反応的な話

Re: 語学の入門における語彙力とAnkiDroidについて

どうもです。(久しぶりにweb日記的なやりとりするなぁ)

一生さんは片っ端から入力してAnkiDroidにフィルタリングを任せるスタイルという事ですね。 そっちの方がいいのかなぁ。 確かに入力する単語に悩むのは無駄な気はしている。

単語帳の入力、1000とか2000とかを全部手で入れるんですかね。それは結構入力の手間が大きい気もしますが。入力のコストは割りに合っている感じですか? 学習時間を一定とすると入力の時間というのも結構馬鹿にならない気がしているのですが。 ただ入力出来てしまえばスキマ時間で出来るので元は取れるのかも? 2000語の単語一冊入力って何時間くらい掛かるものなんですかね?

あと、短文を入れるのは良さそうですね。自分も単語単体での意味がわかりにくいものは短文にしようかなぁ。 ついでに両面にするのもやってみるかなぁ。

全部両面にするんじゃなくて、やってみて「これは両方にした方がいいな」と感じたものだけをアドホックに両面にしてみるかなぁ。

例文も全部例文として入力するんじゃなくて、やっていて単語単体ではコンテキストがわかりにくいなぁ、と感じるものを中心に例文に変えてみよう。

入力のコストといつまで勉強するか

たぶんAnkiDroidの入力を考える上で重要になる要素の一つとして、入力のコスト、というのがある気がする。 入力時間というのは勉強時間を消費している訳で、ちょうど良いバランスというのがあるはず。

概念的には経済学で言う所の固定費と変動費みたいに考えた時に、入力は固定費になっている。 勉強期間を凄く長く取ると単位時間あたりの固定費は無視出来るようになっていくので、 凄く長く勉強を続ける、というのが間違い無いなら、ひたすら入力するのも元が(ある程度は)とれる。

一方で、挫折をしたり、時間切れになったり、十分なレベルに到達したり、という要素を考慮すると、この期間というのはある程度の短さで考える必要がある。

ここは現地に赴任してかなりの期間その言葉を使う事が確定している一生さんと、 大した理由もなく単なる興味でやってていつ挫折するかも分からないし旅行した時にそれなりに喋れたらもういい、と思ってる自分とで、結構違う所に思う。

自分のようにべつだん必要に迫られていない状態で勉強する場合、一番最初のちょっとやる気ある状態でどこまで使えるようになるか、というのがその後学習が続くかの一つの大きな分かれ目になっている気がする。 だいたい一ヶ月くらいである程度の手応えが無いと厳しい。

その場合、さいしょの一ヶ月の勉強時間のうち、全部をAnkiDroidの入力に使ったら、間違いなくダメな訳だ。 さいしょの一ヶ月は30〜50単語程度の入力をする、くらいが精一杯じゃないかなぁ。 他の学習の最中にちょろっと入力する、くらいはそんなに追加コストという感じ無く出来るので。 何度も突き当たって毎回辞書引くのをサボれる、くらいに使いたい気がする。

一方である程度手応えを感じて、初級と中級の壁に当たるくらいになると、 それなりに足踏みするのは避けられないので、そういう時は3ヶ月くらいは視野に入れられると思う。

現在自分はちょうどこの入門と中級の間の壁にぶつかっている所なので、三ヶ月くらいの期間を前提にこれを超えるというのは考えられる。 だいたい教材3つくらいをやって乗り越えたい、みたいなイメージだ。一つ一ヶ月とすると三ヶ月くらいになる。

その前提で最初にぶわーっと入力して元が取れそうかつやる気を失って学習を辞めてしまわなさそう、という前提では、自分はどのくらい入力に掛けられるかな?

