このブログには、幾つかブログ向きでないと思っている事が含まれている。 一番いまいちと思っているのが、自作のアプリについてのページ。 PngNoteとかTeFWikiとかについてだ。

この手のものは、だいたいアイデアとか考えている事をまず書いて、良さそうな気がしてきたら仕様的な事を書いて、 その後は開発記みたいなのが続いて、リリースするとそこで更新が終わる。

だが、その後も開発は続いていて、それらを置く場所にこまる。 だいたい大きめの新機能は別ページを後で足す訳だが、元のページにリンクを入れるのも面倒だし、新しい記事にする程でも無いものの更新には向かない。

他にも、その時点で結論が出ている訳でも無い事をちょっと書いて、それを見ながら考えを深めていく、みたいなのにも向かない。 例えばtwitterについての考え、みたいなのは定期的に書こうとしては記事の形にならずに公開せずに捨ててる、という事がある。 こういうのもWikiで書いてちょっとずつ深めていく方が多分向いている気がする。 今回のblog vs wiki的なのもいかにもWiki向きで、ブログでこの場で書き終えるのはまぁまぁ難しい話題にも思う。

Wikiの方が向いている事はあると思うので最近Wikiの一部を公開する仕組みを頑張って作っている訳だが、 一方で全部Wikiにすれば良い、とも思っていない。

という事で、ここではパーソナルなWikiとblogの比較を、ブログの視点から考えてみたい。

blogの方が消費するコンテンツとしての価値が高い

blogは書きやすさという点でWikiに劣る部分が多いと思うのだが、読む時の消費するコンテンツとしてはblogの方が良い事が多いと思う。

blogは一度公開したら基本的には変更されない(自分は良く変更しているが…)ため、読者としては、いつそれを読めば良いのかが良くわかる。 更新も読む単位としてまとまて降ってくる。 読み終わったあとはもう一度読む必要は無い。 だから降ってきたものを読むというメディアとして、blogの方がより消費に向いていると思う。

消費に向いている結果、他人に読んでもらいやすい。読んでもらうと反応がもらえる事もあり、この反応がもらえるというのは結構大切なblogのメリットに思う(もうちょっと反応してくれていいのよ?)。

RSSで読んでいくのに向いている、というのが量をさばきやすくしている。これも消費対象としてのメリットに思う。 20個のWikiをウォッチするのはちょっとつらいが、20人のブログをウォッチするのはそんな大変じゃない。

記事が時期と結びつくメリット、デメリット

blogは記事が自動的に時期と結びつく。これは読む側からするとメリットにもなる。

まず最近の事だけ知りたければ最近の数件を読めば良い。 WikiのRecent Changesも同じように使われる事はあるけれど、ページの一部が更新されただけというのも多く、最近のその人を知るのに良いとは限らない。 blogは今の時期を知りたければこの辺まで読めば良い、というのが分かりやすい。

また、過去の記事にあたった時にも同じような事が言える。 当時の前後にどんな事を書いていたのか、を見る事が出来るし、そのあと最新の付近ではどんな事言っているのかな?と少し読めばそのブログとかその人について、 大雑把な印象というかRSSをサブスクライブするかどうかを判断する程度の把握が出来る。

読み直す時にも時期の情報が自然とわかるので良い。 スマホが壊れた時に、これ買ったのいつだっけ?とか調べたりしやすい。 過去の自分の記事にぶつかった時に当時なにやってたんだっけ?とか調べるのも前後見るだけで良い。

逆に言うと時期に結びつく必要が無い、むしろ時期と離れた事には向かないとも言える。 継続的に続く関心とか。 長く続くアプリの開発とか、長く繰り返し考えていきたい事などとか。

流れていくというメリット

書いたものが流れていって後から治しにくいというのがブログのデメリットでもあり、メリットでもある。 そのうち、流れていくという事はWikiになくてブログにある事という風にも思う。

ブログは一度書き上げると、書いた物があまり目につかない。特に一定期間経てばまったく目につかなくなる。 だからくだらない事を書く抵抗が少ない。 同じ事を何度も書いても書いた側は気にならない(読んだ側は意外と気になるが)。 流れていく、というのは、くだらない事とかどうでも良い事を書きやすいというメリットがある。

Wikiは書いた物が後まで目につく。 もちろん目につかないようにホームの近辺を整理したりは出来るししていくが、 残したい訳では無いような事を気軽に書くという点ではブログは良い。 残したくないものをなんで書きたいのか?という話はあるが、日記とかは本質的にそういう部分があるよなぁ。

ただ、ブログは記事としてまとまりが必要なので、 本当になんでも無い、二行くらいのなにか、とかはうまく書けない。 これは自分は「9月下旬の雑記」とかみたいなエントリを用意してそこに突っ込む事で代用しているが、 そういう所に書いたものはだんだんとまとまってなにかに至るという事があまり無い。

一方でWikiは最初は一行とかから始まるのが普通で、そういうものを気軽に書いておける。 完成までたどり着けない考えを置いておく事が出来て、それを時間をかけて発展させていける。 だから短くて形の無いなにかを書くのはブログよりもかえって書きやすいという部分はある。

一月くらいで更新が終わるものはblog向き

ブログ向きなものとWiki向きなものは大きく分かれるものも多いが、間くらいに位置するものをどっちに置くかという事を考えてみる。

ブログ向きなのは、更新が短期間で終わるものに思う。 終わる事で読者は読むタイミングも得られる。 終わった事でそのタイミングが時系列に紐づくのも自然で意味がある。

逆に二ヶ月、三ヶ月以上あとにもちょこちょこ更新が続くのはあまりブログ向きでは無い。 例えばイタリア語の勉強、みたいなものは数年単位で続くものなので、各教材の感想とかはブログで良くても、イタリア語の学習自体はWikiの方が良い気がする。 アプリの開発も長く続くのはWiki向きだよなぁ、と思う。

一般的にはコースのノートはブログ向きと思うのだけれど、edXのThe secret of lifeのように三ヶ月くらいに渡って受け続けるコースの場合はブログはちょっとどうかなぁ、と思う。 あと大学生物学の教科書、のように、何度か読み直しているものもWiki向きに思う。 読み直す都度ちょっと書き足したりしたい。

関連リンク: RandomThoughts/Wikiとノート