5月末で今回の仕事は一旦終えて、6月から無職になることに。

もともと去年の3月から一年程度でiPad向けのアプリを作りたい、ということで受けた話だったが、14ヶ月たった現在でも開発が始まっていない。 このまま行くと当初考えていた期間よりもずっと長いこと働き続けることになりそうだが、その準備はこちらには出来ていないという事で、一旦撤退して仕切り直す事にした。

現在は、自分の側としてはプロジェクトが立ち上がって、ちゃんと開発が出来そうと確認できたら再び合流しても良いとは思っている。 一方でプロジェクト側としては、客観的に見て14ヶ月立ち上がらなかった物が今後は予定通りに立ち上がる、というのはそれなりに疑わしいと思っている。 そういう訳で、自分の今後としては一旦は白紙に戻ったと思って違う事をやっていこうと考えている。向こうとしても立ち上がらなかった時に責任は取れないだろうからこれは仕方ない。

という事で退職エントリという訳では無いが、一旦ここで仕事の総括として、振り返り。

仕事の成果は、現時点ではまったく期待したレベルに無い

今回の仕事は、やった事が世の中に大きなインパクトを与えるのを期待して受けたが、そもそもリリースしてないので全くインパクトは無い。 それどころか立ち上がってもいない。

そういう訳で一番重視していた仕事の成果に関しては、現時点では全く期待ハズレな結果になっている。

今後に開発がちゃんと立ち上がって大成功する可能性はあるしそうなって欲しいけれど、現時点では成果のインパクトはゼロと言って良く、 当初は今くらいの時期に結果が出るか、または少しあとくらいには結果が出るくらいを期待していたので、 まだまだ先が見えないというのは予想よりも残念な結果と思う。

当初の期待と違った所

予想外だった事のうち、一番大きいのが、思ったより組んだ会社が大きくなかった、という事だと思う。 運営しているサービス自体は知っている物で結構使われているものだったので、それを元に中の技術力とか状態を予想していたのだが、 この表に出ているサービスから予想されるよりも、会社規模が1/5くらい小さかった。

小さい規模で大きなサービスをやっているのだから、会社としては素晴らしい。 ただ今回のように、メインのサービスと違うなにかを立ち上げよう、という時には、 組織としての成熟度というか、バックアップ体制というか、社内の開発リソースは、想定していたよりも全然少なかった。

自分の行動にはあまり反省すべきところは無い

さて、自分の行動として反省すべき事はあるだろうか?

会社の規模くらい仕事を始める前に確認しようと思えば簡単に確認出来たはずだけど、 たくさんある確認すべき事の中でそれをやるのは費用対効果としてはあまり高くない気もする。 表に出ているサービスから社内の開発能力を予想したらそれがハズレていた訳だが、これは行動自体は間違っていなかったと思うし、 予想になにか反省すべき所も無いように思う。

気づくのが遅れたのはCovid-19のせいでオフィスにあまり行かなかったせいと思うが、これもまぁ間違った判断という気もしない。 少し撤退の判断が遅れても、オフィスに行かない方が良い判断だっただろう。

そういう訳で、予想外の事はあって、そのせいで結果は期待してない残念な物になったが、 それ自体はまぁチャレンジした時のリスクという範囲に思う。

普段ならもっと早く撤退したい所だが、去年はまぁ他にもっと有意義に時間が使えた、という気もしないし、 Covid-19の流行は不幸な事でしたね、という事だけな気がする。

書いたコードの満足度は高い

悪い事ばかり挙げてきたが、思ったより良かった事としては、結構良いコードが書けた、というのがある。 ちゃんとリリースまで行ってなくて、まだまだやらなくてはいけない事がある状態なので暫定的な評価とならざるをえないが。

思ったよりも一人で大きな事がやれたし、これまでのプログラマ人生の中では一番凄い物を作っているんじゃないか。 そう言えるような物を作るのは、良い仕事だな、とは思っている。 リリースまでにはまだ解決しなくてはいけない難しい問題が幾つもあるので現時点では作ったとは言えない段階だが、 これは途中経過なので仕方ない。

