最近、iLMiNAというiPadアプリで、amazon: イラストをそれっぽく描くコツという本の練習をするのをライブ配信している。

一日一時間くらい。 これは、自分のこれまでの人生で、初めて楽しく続けられそうなお絵描きのアクティビティだ、という話をしたい。

絵を描く趣味としてのお絵描きライブ

自分はずっと、一日の中に絵を描く時間があるといいなぁ、と憧れていた。 だが、絵を描くのは辛く出来も悪くて満足度も低く、憧れだけでいい感じにする事は出来無いでいた。

だがこのiLMiNAのライブで、「イラストをそれっぽく描くコツ」という本をやっていくのは、 やっていて楽しく、出来もちょっと満足出来る。 なんか趣味として成立している気がする!

ライブは一日一時間弱くらいでやっている。 一日一時間絵を描くのは、自分的には十分な長さで、 自分のライフスタイルとして丁度良い。 続けていればそれなりの量にもなるし、他の活動とも共存出来る、 ちょうど良い長さだ。

ライブはそれ自体がコンテンツになり、描いている時間に応じた長さになるのが良い。 絵を三日かけて描いて一瞬で流れちゃう昨今の状況は、 もうちょっとなんとかならんかなぁ、と思っていたが、ライブは掛けている時間とコンテンツとしての長さが同じなので良い。

描いている時間をコンテンツに出来るのはお絵描きライブの優れている所だ。 タイムラプスなどが流行っているのも同じ理由と思うけれど、タイムラプスもやはり掛けた時間からすると凄く短くなってしまう。

ライブは掛けた時間の長さがそのままコンテンツの長さになるので、発信のコストと量が釣り合っていると思う。

コミュニケーションとしてのお絵描きライブ

また、ライブはコミュニケーションが発生するのも良い。絵を描く事について、絵を描きながら話せる。 作られた話題とか興味が無い事を話す必要が無い。 twitterなどは今反応を得るならAIの話をするしか無いみたいな感じになっていて、 話したい事を話し合える場にはなってない気がしていた。 お絵描き配信はお絵描きの話が出来て良い。 失われた昔のホームページに設置された掲示板のような、開かれてもいるけれどちょっと狭いコミュニティのようなのが一時的に出来るのが良い。

初心者がとりつくろえない良さ

ライブはそのままリアルタイムで配信されるので、実力より上手く見せようとする余地が無い。 これは初心者が絵を描くのに、とても良い性質に思う。

初心者は、自分の絵の出来があまりのも酷いので、公開するものは取り繕いたい、という強い衝動にかられる。 だが取り繕うのは、時間の割には大した成果は無い。 下手が取り繕っても結局下手だ。 楽しい作業でも無い。 しかもどんどん変になっていくと途中で投げ出す事になる。 そもそも取り繕えるなら最初からそれなりに上手く描ける。 初心者は取り繕えないが、それに気付くか気付かずに出せるかの違いしか無い。

しかも偶然ちょっとマシなものが描けてしまうと、それよりも酷いものを公開したくなくなる、という問題もある。 少しはなれて見れば、ちょっとマシと思うものも大差なく下手なんだが、 初心者はなかなかそうは思えない。 だからどんどん公開出来なくなっていく。

理屈では結局下手なんだから気にせず出していけばいいのは分かるのだが、なかなか衝動に任せて行動していると難しい

だがライブは描く前には出来が分からず、出来たものがいまいちでもそれを公開しない、という事が出来無い。 だから取り繕えない。 しかもライブを始める前には出来がわからないので、 そんなに覚悟とか下手なものを公開する胆力とかが必要無い。 初心者でも絵を描く事を発信しやすいと思う。

しかもそうして公開したものを後から見ると、取り繕ったものとくらべて、それほど悪いものでも無い、と思ったりもする。 そういう経験を繰り返すと、普段から取り繕わない事を学習出来る気もする。

ライブは集中して練習しやすい

喋りながらというのは集中できないのでは?とも思うかもしれないし、もちろん凄く集中は出来無い。

だが絵の初心者が絵を描く時の集中出来無いというのはそういうレベルでは無い。 5分くらい作業するとtwitter見たくなったりyoutubeの動画見たくなったりする、というような集中出来無いっぷりだ。

だが、ライブは当たり前だが、途中でtwitter見たり動画みたりは出来無い。 ちゃんと1時間絵を描いていられるし、別に辛くも無い。 気付くと1時間経ってた、という感じだ。

録画ボタンを押すのは、ポモドーロ法的な良さもある。 これからやるぞ、というコミットになる。これも集中しやすい。

1時間絵を練習しようと思っても全然続かないが、ライブなら続けられそう!