うーん、3日くらいは出来る気もする。一週間は無理かなぁ。 二週間くらいになると三ヶ月という期間に占める割合が多くなりすぎて元は取れないかなぁ。 そう考えると単語帳一冊くらいは入力出来るかもしれないが、二冊は無理そうかなぁ。

単語の勉強時間とリスニングや読解など他の勉強時間とのバランス

一生さんの2期の所では、一日1時間以上になっていて結構辛かったという話がある。 これは自分が、大量に入力する方針が不安に思ったポイントの一つでもある。

一日あたりどのくらい勉強するのか?というのとどのくらいAnkiDroidやるのか?というのは当然ながら関連がある。 AnkiDroidは単語なのか、というのは後述するとして、ここでは単語の勉強として見る。

一日一時間の勉強時間なら、単語を毎日一時間やるのはありえないのは明らかだ。単語以外なにも勉強出来なくなってしまうのだから。 AnkiDroidは普通の勉強時間とは別枠の暇つぶし時間として出来るというメリットはあるのだが、それでもある程度は勉強時間を消費する。 その消費した結果、他の事に割く時間は減っているはずだ。

語学学習の初期では、基本的な文章に慣れ親しむ時間というのが重要に思う。 良く使う前置詞や英語で言うところのbe動詞など、単純な意味として捉えるよりもたくさんの例からどういう感じか体に染み込ませるのが大切な単語とか、 語順とか主語の扱い、ジェルンディオ(英語で言う分詞構文)の頻度、 アクセントや発音や四声やアンシェヌマンなどの聞こえ方の慣れなど、 言語ごとに重要なポイントというのは違っていて、それはある程度数をこなして慣れる必要があると思う。

で、そういったその言語特有の基本的な事や良く使う慣用表現や言い回しや基礎文法などを慣らしていくのに、どうせある程度の時間を使う訳だが、 その過程でかなりの単語は覚える。それらの単語はAnkiDroidに入力したりAnkiDroidで勉強するのは無駄に思う。 限られた時間の配分としては、単語の勉強よりはそうした事に割く方が最初のうちは効率が良かろう。

AnkiDroidはいっぱい入力してしまうと、ある程度時間を割いてやらないと溜まってしまいそうだなぁ、と思っている。 それが他の勉強の時間を押し出してしまうリスクがあると思う。

一方でイタリア語などは特にそうだが、ちゃんと語注が充実している教材というのがかなり数が少ない、教材の選択肢が少ない言語がある。 マイナー言語ほどそういう傾向が強くて、スペイン語や中国語くらいまでのメジャー度なら十分のぞみのものが選べるが、 イタリア語あたりになってくるとかなり語注の充実した教材は減ってきて、十分に見つけられるとは言えない。

語注が充実してない教材で学習する場合、辞書を引く時間などが増えてきて、結局読解やリスニングの勉強時間が削られていく。 だからどこかで語彙力を上げる方が手っ取り早くなるし、分からない単語ばかりに当たるストレスも軽減されるので学習意欲という点でもAnkiDroidやってる方がいい、というふうになっていくタイミングもあると思う。

初級と中級の間の壁では語彙力増強は手っ取り早く効くので、初級が終わった所で増やすのがいいのかもなぁ。

自分は一日一時間も勉強してないので、AnkiDroid関連が一時間になったら続かないと思う。 バランス的には入門の頃は一日5分くらいがせいぜいかなぁ。 初級と中級の間の現在でも、15分は無理だなぁ、という気がする。10分くらいがいいかな。

何度も何度も引っかかる単語だけを入れるのが一番費用対効果は高いと思うのだが、これだけだと分量が少なすぎる。 出てきた単語全部入れるのは自分的には単語学習の割合が多くなりすぎて良くない気もする。 自分の場合は、この間あたりにちょうど良い分量があるかなぁ。

溜まってしまう問題

自分は半分は暇つぶしというか趣味として語学を勉強しているので、良くサボる。 サボる時期だと一週間のうち30分くらいしか勉強しない事もある(NHKのまいにちイタリア語を聞くだけ、みたいな感じになる)。 また、なろう小説にはまったりすると一週間くらいは一切なにもしない時期が出来てしまう(語学の学習に限らず生活維持に必須の事以外なにもやらない)。

毎日のノルマを多くしてしまうと、サボった時にすごい溜まってしまう。 溜まると学習意欲も削ぐしやる気を失う。

これ、電車通勤とか一日のうち必ずやる時間を取れるともうちょっと問題は少ないと思うのだが、 コロナ時代になって在宅になったせいで、表面化してきた問題にも思う。

逆に溜まるからこそサボらずにやれる、という側面もあるのだが、自分的にはちょっとくらいサボってもそれほどたまらず、 また少し溜まってもちょっと頑張れば終わるくらいの量にしておきたい。

