今日は728xのPart2, Week2 の試験を解いていたのだが、この問題が素晴らしくて感動したのでブログに書いておく。

Week 2はバクテリアのTranscriptionについてのUnit。 そして試験の問題は結核菌のDarCについて調べていく、という問題。 DarCを抑制すれば繁殖を防げる、という事がわかったという設定から始まる。

最初はなんなのかさっぱりわかってないDarCだが、 まず複数の生物種でのシーケンスのalignmentで重要なアミノ酸に当たりをつけて、 Chip-seqでどこに結合しているか調べて何の役割を助けているのかを推測し、 最後にX線結晶解析で得られる絵とここまでの知識を組み合わせて、 分子生物学的なレベルでの働きを推測する。 この問題構成が見事で、まるで自分が重要な問題を明らかにしたかのような疑似体験が得られる。 生物学の偉人の物語を見ているような楽しさがある。

しかもそれらの結果を理解するのに、問題には書かれていない多くの背景知識が自然と生かされているのを実感出来て良い。 例えば-10 Elementのあたりに結合しているのが明らかになって、それとChip-seqの結果と合わせるとOpen Complex Formationを助けているのだろうな、 と推測出来たり、トリプトファンと塩基が相互作用して、一方でArgが負に帯電しているDNAを引っ剥がす事でOpen Complex Fomrationを助けるのだろうな、 とか、 試験の内容というか意義を理解するのに非常に多岐に渡る知識が必要になっていて、 それを理解出来る事にも感動がある。

こういう小問を続けていくと大問として大きなストーリーが明らかになる、 というのは、中学とか高校とかの理科の良問でも見られるものだが、 それのスケールが違う。 結核という割と大きな病気の病原菌について実際に研究者たちがやっているであろう事をダイジェストで見るようなもので、 この問題のような実験を通して得られた理解は実際に製薬などにも応用されるだろうし、 また類似のバクテリアについての理解にも応用されるだろうと自然に思われる。 なんというか、トップカンファレンスに通るような論文を書き得る成果なんだよな、 実際そうしたものを題材に作った問題なのだろうし。

なんか研究者RPGをプレイしているような楽しさがあって、感動が味わえる。 もちろん実際の研究はもっとずっと大変で、サラッとX線結晶解析してみると〜とか書いてあるが、 これが実際は年単位の話だったりとかはあるのだけれど。 でもそうした大きな絵を理解した上で個々の大変な実験に取り組む方が断然いいだろうし、 そういう点で今後研究者としてやっていく若者にとってもすごく良い問題と思う。

728x、めちゃくちゃ大変だけど、分子生物学の面白さをとても堪能出来るいいコースだと思う。