ここ最近は機械学習とかの仕事が多かったので、今回のようにがっつりコーティングの仕事というのは随分久しぶりだ。 しかもC++はたくさんコードを書かないといけない言語なので、こんなにコードを書いたのは久しぶりだ、というくらいたくさん書いた。 久しぶりに自分が得意な仕事をして、そういえばこういうの得意だったな、という気分になったし、 ここ数年のいろんなコード読みなどの蓄積もあって以前よりも実力が上がっている気もした。 がっつりコード書く仕事、ずっとやってると同じ事の繰り返しという気がして意義を感じなくなるが、たまにやるといいね。

定期的に自分に何が出来るのか、というのを確認するような、ポテンシャル一杯の物にチャレンジするのは良い事に思った。今後もたまにやっていきたい。

自分が書いた物に関しては、当初この仕事でやろうと思っていたような物が書けているんじゃないか、と思う。

やっている事にも意義を感じるし、作っている物自体は期待に沿う物だったと思う。

労働環境は思ったより良かった

当初めちゃ壁薄いシェアハウスでzoomミーティングに出たら隣室から苦情が来た結果、全ミーティングに出なくなった。 これはミーティングが非常に無駄の多い運営だったのでとても良かった。 あれに全部出ろと言われていたら、きっともっと早く辞めていたと思う。 ミーティングを改善したり不要なミーティングをなくすのが正しいのだろうが、いまさらそんな仕事はしたくないので自分が被害を受けなければ良い。

割と旧態依然とした日本企業という感じのダメな部分のあるプロジェクト運営だったのだが、 恐れていたよりはそういった被害を受けずに済んだ。

詳細は省くが組んだ会社と自分を雇用してた自分たち側の会社の2つがあって、 雇用主の会社は割と自由にやらせてくれた。小さい会社の良さが出ていたと思う。 作ろうとするものも結構無茶なチャレンジだったと思うが、 失敗するリスクを割と積極的に取る意欲を見せてくれて、仕事を受ける相手としてはなかなか良かったと思う。

フルリモート+60%稼働という組み合わせも良かった。これは労働のストレスを1/10くらいにしていた気がする。 60%稼働の分給料は下がる訳だが、ストレス軽減効果の方がずっと大きいし、資産形成が終わっている現在ならもうこの位でもいいかもな、という気はした。 下がるといってもそれなりの額で、あると無いとでは大違いだね。 次回もこんな感じで行きたい。

何年も働き続けるのは辛いので、こんな感じで6ヶ月〜12ヶ月程度の労働をするのが良い気がする。

懸念だった家での労働も環境を整えたら割と適応した。 むしろサーフィン行ったり起きた時間に合わせて労働開始の時間を自由にずらせるメリットの方が大きかった。 あと無駄なミーティングをサボれるのもいい。 今後はフルリモートでもいいかもなぁ。

総合評価: 失敗はしたが、Covid-19だった事を思えばこんなもんか

最重要目標をまったく達成出来ていないという点で失敗したとは思っているが、 やってみるに値する挑戦にはなっていたと思う。

普段だったら半年くらいで撤退すべきところをこんなに続けてしまって人生を無駄にした、 と思う所だが、 今回はCovid-19だったからなぁ。 あんまり「もっと早く辞めていたらもっと有意義な事が出来た」という気もしない。

むしろ無職でニュースに張り付いて予想よりもひどくなっていくのを見て憂鬱な気持ちになるくらいなら、 働いていた方が結果としては有意義だったようにも思う。

という事で撤退タイミングも、今回に関してはそんなに悪くなかった気がする。

全体として、今回のお仕事は素晴らしい結果では無いがまぁこんなもんか、という感じかな。

次はもうちょっといい勝負したいもんだ。