昨今のLLMに見る、先行者利益で逃げ切るための時間猶予
NEXでの暇つぶしのためのポスト。
2025年2月現在、LLMの勝者がどこになるかは良く分からないが、 Googleでは無さそうだな、という気はしている。 でも初期の頃はそんな気もしてなかった気もする。 OpenAIとかいう所がすごいのを出したけれど、 それに対抗してすぐにGoogleも似たようなのを出してきて、 最後にはGoogleが勝つんじゃないか?と思っていた。 なにか新しい事をやっても、 結局今の大きい所に体力で負けちゃって駄目なんでしょ? という諦めのような気持ちでもある。 けれど、そういう思いは今はもう無い。 次の勝者が誰かは分からないし、 ひょっとしたらGoogleがここから巻き返す事もあるかもしれないが、 少なくとも大手がどうせ勝つ勝負、という感じには全く思えない状態までにはなった。
LLM自体の事は良く知らないが、こういう事はこれまでのTechの歴史で何度もあった事だ。 自分が良く思い浮かぶのはWindows Mobile 7。 スマホの次の時代は、結局Microsoftが勝つんじゃないか? と思っていた時から、もうMSは無いな、と思うようになった。 あれと似ていると思う。
こういうのは、挑戦側から見ると勇気づけられるというか、 自分もやってやるぜ!という気持ちになる出来事だ。 劉邦の「まさにかくの如くあるべし」という奴だ。 そういう参考にするという視点で、 今回のLLMの勝負というのを簡単に振り返っておきたい。
ChatGPTは2022年11月30日公開。 Bard(Gemini)は2023年3月公開、2024年2月8日にGeminiになっている。
Bardが出るまでは4ヶ月くらい。何かを出して、急遽大手が対抗してきて出てくる時間としては、4ヶ月は結構早い方と言えると思う。 まぁ3〜4ヶ月は掛かるよなぁ。 ただ出したあとにどんどんすぐ追いつていく、というのは難しい。 Geminiが出てきた2024年2月の時点では、 それを試した時には結構失望が広がっていて、 もうどうせGoogleが勝つんでしょ?という感じは無くなっていたと思う。 ただその後改善が進んで、初期のChatGPTよりは良いかな、くらいにはなっている。 2022年の12月からもしOpenAIが何もしなかったとしたら、1.5年くらいで似たようなものは出してくるという気がする。
2024年の9月にo1を発表して12月にフルバージョンが公開とある。 この辺でもうGoogleはついていけなさそうだな、という感じが明確になった気がする。 2022年の12月から数えて2年。 最初に大きなインパクトのあるものを出してから、2年くらいでだいたい勝負が決まりそうだ。
最初にすごいものをなにか出すと、大手は最初4ヶ月くらいでそれに対応したものを出すが、 そんなに簡単なものでなければこの時点ではそれを大きく超えてくる事は出来ない。 1.5年くらいは先行者利益が続く。 そして1.5年くらい掛けてようやく最初のものよりよいなにかを出して来る。 先行者利益を持っている側は、 2年目くらいまでに最初のすごいのから明確にもっとすごいものを出す事で、 大手が真似てきたものに「今更そんなのやってるの?」という印象を皆に与える事に成功して、 勝負が決した感じになる。
先行者利益の猶予は1.5年くらい、 一発屋として終わらないためには1.5年〜2年の間に大きくそこから前に進んだものを出せば良い。