自分的には頑張れば30分くらいはやっても良い気がする。 3日くらいサボった、とかならあまりたまらずに20分くらいにおさめて、一週間くらいサボっても30分くらいに収まって欲しい気はする。 この辺はカスタマイズで頑張れるのかしら?でもあんまそういうの頑張りたくも無いよなぁ。勝手によきにはからってくれんかなぁ。

隙間時間の活用とかゲーミフィケーション的な話

AnkiDroidの良い所としては、机の前に座ってやらなくて良い、というのはある。むしろtwitterとかに浪費している時間を吸収出来るのを期待したい。 こういう観点では、ここまでとは逆にある程度時間を消費出来て欲しい。

電車とか乗っていた頃だとホームの待ち時間とか電車乗ってる間に出来て良いのだが、最近はそういう時間が無くなったのだよねぇ。

あと、散歩の時に持ち歩くスマホは楽天miniで、AnkiDroidやってるスマホは家スマホたるGalaxyNoteなのだよな。 二台のスマホでのsyncとかやってないのだが、少し頑張った方がいいのかなぁ。 でもしょっちゅう入力しているからなぁ。

まだアカウント作ってないからsyncは試してないが、これは試した方がいいかもしれない。

AnkiDroidは、もともとは語学学習の時間じゃなかった時間を語学学習に向けられるという点で、必ずしも他の学習項目の時間を奪っているとは言い切れないのだよなぁ。 特にAnkiDroidに割く時間が少ない間はそういう傾向がある。

あと、暇つぶし的な楽しさがちょっとあるのだよな。ちょっとした時間を潰す為の数独とかマインスイーパー的な要素。 やることを考えずに言われた事に淡々と答えていくのは楽なんだよなぁ。 このやることを考えなくて良いから楽、というのは続きやすさという点で他の学習に比べて有利だよな。習慣化しやすいし。

AnkiDroidに入力されている単語が少なすぎると、そうした時間つぶしに使いづらいのだよな。あっという間に終わってしまって。 そういう点では少し溜まっているくらいがいいのかもしれない。 でもその手の隙間時間のランダム性が最近はすごい上がってしまったからなぁ。

あと、多くなってくるとそうした暇つぶし的な所から、ノルマ的な苦行になってしまう部分もあって、この境目がどのくらいかも難しいね。 カスタム学習がいまいちなんだよなぁ。 毎日やるのは5分くらい、たまに暇な時にそれを追加していける感じに出来るといいのだが。設定いじって出来るのかしら? 気まぐれにたくさんやりたいんだよなぁ、毎日じゃなくて。

例文にした場合の、単語学習以外の要素としてのAnkiDroid

ここまでAnkiDroidを単語学習として扱ってきたが、AnkiDroidは短文を入れる事も出来る。 こうすると、作文のための例文暗記や基礎構文の暗記に使える。 これらは単語の暗記ではない。

学習の初期の頃、基礎構文を暗記していくのは、文法のレベルを上げるのに効率が良い。 英語の時はくじら公式とか受験生は覚えていた訳で、あれと同じような話だよな。 仮定法みたいなの(イタリア語だと条件法)とかは、良く使うパターンで例文を暗記しておく方が手っ取り早いし、 語学はいくつか「理屈を考えるよりも覚えてしまう方が早い」という要素がある。

また良く使うパターンの例文をたくさん暗記しておくと、会話や作文の実力アップに大きく貢献する。 受験勉強と違って好きな事ばかりやってしまう趣味の語学学習だと、例文の暗記量は過小になりがちで、 いざ現地で会話する時に足かせになっている自覚がある。 AnkiDroidを使うと単語兼例文暗記を増やして、この現状を大きく改善出来る気はする。

ただ例文を入れるのは入力がかったるいんだよなぁ。

あと使われいてる文からいい感じに単体の例文を抜き出すのは結構難しい場合がある。一生さんもこの辺は工夫していそうだが。 辞書引いたりググったりして作る事は出来るのだが、そうした例文は勉強した教材との紐付けが切れてしまうので、 AnkiDroidの優位点のいくつかを失ってしまいがち。

