのが良いと思う。 話しながらでは難しいから、少し話すつもりの人のところに行く前に、考えてみる。

この時に、最初のうちは、入門書で似たような事を扱ってる話題を話しかけるのが良い。
似た話題で実際に自分が聞きたい事を、その課の文法解説とかを参考に作って行く。

で、紙に書き出したら、それを心の中で少し練習してから話しかける。 最初のうちは文を組み立てるのは実際に会話する前にやる方が良いと思う。 何度かやっていると、だんだんと実際に話す間にやれるようになる。

ストリートの次に

入門書に載ってるような話題でいろいろと話をしていき、頭打ちになる。
ここまで行くと、結構話せる状態と思う。ただいまいち聞き取り出来ないのと、話せる話題が入門書で出て来るのに偏りがち、という状態。

個人的にはここまで来れば語学学習の最初の山は越えたと言って良いと思うし、とりあえず話す事は出来るので現地に居るとある程度までは上達があると思う。 ここまで来るかどうかは現地に居て結構差が出る所なのでここまではやっておくのをオススメするが、ここから先はどこまで自分がその言語をマスターしたいか、という話になる。ここから先はストリートで喋ってるよりも、真面目に勉強した方が伸びる気はする。

好きな所まで好きにやったら良いと思うが、参考の為、自分の場合の事を簡単に書いておく。

まず、文の組み立ての練習としては、基本的な文法書をやるのが良い。 といっても穴埋めとかじゃなくて、文法項目ごとに例文があって、それの解説があるような奴。 しかも単語の解説とかもあって、そんな詳しすぎない奴が良い。

ざっと眺めておいて、何か文を作ろうとした時に分からなかった時、辞書的に使う。 そこを引いた時はついでに解説も読んでおく、みたいに徐々に知識を増やしていくのが良いと思う。

リスニングや語彙を増やすという点では、この辺で速読英単語的な、ある程度まとまった文章と単語解説があるような奴で、mp3とかCDとかの音声だけで復習出来る奴をやる。 これはとりあえずテキストを読んで行って、聴いてみる。聞くだけで分かるならそれを繰り返し聞く。 聴いて聞き取れない所はテキスト見て、単語やその文を覚えてしまう。

そんな感じで一冊まるまる音だけで復習出来る状態を作ってひたすら暇な時とかに繰り返して聞く。 この辺の段階だと量が全てなので、テキストのように時間が掛かる奴よりも、聴いてるだけでバンバン進む音声教材の方が良い。

この位まで来ると一気に語彙も増えて中級者くらいになると思う。 個人的にはこの位まで来たら、その言葉を「喋れる」を名乗ってる気がする。

聴きとりをどこまで頑張るか?

この辺をある程度やると、だんだんと聞き取り能力が足をひっぱるようになると思う。 どうしても込み入った話になると聴き取りが出来ない。

まぁこれは仕方ないんじゃないかな。 英語だって聞き取れない事あるじゃん?

自分は、これを克服したい、と思った時は、最近はひたすら音声教材のリピーティングというか、一文聴く都度止めて言ってみて、言えなかったら少し戻して聴いて、を繰り返す、という方法をとっている。
これは効果はあるが結構辛いので、ここまで出来るようになるべきかは結構微妙だなぁ、と思いながらやってる。
音声だけでやるのは、電車とかバスとかそういう時に出来るので、旅先ではやりやすいから、テキスト見ながらやるよりも続けやすい気はする。
でもこの辺まで来ると、まぁ好きにしたらいいんじゃないか、という話だよね。

音声教材のリピーティングあたりまで行くと、結構ちゃんと喋れる、という段階になると思う。
あとは語彙増やして知ってる分野の例文増やして、喋る時の言い回しをワンパターンにしないようにレパートリー増やして、スピーチ練習して…となるが、キリはないし、まぁ今回のトピックとは別の段階だろう。

結論としては、最初のストリートで単語置き換えくらいと、入門書やって組み立て練習くらいまでなら、勉強期間は一ヶ月弱くらいなので、転勤とかで海外行くが全然言葉分からない、という人はやっておいて、ストリートで覚えていったらいいんじゃないか、と思う。

そのくらいやって三ヶ月くらいストリートで使ってると、全然違うよ、やっぱり。