親の加齢と40代独身が意外と良い話
自分は40代で独身なのだが、なる前に思っていたよりも良い気がしている。 なる前はあまり理解出来ていなかった、親の加齢との関わりなどを軽く書いてみたい。
あまり以前は考えていなかった、独身で良かったと思う要素に、親の加齢がある。 40代くらいになると人によっては親は亡くなっていて、人によってはまだ生きている、くらいの状態になっていると思う。 うちは幸いまだ元気に生きている。 だが60代と70代前半では健康面ではだいぶ変わるし、70代後半ではさらに変わっていく。
こうした、老いてはいくがすぐに亡くなる訳でも無い時間というのはそれなりに長い場合がある。うちはそうだ。 そしてそういう家庭は、周りを見ていてもそれなりにありそう。 親との関係がそれなりに上手くいっているのであれば、 大切な家族が老いて行くというのは、人生において重要な出来事であって、 そうした時間を一緒に過ごして老いをともに悲しんだり、その中で日々の喜びをともに喜んだり、手がかかる時には手伝ったり、 といった事は、なかなか大切で良い時間の過ごし方と思える。これは40代になるまではあまり考えていなかった事だ。
40代では仕事でもそれなりの成果はもう出して、出せていない成果に対してもある程度は自分の人生の結果として受け入れられる時期に思う。 そうして生まれた自由な時間やお金のいくらかは、親の人生の終盤をともに過ごす事に使ってやってもいいか、 という気になる。そう思って日々を過ごしていて、これはかなりうまく行っているように思う。
自分の周りを見回しても、親の人生の終盤を一緒に過ごしていた独身の人たち、というのは、一定数以前から居た事に気づく。 そして現在も一定数居る。 そうした人たちの気持ちというのが、今なら良くわかる。 うまく行っているケースもあればうまく行ってないケースもあるが、 うまく行っているケースがどういうものか、というのをあまりうまく想像出来ていなかったように思う。 うまく行っている場合は、結構いいものだな、と、今は思う。 斜陽の味わいのようなものがあるというか。40代の人生という感じがする。
こうした時期に、結婚して子育てをしている家庭では、 皆口を揃えて親との時間を犠牲にして嫁や子供との時間を過ごす事の残念さについて語っている。 それは悪い事とは思わないのだけれど、以前思っていたほど立派な事でも無いよなぁ、とも思う。 単なる好みの問題で選択の問題であって、 どっちが偉いとか立派だとかいう問題でも無い。 それは前からそう思っていたのだけれど、 親の加齢にどう立ち会うかという設定で改めて見ると、だいぶ見え方の印象も変わった。 この辺は親への愛着などに個人差があるので、本当に心から選択の問題だな、と感じる。 独身と子育ての30代くらいの比較は割とイメージはしやすいが、40代くらいの比較はあまり出来ていなかった気もする。
独身というのは自由だけど寂しいものだというイメージがあったけれど、 今家の中にともに住む誰かが居たら、こうやって親と過ごすのに時間を自由に使う事は出来なかっただろうな、と思うし、 そこには煩わしさというか、時間の自由が効かない弊害が、30代よりも大きくなっているようにも思う。 若い頃にイメージしていた40代の独身というのは、自由ではあるがやることが無いようなイメージを持っていたが、 時間の必要性は親の加齢によってより大きくなっている部分もあるなぁ、となってみて思うようになった。 それが足りない事で切り捨てられるものは、かつて40代の独身と家庭持ちをイメージしていた時には無かった要素に思う。
20代や30代の前半に親の老後に一緒に時間を過ごしてやろうなどとはあまり思っていなかったし、 そのために独身でいておいてやろうという気も全くしていなかった。 だからそれを想定して人生設計をすべきとはあまり思わない。 ただ40代にもいろいろと考えていなかった事が起きたりはするので、時間などが自由なのはメリットが大きいものだな、とは思う。 20代や30代の前半に40代の時間の自由のかなりを消費する、という決定をしてしまうデメリットは、もうちょっと重く捉えられるべきだよなぁ。
40代の独身、若い頃思ってたよりもいい事多いよ。