とにかく、AnkiDroidを単純に単語の時間、としてしまうのも誤っているかもしれない。 基礎文法なら構文暗記してしまう方が良い。

復習としてのAnkiDroid

AnkiDroidは復習としても優秀に思う。 勉強した項目を復習するのはかったるいのだが、AnkiDroidをやっていると各課のトピックとかを思い出して、 そうするといろいろついでに思い出す。 これは単語以外の勉強の定着に大きく役に立つ気もする。 ノートを取るのと似た効果というか。

むしろ復習に当てる時間をAnkiDroidに一部割り当てて、もっとAnkiDroidやる時間を増やす方がいい可能性はある。

例文を入れるとこの復習としての要素はさらに高まると思う。 コンテキストも思い出すし、出てきた例文は後述するようにモチベーションも保ちやすい。

文法も例文暗記としてAnkiDroid化出来るし、 作文や読解のわかりにくい所を丸暗記したり、聞き取りにくい所を文字で丸暗記しつつ音も区間リピートで覚えてしまうと定着も良いと思う。 そういう訳で単語以外の項目の復習にもなっている気はする。

この復習の話と先の例文暗記的な要素をあわせて、もっと総合的な語学学習の中にAnkiDroidを位置づけるという事を考えるべきなのかもしれない。

見た事ある単語かとか使う機会があるかとか

前回もちょっと書いたが、単語の学習でモチベーションを保つのに、覚える単語を見た事あるかどうか、というのは結構重要に思う。 「あー、この単語前に見たな、なんだっけ?」という単語を覚えるのはやる気が出る。

また、覚えてすぐに使う機会があると単語学習のモチベーションを保ちやすい。「進○ゼミで見たヤツだ!」というヤツだ。 AnkiDroidで覚えた次の日に、読解の題材に出てきた、とか、リスニングで聞く題材に出てきた、とかいう経験があると、 やる気が増す。

学習した教材から単語を入力すると、基本的には見た事ある単語なので前半はクリア出来るから意義を感じやすいと思う。 また、教材を復讐する時に普段AnkiDroidで覚えた単語が出てくるので、後半の要素もクリア出来ている。 これが最初から単語が入っている類の教材と比較したAnkiDroidのメリットじゃないか。

これは例文つきの単語帳とかを片っ端から入力する、という場合の懸念の一つだった。 見たこと無い単語の例文でその後も使う事が無いものが多いとモチベーションは続かない。 また、例文を抜き出すのが難しくてググったりして別のソースから持ってくる場合の懸念でもある。

逆に、たくさん読んだり聞いたりする機会があるなら、覚えた単語は結構出てくる事が期待出来るので、 これまでに出てきた訳じゃない単語を入れておいてもそんなに問題にはならないかもしれない。 読解やリスニングで出会う為には、読解やリスニングの分量をこなしていないといけない。 これは読解やリスニングの速度などのレベルが高い方が期待出来るし、 読解やリスニングなどの勉強時間が多い方が期待出来る。 単語の勉強時間の割合が多いとこの応用で出会う確率を下げてしまうのが良くない気はしている。

あと、学習レベルに応じた単語というのもある。入門者ならだいたい出会う単語なら、 これまで見た事無いものでも少し勉強すれば出会う事が期待出来る。 一方で少し特殊な名詞や転スラのコミックスなどの入門書とは違う所からのソースで出てきた単語というのは、 ある程度のレベルになるまでもう一度出会う事は無いと思われる。 こうしたその時点でのレベルと違う単語があまり増えてしまうと、 普段ぽちぽちやってるAnkiDroidの単語がAnkiDroid以外では見かけない、という事態になってしまってやる気を失ってしまいそう。

実力に応じた単語ってあるよなぁ。 この辺、例えば英語の語彙力を増やす時にはちょっと語彙力のレベルが高いものを読んだりするよね。omo先生もNew York Timesとか読んでた気がする。

一方でそうした判断に悩む事自体がそれなりにストレスだし、どうせある程度学習段階が進めば全部覚えるのだろうから、 なにも考えずに全部入れてしまう、というのもありえる手段ではある。 一生さんは全部入れるという方針でも、割とすぐ出てくると言っているので案ずるより〜というヤツかもしれない。 でも同時に一生さんも言っているように、そこは現地に居て学習するから、という要素もあるよなぁ。 サボると一切の接点が無くなってしまう趣味学習者では、自然と出会うと期待出来ないかもしれず、 その場合は出会いが多くなるように仕組まないといけない。