「【書籍】イラストをそれっぽく描くコツ」が良い

【書籍】イラストをそれっぽく描くコツという書籍が優れている、というのもある。

amazon: イラストをそれっぽく描くコツ

この本は本当に良く描けた本だなぁ、と感心する。

作例が優れている

作例がどれも、簡単に描けそうなのに見栄えがするのが多く、 しかもバラエティに富んでいる。

簡単に描けそうで見栄えがするのは皆同じような角度の同じような絵になりがちなのだが、 この本は本当にそうした単調さを感じさせない。 しかもその割には簡単に描けそう。

しかも対象の選択が良くて、「自分もこんなの描いてみたい!」と思わせるようなのが多い。 縦ロールとかツンツン髪とか。

これは著者が普段からコスパ良さそうで見栄えするが同じ感じじゃ無い絵、 みたいなのをいつも描こうとして、そういう長年の蓄積の成果なんじゃないかなぁ、と思う。 この本の一番の良い所は、それっぽい作例がたくさんある、という事なんじゃないか。

様々なテーマが良い

やるべき事をテーマとして提示していて、それがたくさんある。 どれも左にテーマ、右に描き方、で統一されていて、それ単体である程度閉じている。

テーマが分かりやすいので、今「これをやるぞ!」というのが分かりやすくて取り組みやすい。 しかもテーマが好みじゃなければ「これはスキップするかな」と自分で判断出来る。 やってる最中に何をしたらいいか途方に暮れた時も、 「今回のテーマはXXだからXXだけはちゃんとやろう」と思えるし、 結果の評価でも「全体としてはいまいちだがXXはそれっぽく描けたか?」と考えられる。

また、テーマで独立しているので、あとで自分でそういうのを描きたい、 と思った時にも該当のページを見直しやすいのもいい。

このテーマがいかにも、って感じの素人の自分が描きたくなるようなものが集っていて、 やる気になる。

テーマも分量的に大き過ぎず、30分もかからずに描ける程度なのも良い。 これだけシンプルなのにこれだけ様々なテーマを提示出来ているのは、良く工夫された本だなぁ、と思う。

3つのコツが良い

それぞれのテーマを3つのコツ、とするのも良い。

3つくらいなら気をつけられるし、このコツも機械的に守りやすく考えられている。 初心者でも守れそうなコツになっている事が多い(たまにそうでないのもあるが)。

このコツを真似ても必ず良くなる訳ではないが、 「思ったよりは」良い出来になる事も多い。 「こんなの無理だよ!」と思って描いていくと、 出来上がったのを見て「あれ?思ったよりもそれっぽいか?」と思える事がちょくちょくある。 この良い方の驚きは初心者が絵を描く時にはなかなか味わえないものなので、 これを体験させられるのは凄い良い本だな、と思う。

この良い方の驚きは3つのコツだけじゃなくて作例のコスパの良さというか簡単な割に見栄えするという性質ともセットになっている気がする。

また、出来がいまいちな時も3つのコツを守っていれば、 「コツはちゃんと守れた」と、ある程度の成功体験が得られる。

しかも3つのコツを守れているかを定期的に考えながら描くと、何をやったらいいか途方に暮れる事も少ない。 コツを実現していくとそれなりに白紙が埋まっていって、そこにちょっと作例を見ながら付け足すと完成になる。 この途方に暮れない感じも取り組みやすい。

しかも3つのコツはどれも短いので、すぐに読み終わる。 あらかじめ読んでから、あらためて練習の時間を取る必要がなく、 描くぞ!と始めた時の最初のちょっとの時間で読み終わる量なので、 いつも描く練習だけで進められる。

うまく描くコツではなく「それっぽく描くコツ」なのがいい

それっぽい、というのは、かなり主観が入る余地がある。 そこで描いたものの出来と自身の思い込みの共同作業で「それっぽい」と思える部分がある。

「上手い」だと、思い込みで乗り切るのが難しい。主観に影響される要素はあれど、 どうみても上手くないものを上手いと思い込むのは単に現実逃避になってしまう。

でもそれっぽいかどうかはかなり主観に依る部分があるので、 「いや、俺は結構それっぽいと思うよ?」と思うのは、現実逃避というだけの問題では無い。 どれくらい酷くてもそれっぽく思えるかはかなりの個人差があ。 下手なものを上手いと思うのは「間違った」判断だが、 酷いものをそれっぽいと思うのは「間違い」では無い。

実際出来上がるのも、それっぽいかどうか微妙なくらいの出来になる事が多く、 「それっぽい…ような?いや、どうだろう?微妙?」みたいな感じになる事もしばしば。 なのでどちらと思うかという判断は意外と頻繁に迫られる。

人に見せた時もそれっぽいかどうかを語りあうのは、 上手いかどうかを語りあうよりも楽しい。 相手としても上手くない、と言うよりはそれっぽくない、という方が抵抗も無いだろう。

お絵描き練習ライブ+それっぽく描くコツの組合せが最強かも

という事でそれっぽく描くコツとライブの組合せが良いのかもしれない。 絵を描いて配信するの、楽しい。 絵を描くアクティビティで楽しいと思ってやっていけるものに初めて出会えた。