夏のお仕事は一部論文になりそうな発明があったので、論文を書こう、という事になった。 といっても雇用関係はもう無いので、こちらは普通に趣味。元同僚はお仕事で書くのだろうけれど。

研究者界隈ではこの辞めた後に論文を書く、というのは割と一般的で、論文を読んでいるとよく、論文のタイトルの所のメールアドレスなどは別の会社だけど注で、「著者はXXに居た時にこの研究に参加した」みたいなのが書かれている。
普通は次の職場で書く時には、ある程度は次の職場での職務と認めてくれるのが多いと思う。

なんかそういう事やってると、ちょっと俺も研究者っぽくね?という気になる。仕事辞めたあと論文書くのって、ちょっとドラマみたいでかっこいいですよね?(イマドキの若者には通じないネタ)

ただ、職場で職務としてやってる場合は仕事と言って良いと思うのだが、幸か不幸か私は無職なので、職務として認めてくれる職場も無い。
お金にならないどころか、GCPとか自腹なのでむしろお金払って書く。

この無職でやる論文書きを仕事と呼ぶべきか、なかなか微妙だ。 仕事と呼ぶのに抵抗があるのは、別に無職と言いはりたいから、とかじゃない。そういう点ではこれは一銭にもならないが仕事と思う。

これを仕事と呼ぶのに抵抗があるのは、その反対で、こう、例えるなら、お絵描き趣味の人が「お仕事の依頼はe-mailでお願いします!」とかホームページにメールアドレスを貼っておきながら一度もメールが来てないのに「職業は絵描きです!」と名乗るようなまずさを感じる、という話だ。 仕事なのを仕事じゃない、と言い張りたいというよりは、仕事と言いたいがまだ仕事には出来てないですね〜、という感じの。

現実問題として、自分の現在の論文書きの位置づけは、大学に行って学生として研究してるのと近い気がする。 職業研究者と学生の間くらい、というか。
という訳で遊びというのとはちょっと違うが、仕事というよりは学業に近い気がする。

さて、論文書きが仕事かどうかは置いといても、これは一応狙ってる学会の締め切りというのがあるし、金が出てない物は時間が空くとやる気を失って空中分解しがちなので今頑張ってやっておく方が良い。
そういう訳で、自分の手持ちの活動の中で唯一締め切りらしい締め切りのある物となる。

で、今は関連論文のサーベイは一通り終わって、過去の論文との比較の為の実験を行っている。

データも既存研究と揃える為にも、仕事で使ったのとは別のパブリックなデータを使う。これが既存の研究は古くて、もうサービスが終了してる物を使っていたりして、似た性質の物を用意するのは結構大変だった。

今はだいたいデータは集まって、トレーニングのコードを書いている。 この辺の作業は普通に前回の仕事と同じような内容なので、結構お仕事感がある。

しかもお仕事の時は何も考えずにGPUインスタンスをばかすか立ててぶん回してたけど、ポケットマネーでやる場合は限界までCPUインスタンスでコード書いてから〜、とかせこい事考えるので、むしろお仕事より面倒も多い^^;

ちょうどデータの用意が終わったのが昨日とかで、実作業を開始したのは今日から。

論文読みは別段webのフレームワークのチュートリアル読んだりするのと同じ枠で、ただ読む物が変わるだけ、という感じだが、締め切りある機械学習コードは大分ふだんの生活でやってる事とは違う感じがある。

という訳で、ちょっと久しぶりに仕事っぽい事やってるぜ。 たまにやる分には結構新鮮で楽しいやね。