イタリア語の勉強では、なるべく電子化されてない物は買わないようにしていたのだけれど、 どうしても初級と中級の間で量をこなすところでは手頃な電子化された教材が見つからず、紙の教材を買ってスキャンすることにした。

買ったのは以下。

一周目

一周目はテキストだけを見て音声はあまり聞かずに進めることにする。 単語のリストを軽く見て課文を見て、分からない単語などは単語リストに戻ったり和訳を見たりして調べていき、 課文の最後まで行ったらまた先頭から見る。 そして一度も和訳や単語のリストを見ずに課文の意味が分かったら次の課に進むことにする。

経験上、だいたい二回から三回読めばすらすら読めるようになる。 これは短期記憶で和訳や単語を覚えてしまうだけでパス出来てしまうので、ちゃんと覚えたという感じにはならないが、 一周目なんてそんなもんだろう。

AnkiDroidには気になった単語だけ入れるが基本は入れずに進む。

2020-07-26に一周目が終わった。

教材の雑感

内容的にはTOIECのリスニング問題とかにあるような、少し文を聞いて4択に答える、 みたいな形式の問題の、スクリプトと音声と単語リストがある、という感じ。 一課あたりは5〜6文程度で大した量じゃない。ただ結構課数はあるので、全体としてはそれなりの分量になる。 また、時制とか冠詞の短縮形などにちょっとした注がついていることがあり、地味に助かる。 自分は問題は気にせずスクリプトを読んで分からないことを潰す、という進め方をした。 後半にはこのリスニング以外に文法問題のセクションや長文読解のセクションもあるが、 細かい違いはあってもおおむね似たようなもの。

単語のリストは割としっかりついていて、ほとんど辞書無しで困らない。 また和訳も逐語訳的になっていて、単語のリストに無くても和訳から推測できる。この辺は「耳が喜ぶイタリア語」とはえらい違いで、 本来あるべき姿だよなぁ、と思う。

自分は入門と中級の間の、語彙を増やして文章を読む量を増やす、という目的のためにこの教材を選んだ。 この教材は一課あたりの長さが短く、意味のあるまとまった文章、という程中身があるわけでは無いが、 単なる短文よりは意味のある文章なのでモチベーションは続きやすい。 この短さが意外と良くて、やる気が出ない時でも一課だけはやろう、という気になる。 そのおかげで途中で飽きてやらなくなる、ということが少ない気がする。 長文読解の単語帳よりも低いレベルで取り組むことが出来て分量をこなせるので、こちらの方が入門と中級の間で苦しんでいる人にはいいかもしれない、と思った。

また、イタリア語検定をターゲットにしている副作用として、よくある入門書とは少し角度が違ったトピックが多いので、 新鮮な気持ちでやれる。もう「こんにちわ」みたいなのとか「〜〜出身です」みたいな対話は飽き飽き。 さらに検定なので、分かってないと理解しづらいように作ってある。前半で提案した内容を後半で否定したり、途中で話が変わったり。 そういうちょっとひねったことをちゃんと読解したり聞き取ったりするのは歯ごたえがあって良い。

また、単語帳と銘打ってるだけあって、多様な単語が出てくるように話題が選ばれている。 難度や分量の割にはいろんな単語にふれることが出来て、語彙を増やすのに良い。 一周終わった段階で、明らかに語彙力も増えて、イタリア語学習のyoutubeとか転スラの漫画とか読んだり聞いたりするのが、だいぶできるようになった。

ということで、非常に満足している。良い教材だね。電子化されてたら言うこと無しだったのになぁ。

2周目

2周目は、最初から課文を見る。分からないところは訳や語注などを見て読んでいく。

二周目は習得度よりも読む量を重視してどんどん読んでいく事に。 単語の勉強というよりは読解の勉強として、一日にたくさんの文を読むのを目的に読んでいく。 語注や逐語訳のおかげで割とスラスラ読んでいける。

2020-08-01頃に二周目が終わる。読解の教材としてなかなか優秀だった。

3周目

3周目も最初から課文を読んでいく。分からない単語は基本的にはAnkiDroidに入れていく。 ただ前後から分かっちゃう場合は入れない事もある。あんまり増えすぎるとAnkiDroidが苦痛になりそうなので。

本当は音声を聞いて行く方がいいんだろうが、面倒なので三周目も手抜きで読むだけ。

2020-08-03開始。

2020-08-06終了。

やはりAnkiDroidに入れてやるとしっかり覚えるね。 しかも単語を覚えるとそれに紐付いてその課文がなんとなく頭にのこるので読解やリスニングにも好影響。 寝る前に音声を聞きながら寝る事があるが、結構聴き取れている気がする。

三周目だとスラスラ読めるのでかなり読解の量をこなす練習になっていて、読むのにもだいぶ慣れてきた。 初心者向けの読解の教材としてかなり良いね。

4周目

4周目は音声を聞いて行こう。 といってもなかなか音声が早い上に4周目でそろそろ飽きてきたので、軽くやって終わりにしたい。 いつもなら音声だけで復習出来る所までやるのだが、今回はそこまではいいかなぁ。

スクリプトを見ながら音声を聞いていって、ついていけない所を何回か聞き直して慣らす、くらいにしよう。

2020-08-07開始。

2020-08-10終了。

全体を振り返って

素晴らしい教材だった。分量が多く、けっこう語彙力がついた。 また、一回あたりの分量が手頃で、訳や語注も多いので初心者以上中級者未満で困っている人たちにちょうど良い教材になっている。

スラスラ読めるので何度も読む結果、読解の基礎的な慣れみたいな物が得られる。 やはり簡単な文を何度もたくさん読むって大切だよねぇ。

初級教材を終わったあと、というのは、内容的に面白い文章が読めるほどの語学力はまだ無いのだが、 いつも同じような入門書の対話にうんざりして居るものだと思う。 この教材はイタリア語検定というターゲットのおかげで適度に内容が多岐に渡っていて、 けれど変な単語はあまり出てこない程度には入門的なトピックに偏っているという、なかなか絶妙のバランスになっている。 だから割と繰り返し読める。

自分としてはもう一冊くらい似たような教材をやりたいなぁ、と思うくらい気に入ったが、無いものは仕方ない。

追記: 最後のインデックスも網羅的で素晴らしい。AnkiDroidやってて用法を知りたくなった時とかにインデックス引いて例文にたどり着ける。この教材は本当に良く出来ていて素晴らしいなぁ。