以前途中で期限が来てcloseしてしまった728xの分子生物学のコースが1月18日から再オープンしていて、続きから始めている。 その近況など。

全7 Unitのうち、さきほどUnit 3のHistone Modificationsのあたりが終わった。 前回ここの入り口くらいで期限が来てしまっていたので、まだ1 Unit目なのに10日も過ぎてしまっている。 3/8にcloseしてしまうらしいので残りは5.5週間くらい?4Unit残っているのだから間に合ってない…

ただUnit 4からは無料アカウントでは試験が受けられなくなるので、 その分を思うとギリギリ間に合わないくらいか?少し頑張れば間に合わせられる…といいな。

最低ラインとしては、あと2 Unit終えればtranscriptionが終わるので、残り2 Unitは次回開講時にやるという事も可能かもしれない。 ただあんまり開けると最初の方忘れるから、出来たら終わらせたいなぁ、という気持ちはある。頑張ろう。

このコース、self pacedなコースのくせに期限がやけに厳しい。 というか1 Unit 5日でdueが来るんだが、仕事やってなくて全部これにコミットしててギリギリ、くらいのペースだよ…

内容的にはPart 2は転写とTranspositionとなっている。後者は良く知らないが、転写に関してはかなり研究の最先端に近い所までやっているように思う。 参考文献も2015年くらいの論文が多い。

真核生物の転写というのは、考えてみるとどうなっているのかかなり難しそうに思える。クロマチンになっているとそもそもDNAの配列をTFが識別するためのアクセスが出来なさそうに見える。 それをヌクレオソームとかその構成要素であるヒストンなどをどう動かすかとか見ていく。 この辺のメカニズムを化学のレベルで理解する、というのは、 コンピュータをNANDで理解するような解像度に似ている。 それができればすべてを理解したと言えるんだろうけれど、まぁまだ数十年は掛かる試みだろう。

けれど、転写というのをこういうレベルで理解しようとすると、これまでいまいち良く分かってなかったプロモーターとかTranscription Factorとかが具体的にどういうものかがもうちょっとイメージが湧くようになるし、 DNAからタンパク質への合成が、より化学的なレベルで理解出来る事が一気に増える。 DNAの複製などにくらべてgene単位で制御されるのでより複雑な制御となるので、理解はより困難だけれど、理解できればより多くの生物現象に関わる事になる。 各Unitの試験を見ても、製薬や病気にもこういうレベルで理解できるものは多くあり、 逆にこれより深く理解しても応用的には意味が無いのがほぼ明らかなので、 近い将来の医療の理解に必要な基礎はマスターしつつあるんじゃないか、という気分になる。 (現実はこのレベルで理解出来ない事の方がずっと多いので、もっと曖昧で浅い理解の所に多くの知るべき事があるんだろうが)

この分子生物学のコースはいかにも大学院レベルのコースという感じで、生物系の専攻でもこっち系の専門以外の人は知らなくていいだろうな、という内容が多い。 実際、自分も必要無い気がする。 だが、2015年くらいの論文が理解出来るようになるので、ちゃんと理解出来る対象が一気に広がるとは思う。 具体的にはこういうのがわかるようになる。

H3K4 monomethylation dictates nucleosome dynamics and chromatin remodeling at stress-responsive genes - PubMed

MNase nucleosome mappingとかさっき試験でやったぜ、みたいな感じでグラフの内容も解釈出来たりする。 こういう研究は世界中でいろんな領域に対して行われていて、その結果をすべて知る事は無いんだろうけれど、 何か興味を持った事に関してここまで深堀り出来る、というのは、学問として何かを修めつつある気はする。